ラマダーン柿沼 MTGエターナルのススメ

【MtGエターナルのススメ】禁止改定!激変レガシー環境予想!

公開日:ラマダーン柿沼

こんにちは。ラマダーン柿沼です。

先日の禁止改定を受けて、レガシーでは《夢の巣のルールス》《黎明をもたらすもの、ザーダ》が、ヴィンテージでは《夢の巣のルールス》が禁止になりましたね。

さよなら、ルールス&ザーダ…

相棒というシステムの性質上、禁止されたこれらのカードは高い安定性とハンドアドバンテージを有し、これらが起因して早い日数での禁止リスト入りとなってしまいました。(ザーダは安定したコンボパーツとして今後環境を支配する可能性がある為禁止になったみたいですね。)
また、Wizards of the Coast社からの声明では今後相棒を持つカードが環境を支配するようであれば相棒自体のオラクル改定に踏み込む様な旨の文言も含まれており、今後の環境の動向が気になるところでもあります。

本日は今後のレガシー環境のメタ予想と新環境での相棒デッキについて紹介したいと思います。

 

環境の中心〜UG系コントロール〜

《王冠泥棒、オーコ》


「イコリア」が発売する直前の環境ではUGカラーを有したテンポ、コントロールが環境を支配していました。そのメタの中心にあったカードが悪名高き《王冠泥棒、オーコ》です。《王冠泥棒、オーコ》は「エルドレインの王権」の発売直後から頭角を現し始め、瞬く間に各環境を定義するカードになり、スタンダード、パイオニア、モダンにおいて禁止される運びとなりました。(6/1現在オーコを4枚運用することのできる環境はレガシーとヴィンテージのみ)

《王冠泥棒、オーコ》はエンチャントを除く多くのカードに対応する事が可能です。特に+1能力は一見自身に対しても相手に対してもフェアな能力に見えますが、実情は自軍にクリーチャーを並べるか相手の強力なパーマネントを3/3に弱体化させるかを選択する能力でした。

 
特に点で強力な装備品やプレインズウォーカーでゲームを組み立てるデッキは苦境に立たされることになりました。また《王冠泥棒、オーコ》と高相性なカードが《アーカムの天測儀》《夏の帳》です。両カードとも2019年に発売されたセットからのカードですが、現レガシーを定義するカードとなりました。

 

 

《アーカムの天測儀》

《アーカムの天測儀》は氷雪マナ1コストでキャントリップとフィルターを兼ねる氷雪アーティファクトです。《王冠泥棒、オーコ》を使用するデッキは必然的に多色になり易く、特にコントロールにおける緑というカラーパイは除去もカウンターも有しない為積極的に採用したいカラーではありません。
《アーカムの天測儀》はその点をカバーするのに最適なカードです。氷雪マナ1からキャストできるマナフィルターはあらゆるカラーを足すことが可能になり、土地をUGカラー中心に組んだ上でも5色にすることも可能です。

 
《アーカムの天測儀》から供給されるマナは対同型の《王冠泥棒、オーコ》に対して有効な《紅蓮破》《突然の衰微》へのアクセスを可能にしただけでなく、苦手とするマリッドレイジほかあらゆるクリーチャーに対する《剣を鍬》など枚挙にいとまがありません。また、ゲームの中盤から後半にかけては《王冠泥棒、オーコ》の+1能力によって強靭な3/3速攻クリーチャーとして運用できるのでいつ引いても腐らないという点は魅力です。

 

そういった点では《死儀礼のシャーマン》を彷彿とさせるカードと言えそうです。

 

 

《夏の帳》

 
M11に収録された《秋の帳》から9年たったM20にオマージュとして刷られた《夏の帳》は登場と同時にあらゆるデッキで採用されることになりました。

元来、緑のカラーパイで使用可能なインスタントスペルとしては破格の性能を有し、巷では「1マナの謎めいた命令」と呼ばれるまでになりました。

その呼び名通り、《夏の帳》はテンポとハンドアドバンテージを有しており、特にハンデスを採用しているデッキに対しては0対1交換をインスタントタイミングで対応できます。このため《思考囲い》《トーラックへの賛歌》、延いては《コラガンの命令》といったユーテリティスペルすら黒であるという理由からレガシー環境から追いやる程でした。

