ボードゲーム奮闘記 番外編 「ミステリーのまち蟹江からの挑戦状」に行ってきました。(前編)
先日、1泊2日で名古屋に行ってきました。
1日目は午後から仕事、2日目は終日オフでした。
遠出するには時間がないため、近場で観光できるところはないかと探していたら、こんな謎解きイベントが目に止まりました。
タイトルは「謎解きラリー In 蟹江町 -ミステリーのまち蟹江からの挑戦状 その謎を解き明かせ-」。
-ミステリーのまち蟹江からの挑戦状 その謎を解き明かせ-
愛知県蟹江町公式ホームページ
https://www.town.kanie.aichi.jp/soshiki/3/nazotoki-rally.html
蟹江町は、探偵小説作家・小酒井不木の生誕地だそうです。不勉強ながら、まったく知りませんでした。謎を解けたら、小酒井不木の冊子やグッズのプレゼントもあるとのことです。町おこしでミステリーを広めようという気配が漂ってきます。
最寄り駅はJR蟹江駅と近鉄蟹江駅。
地図によると、名古屋駅から電車で1本、15分もあれば到着できます。
せっかく行くならと、昨年、名古屋書店員懇談会(NSK)で出会った方々に声をかけた結果、作家の越尾圭さん[1]越尾圭(こしお けい):2019年に第17回『このミステリーがすごい!大賞』隠し玉・『クサリヘビ殺人事件 … Continue readingが同行してくださることになりました。
待ち合わせ場所は、謎解きラリーのスタート地点に決定。
チラシのクイズを解けないと、どこだか分かりません。
……果たしてたどり着けるのでしょうか。
解き方はすぐに分かりました。でも、それが何を意味しているのかが分かりません。
私が思う解答は漠然としすぎているし、このままでは合流こともできないのでは……?
かなり不安でしたが、越尾さんから「駅から15分くらい歩くので、JRの駅で待ち合わせましょう」というメールが届きました。
私はグーグルマップも使いこなせない方向音痴です。しかも、スタート地点をまだ分かっていません。
まあ、どうにかなるかな。
そう思っていたら、同じ電車に越尾さんが乗っていました。
車内でスタート地点を聞き、膝を打ちました。スマホとにらめっこでなく、プリントアウトしてみたら、すぐに分かったかもしれません。
JR蟹江駅に到着。ごく普通の住宅街といった印象です。遠くに山が見え、高い建物はありません。私の住む繁華街とはまったく異なります。
歩いている人もほとんどおらず、本当にここでいいのかとちょっと怯えながら、ようやく目的地にたどり着きました。
それが……。
謎解きキットを受け取ることができる施設が、月曜日休館だったのです。
私が見たページには、時間しか書いてありません。そもそも、どこから始まるのか秘密なのですから、答えを明かすようなことは記載されていないのでした(月曜日にまわろうと思っていらっしゃる方はお気を付けくださいませ)。
でも、ただでは帰りません。町役場に電話をかけ、謎解きラリーの担当者につないでもらいました。
「お車ですか?」
「電車で来ました」
「どちらからいらっしゃいました?」
「東京です」
「そんなに遠くから!」
正確には仕事のついでだったのですが……。
担当の方が車でキットを持ってきてくださり、帰りの新幹線に間に合うルートを教えてもらい、蟹江町散策が始まりました
後編につづく
千澤のり子先生が関係されている書籍が立て続けに出版されます。
毎年恒例の探偵小説研究会によるミステリ本
『2021本格ミステリベスト10』(探偵小説研究会:編著/出版社:原書房)
2001年から始まった本格ミステリ大賞の20年を読み解く論考本
『本格ミステリの本流――本格ミステリ大賞20年を読み解く』(出版社:南雲堂)
どちらも好評発売中です。
そして年明けの1/15には新刊の『少女ティック 下弦の月は謎を照らす』(千澤のり子:著/出版社:行舟文化)が発売に!
脚注
↑1 | 越尾圭(こしお けい):2019年に第17回『このミステリーがすごい!大賞』隠し玉・『クサリヘビ殺人事件 蛇のしっぽがつかめない』(宝島社文庫)でデビュー。https://koshio-kei.com/ |
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1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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