ミステリー作家 千澤のり子のボードゲーム奮闘記

ボードゲーム奮闘記 番外編 『ミステリーステージオンライン』 オンライン観劇

公開日:千澤(ちざわ)のり子

今回は番外編として、「ミステリーステージオンライン」を紹介します。

主催は、「ミステリーナイト[1] … Continue reading」でおなじみのE-Pin企画で、公演のタイトルは、「劇団ミルキィポール殺人事件」。もともと劇団東京ミルクホールのために書き下ろしたシナリオを、オンライン用にリライトされたそうです。

観劇にはZOOMを使用します。申し込みと入金後、LINEにZOOMの部屋名とパスワード開演時間の30分前にアクセスしておきます。

入室してみると、代表の方がカメラをオンにして、注意事項を案内していました。ほかの参加者たちは、カメラも音声もオフの状態にしています。

時間ぴったりに上演開始。

主人公であるライターが、人気劇団ミルキィポール新作公演の合宿稽古を取材するため、山奥の宿泊施設に向かう場面から始まりました。

モニター越しではありますが、役者は通常の公演と同様、リアルタイムで演技を行っているはずです。

なのに、主催者側は動画を流していて、観客はそれを眺めているような、不思議な感覚を覚えました。技術的な要素も絡んできますので、詳しく記せませんが、役者の息があっていて、周囲の背景を工夫すれば、室内とは思えない見せ方ができるのです。

 映画『search』、ドラマ「家政夫のミタゾノ」のリモート回、舞台版『今夜はオンライン飲み会デス』もオンライン画面のみでストーリーが展開されていきましたが、「劇団ミルキィポール殺人事件」のような技巧は使っていませんでした。オンラインとあらかじめ承知していたのに、まさかこんな表現法があったのかと、かなり驚きました。

 合宿所に到着後、役者が全員登場しました。画面と現実の舞台では距離感が異なりますが、モニター越しのほうが近くで表情を見られるというメリットがあります。

 さて、そんなに間を置かずに、悲劇が起きます。伏線を拾い集める余裕もなくて戸惑いましたが、見取り図などは画面で提示してくれます。自分の足を使って知りたい情報を仕入れていくという作業はなくなりますが、そのぶん、短時間で手がかりを集めることができます。

さらに、以前参加したときは、推理の結果を提出するために手書きでレポートを書きましたが、今回はウェブ越しに犯人や推理の過程を書くので、キーボードを使用できます。このあたりは手書きが苦手な者としては助かります。休憩時間に記入を済ませられます。

通常と同様、犯人を指摘して解決編にいたりますが、その前にZOOMならではのボーナストラックがありました。役者さんと少人数で行動ができるというものです。参加者が全員同じ世界を共有できるというわけではなく、分岐を誘導してもらえます。真相にはさほど関係はありませんので、ご心配なく。

最後に正解者が発表され、その方々はビデオをオンにして顔を公開できます。

私は、やはり今回も外してしまいました。筋道もしっかりできていて、犯人も絞りやすくなっています。所要時間は2時間。定期的に開催されそうな予感がしますので、今後も要チェックのイベントです。

 

「ミステリーナイト公式サイト」 https://www.epin.co.jp/

脚注

脚注
1 ミステリーナイトは参加者がミステリードラマの探偵となり、演劇による殺人事件の犯人を探し出す参加者疑似体験型イベント。毎年日本各地のホテルにて開催される。企画・運営はE-pin企画。 Wikipediaより
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