ミステリー作家 千澤のり子のボードゲーム奮闘記

ボードゲーム遊び方紹介 番外編 マーダーミステリ「SUN DOG -幻日は夜明けに沈む-」(前編)

公開日:千澤(ちざわ)のり子

先日、作家の青柳碧人さん1)(あおやぎ あいと) 2009年に数学ミステリ『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し小説家デビュー。浜村渚の計算ノートシリーズは累計で60万部を突破。、深水黎一郎さん2)(ふかみ れいいちろう) 2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。2011年には「人間の尊厳と八〇〇メートル」で第64回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。デビュー10周年を記念して、2017年の3月から5月にかけて3ヶ月連続でまったく異なるジャンルの新刊を刊行。と、マーダーミステリに行ってきました。

マーダーミステリとは、共通の世界観のもと配役が決められ、与えられたシナリオに沿って他のプレイヤーたちと会話をしながら、殺人事件の推理を進めていくゲームです。
単なる犯人当てとは異なり、自分が犯人になる可能性もあります。あるいは、メインの事件の犯人ではないけれど、別の秘密を抱えていて、それを隠さないといけないこともあります。密かに誰かの命を守らなければならないこともあります。
つまり、自分だけに出された課題をクリアしたり、シナリオを体感できたりすることを楽しむゲームなのです。

予約した公演は「SUN DOG -幻日は夜明けに沈む-」。ちなみにSUN DOGの和訳は幻日で、太陽と同じ高度の光のことを指します。

いざ、出陣。場所はできたばかりのラビットホール池袋店です。
会場は、広めのワンルームでした。出入り口の端で会費の4,000円を支払い、受付を済ませます。

 

窓には分厚い遮光カーテンがかかっていて、室内は薄暗く、バーのような雰囲気です。中央には長テーブルが置かれ、10人で囲めるように椅子が並べてあります。
各椅子の前には、名前・性別・人種・年齢の書かれた席礼、合皮のバインダー、万年筆がすでに準備されていました。
プレイヤーの内訳は、男性8名、女性2名。合計10名のうち、7名が初プレイで、1人参加の方も何人もいました。年齢層は30代が多そうです。

 

予定時刻の13時ちょうどに公演は開始しました。「SUN DOG」の登場人物は、男性が7名、女性が3名です。なので、男性1名が女性に扮しました。

受付をした男性がゲームマスターとなり、まずは世界設定が説明されます。

――ここは、プライベートホテルです。宿泊者の大半が著名人や大富豪。その中であるイベントが開催されて終了した夜、殺人事件が起きます。

全員共通のミッションも発表されました。
続いて指示があり、机上にある自分のバインダーを開きます。
そこには、キャラクターの背景、事件前の自分の行動、ほかの人に隠れてやらなければならないこと、さらに自分だけのミッションが書かれていました。

「嘘をついてもかまいません」と、ゲームマスターから説明がありました。

例えば、「あなたは犯人ですか?」とプレイヤーから聞かれた場合、たとえそうだったとしても「違いまーす」と言ってもいいということになります。逆に、確実に犯人ではない人が判明しにくいよう、シナリオに書いてある文章をそのまま読み上げてはならないと注意も受けました。

机上の中央には、「○○の部屋」「死体の状況」「ホテルスタッフの証言」など、ヒントカードが置いてあります。ヒントが欲しいときに、1人3枚ずつ渡されたチップを使ってカードを引くことができます。カードの内容を全員に開示するかどうかは、各自の判断に任せるそうです。

部屋の壁には、密談用のドアが4つありました。ドアはダミーで、向こう側に空間があるわけではありません。衝立代わりにして、指定時間内で3人までなら誰とでも密談ができるそうです。

さて、前半開始となりました(次回に続きます)。

脚注   [ + ]

1.(あおやぎ あいと) 2009年に数学ミステリ『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し小説家デビュー。浜村渚の計算ノートシリーズは累計で60万部を突破。
2.(ふかみ れいいちろう) 2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。2011年には「人間の尊厳と八〇〇メートル」で第64回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。デビュー10周年を記念して、2017年の3月から5月にかけて3ヶ月連続でまったく異なるジャンルの新刊を刊行。
千澤(ちざわ)のり子

1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。

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