 
また、青のスペル、黒のスペルからパーマネントを守ることができる為、《王冠泥棒、オーコ》への《突然の衰微》や各バウンスへの対応、さらにカウンター時限定になるが《紅蓮破》といった青と黒以外のカウンターにも有効なため《王冠泥棒、オーコ》との相性が非常に良い1枚と言えます。

 

 

 

環境のネクストレベルコントロール~ヨーリオンコントロール~

ルールスとザーダは環境から追放されましたが、相棒を有したデッキはまだまだ存在します。その中でも《空を放浪するもの、ヨーリオン》は上記のカードを採用することが可能で、環境のネクストレベルコントロールとして君臨するパワーを有しています。ランドスティル[1] … Continue readingに端を発し、ミラクル、グリクシスコントロール[2] … Continue readingからの系譜を継ぐ新たなコントロールデッキの誕生はレガシー環境に新たな風を吹き込みます。

画像はクリックで拡大 ※上記の画像は[MTG-ELEVEN-NEXT]様を利用して作成しています。

4cヨーリオンコントロール
Legacy Premier – #12142995 プレイヤー:fpawlusz
土地(28)
1: カラカス
4: 霧深い雨林
4: 虹色の眺望
4: 冠雪の森
1: 冠雪の平地
1: 冠雪の沼
1: Tropical Island
1: Tundra
1: Underground Sea
クリーチャー(12)
2: 悪意の大梟
呪文(40)
1: 真冬
4: 定業
4: 突然の衰微
4: 渦まく知識
3: 否定の力
4: 意志の力
4: 剣を鍬に
1: 夏の帳
3: 豊かな成長
2: 森の知恵
サイドボード(15)
1: 真冬
2: 夏の帳
2: 基本に帰れ
1: 無のロッド

 

このデッキは相棒に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を据えた4色コントロールです。《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒として使用する条件はデッキを80枚以上にすること事で、デッキの枚数を意図的に増やすと言うことはデッキに採用している特定のカードを引く確率が下がるため多くのプレイヤーは規定の60枚で組むことを好みます。

 
長いmtgの歴史を見てもあえて60枚以上で構成されているでデッキは、200枚以上のライブラリーが残っている事自体が勝率条件である《機知の戦い》を使用したバベル[3] … Continue readingや、1996年頃に登場したステイシス[4] … Continue readingのライブラリーアウトへの対策として意図的にライブラリーの枚数を水増したデッキ等限られたものになります。

元来のタワー系デッキでは水増ししたカードの分、一枚一枚のカードパワーが下がる傾向にありますが、レガシー環境までカードプールを広げれば、水増しした分のカードパワーを下げずに構築することが可能です。

4cヨーリオンコントロールはレガシー環境下で強力なカードを詰め込んだグッドスタッフコントロールの様な構成をしています。優秀な除去やカウンターに加えてcipでドローやアドバンテージを得るパーマネントを展開することでゲームを進めていきます。

 
パーマネントの中でも《氷牙のコアトル》《アーカムの天測儀》《豊かな成長》は4色入りのデッキを安定させる事に貢献し、後半に場に出た《空を放浪するもの、ヨーリオン》のcip能力でハンドアドバンテージの確保にも繋がる優秀なパーマネントです。1対1交換を積み重ね互いのハンドが尽きてきた頃を見計らって《空を放浪するもの、ヨーリオン》をキャストすれば《空を放浪するもの、ヨーリオン》のcip能力で大量のキャントリップ付きパーマネントをブリンクすることで大量のハンドアドバンテージを確保して相手を圧倒することができます。

