ボードゲーム遊び方紹介 番外編 「星降る夜と3つの殺人」
先日、演劇×体験型ミステリー『星降る夜と3つの殺人』に行ってきました。開催場所はリアル脱出ゲーム吉祥寺店です。
友人関係に声をかけ、男性4人、女性2人の6人で1チーム。年齢は様々です。参加者は刑事役なので、スーツ姿で参加された方もいらっしゃいました。
あらすじは以下になります。
巷では「A」という人物による連続殺人が起きていて、同一人物による犯行ではないかと思われましたが、捜査の担当管理官は新たな事件だと考えています。
そんな中、会議中に公安警察がやってきました。
捜査一課の方針に異議を唱えるのですが、果たして真相は?
舞台は捜査会議室という設定です。事件の詳細は、目の前で役者たちによって演じられます。現時点で分かっている捜査報告もランダムに選ばれた参加者によって読み上げられました。
プレイヤーたちは、他の警察官に扮した役者たちから情報を集め、証拠品を観察し、事件の概要を整理して真犯人を導き出さないとなりません。
あっという間にゲームスタート。制限時間が設けられているので、ゆっくりしてはいられません。
まずは、机上で捜査報告書に記入する係と、情報を集めてくる係の二手に分かれました。経験者は動き回る側です。私は整理した情報を公安警察に届け、新たな司令をもらうという役割も行いました。
テーブルに戻って、瞬時に問題文のひとつを読み、これがこうだからこうなるよと自分の意見を言って、また次の場所に。
身内だから、全員遠慮せず指示を出し合うことができ、私たちのチームはかなり早く進んでいました。けれど、もうすぐ終盤のところで行き詰まりが発生。なかなか書類が通りません。めげずに何度かヒントをもらい、ついにクライマックスにたどり着きました。
司令は、チームの中から一人だけ、別の場所に移動し、手がかりを見つけてくること。制限時間は30秒間。
一体何をどうすればいいのかもよく分かっていません。別の場所には係の方がいました。
「これを知りたくて、これをお借りしたいのですが」
「はい、どうぞ」
「違う。これじゃないです!」
「はい。時間です」
欲しかった情報が異なったので、その場所で何を見たかできるだけ暗記して戻りました。
犯人はこの人。動機はこれでしょう。決め手はこのあたり。
それぞれが意見を出し合い、全員同意となったので、推理結果の提出は時間内に間に合いました。
そして、解決編。
私たちが推理した犯人候補は、早々に容疑者から外れてしまいました。つまり、固めてきた推理はまったく別物。ミスリードに引っかかってしまったのです。
一体犯人は誰なのだろう。
そう思った途端、犯人の役者にスポットライトがあたりました。
「えー、嘘でしょー!」
鳥肌が立ちました。確かに意外な人物ではありません。でも、まさか――と驚きました。
さらにもっと意外な真相も出てきて、とても満足した数時間でした。
成績優秀チームは発表されましたが、私たちのチームはおそらく最下位です……。
難易度の高さは保障できます。かといって、まったく解けないというわけではありません。まさにフェアプレイ精神にのっとった本格ミステリー体験でした。
『星降る夜と3つめの殺人』
<東京>リアル脱出ゲーム吉祥寺店 2021年9月30日(木)〜11月28日(日)
<愛知>リアル脱出ゲーム名古屋店 2022年2月3日(木)〜2月13日(日)
<大阪>リアル脱出ゲーム大阪心斎橋店 2022年2月17日(木)〜2月27日(日)
https://www.scrapmagazine.com/hoshifuru_mystery/
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1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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