 
サイドボードは主に苦手なコンボデッキ対策へ割いていることが見て取れます。《無のロッド》《溜め込み屋のアウフ》を複数枚採用することで流行りのLEDを使用したデッキへのガードを上げています。またポスト系[5] … Continue readingに代表されるマナランプもコントロールの苦手とする部類ですが、採用されている《厳かなモノリス》《通電式キー》といった相手の潤滑剤を機能不全にする働きに期待ができます。

他にも《耳の痛い静寂》《翻弄する魔道士》など、苦手なコンボデッキへの対策に多くを割いている印象です。

逆に、横に並ぶクリーチャーデッキに対しての対応が少ないところを見るとゴブリンやホガークヴァインといったデッキにはサイド含めても辛いゲームになる事が想定されます。

 
しかし、80枚デッキであるということはサイド後に特定のカードを引ける確率、さらに言えばキャントリップ呪文の質を下げる為、サイド後に《空を放浪するもの、ヨーリオン》をキャストする想定がないマッチの場合はデッキを80枚以下にしてサイドインするプランもありそうです。

 

 
また、《空を放浪するもの、ヨーリオン》は他の相棒クリーチャーと同様レジェンダリークリーチャーである為、《空を放浪するもの、ヨーリオン》のcip能力を《カラカス》で使いまわせることを忘れないようにしましょう。(ブロッカーとしても相手のカラカスで戻されてしまうことも…)

 

いかがでしたでしょうか?

今回の禁止改定ではルールス、ザーダが禁止されましたが、その結果、前環境で覇権を握っていたオーコ系のデッキ、それに有利なショーテルやANTに代表されるコンボ、更にそれらに有利なティムールデルバー等のテンポ。その周りに数多の選択肢を含む幅広いメタに変容したように感じられます。
また、相棒を持つカードは2種類が禁止されてしまいましたが、残りのカードは継続して使える点にも注目していきたいですね。ジャイルーダ、ジェガンサ、ルーツリー、ケルーガに関してはMO内では既に結果を残しており、他の相棒カードからも新たなデッキが生まれる可能性があります。ハンドアドバンテージと安定性の面に於いて優秀な能力である相棒持ちのカードは非常に強力です。これからも相棒持ちのカードを使用したデッキの動向に目が離せませんね!

 

脚注

脚注
1 レガシー黎明期から存在するコントロールデッキ。デッキ名の由来は行き詰まりと、ランドを置いてターンを返すを繰り返す所作から来ている。行き詰まりを有効に活用するためにミシュラの工廠や正義の命令といったカードが採用されている。青白のベーシックな形から、破滅的な行為を採用したディードスティル等、時代と環境とともに様々なバリエーションが存在する。
2 死儀礼のシャーマンの禁止後にレガシー環境に登場したコントロールデッキ。4cレオヴォルトからの派生デッキで、豊富な除去と瞬唱の魔導士とコラガンの命令、精神を刻むもの、ジェイスといったレガシー顔なじみのアドバンテージカードから当時環境最強クリーチャーだったグルマグのアンコウでゲームを決める。
3 オデッセイに収録された機知の戦いの登場により誕生したコントロールデッキ。アップキープ時にライブラリーが200枚以上であれば勝利できる機知の戦いを主軸に構築されるため300枚以上で組まれることが一般的である。
4 マジックにおいて最も古いロックデッキの一つ。停滞をキーカードにしてアンタップステップを飛ばすことで相手のアクションのシャットを目指す。停滞は自身のアンタップステップも阻害するため、ブーメランやDespotic Scepterで相手のターン終了時に停滞を退かしたり、ピッチスペルを用いて相手のアクションを妨害する。フィニシャーは概ねライブラリーアウトで、吠えたげる鉱山で互いのドローを加速していく。(自身のデッキにはライブラリーを修復するガイアの祝福やSoldevi Diggerを採用することでライブラリーアウトを免れる
5 雲上の座、微光地等の神座の土地タイプを持つ土地から構成されたランプデッキ。主に無色、緑単、青緑等が主流。原初のタイタンや輪作といった土地サーチと相性が良い。
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