トップメタデッキにも勝てる!オリジナリティ溢れたローグデッキ解説 〜ミノタウルスペインター〜

公開日:ラマダーン柿沼

皆さんこんにちは。ラマダーン柿沼です。

11月も下旬に差し掛かり、来月に控えた「MMM finals2020」と「エターナルフェスティバル2020」に向けて調整に余念の無いプレイヤーが多いのではないでしょうか?

コロナ禍以来となるモダン、レガシーのテーブルトップの競技である本大会は多くのプレイヤーにとって大きなモチベーションになっていると思います。

今回はそんなレガシーフォーマットよりローグデッキを紹介させていただきます。今回紹介するローグデッキはペインターミノタウルスです。

大会名:LEGACY LEAGUE
Posted in  MTGO Standings on November 7, 2020
デッキデザイナー:MENTALMISSTEP
土地(20)

3:《古の墳墓》
1:《裏切り者の都》
1:《溢れかえる岸辺》
3:《霧深い雨林》
2:《汚染された三角州》
4:《沸騰する小湖》
1:《冠雪の平地》
2:《冠雪の山》
3:《Volcanic Island》

クリーチャー(14)

4:《絵描きの召使い》
4:《アクームの怒り、モラウグ》
4:《絵描きの召使い》
1:《ハールーンの将軍、セスロン》
1:《粗石の魔道士》

呪文(26)

4:《思案》
4:《渦まく知識》
1:《目くらまし》
4:《紅蓮破》
3:《赤霊破》
2:《呪文貫き》
4:《Didgeridoo》
4:《丸砥石》

サイドボード(15)

2:《削剥》
1:《血染めの月》
1:《仕組まれた爆薬》
1:《墓堀の檻》
1:《コジレックの帰還》
2:《稲妻》
1:《精神支配》
3:《精神壊しの罠》
1:《真髄の針》
1:《トーモッドの墓》
1:《サーボの網》

ミノタウルスの隆盛

1ヶ月ほど前から、ミノタウルスを主軸とした赤単ストンピィが話題に挙がることが増えました。特にキーカードの1枚である《Didgeridoo》はそれまで高額なカードが存在しなかったホームランドに於いて唯一の高額カードの仲間入りを果たすことになりました。

《Didgeridoo》は「ホームランド」1)ホームランド(Homelands / HML) 1995年10月発売のエキスパンションのアンコモン12)アラビアンナイト〜アライアンスのエキスパンションで採用されていたレアリティ。当時は印刷の都合により同じレアリティの中でも封入率が異なっており、数字が小さいほど希少だった。レアが存在しないホームランドにおいてアンコモン1は最も絶対数が少ない部類となっているとして当時のレアリティとしては最高位に格付けされたアーティファクトの中の1枚です。1マナで置くことができ、3マナ支払うと手札にあるミノタウルスカードを戦場に出せる起動型能力を有しています。
ホームランド発売当時ミノタウルスカードは全部で6種類あり、《Didgeridoo》はこれらのミノタウルスカード専用のアーティファクトとして登場しました。しかし当時のミノタウルスカードは2から4マナ域でしか存在しておらず、構築級のミノタウルスも存在しなかった為、それ以降永らく使用に耐えうるミノタウルスカードが刷られなかったことから、《Didgeridoo》はカスレアとして大衆に認知されてきました。

当時は構築級のミノタウルスはいなかった…

 

時は流れ2020年11月現在、ミノタウルスはその数を93種類にまで増やしました。それに伴い構築級のミノタウルスである《アクームの怒り、モラウグ》や《ハールーンの将軍、セスロン》等の登場に伴い《Didgeridoo》に日の目が当たることになります。

強力な現在のミノタウルス達

 

現在のミノタウルスクリーチャーは全般的にコストが重いものが主流である為、《Didgeridoo》のタップを含まない起動型能力と《古の墳墓》や《裏切り者の都》といった2マナランドとの相性が非常にいいと言えます。
また上記の2マナランドは1マナ除去からミノタウルスを守るための《虚空の杯》とも相性が良いことから自然に赤単ストンピィ系の形に構築されていきました。

唯一の懸念点は《虚空の杯》と《Didgeridoo》の相性にあります。先置きの《虚空の杯》X=1に対して後続の《Didgeridoo》が全て死に札になってしまうという、古来より続くストンピィ系デッキにミノタウルスと《Didgeridoo》が採用されてこなかったのはこの側面による為です。

現在では上記の通り、優秀なミノタウルスの登場により《Didgeridoo》と《虚空の杯》が孕むリスクよりもこれらが噛み合うリターンの方が大きいと考えられています。

 

 

ペインターとミノタウルス

上記で紹介したミノタウルスと《Didgeridoo》ですが、新たな試みとしてペインターとのハイブリッドのデッキがMagic Online内で入賞しました。

ペインターは《絵描きの召使い》と《丸砥石》を組み合わせたライブラリーアウトコンボの1つです。

軽量マナでお手軽なワンショットキルコンボ。色も問わない。

 

「シャドウムーア」3)シャドウムーア(Shadowmoor / SHM) 2008年5月2日発売のエキスパンションで収録された《絵描きの召使い》は登場と同時にレガシー界に新風をもたらし、シャドウムーア発売前までカスレア同然であった《丸砥石》を当時のテンペストトップレアにまで押し上げたことで話題になりました。
この点は昨今のミノタウルスと《Didgeridoo》との関係に近いものを感じますが、次項からはこれらがハイブリッドしたデッキに注目していきます。

 

 

ペインターミノタウルスの安定性について

赤単ペインターのように一貫してペインターコンボを決めにいく形とは異なり、ペインターミノタウルスではキャントリップを採用した赤青ペインターに近い構成をとっています。これはミノタウルスとペインターがそれぞれ独立したコンボのハイブリッドによる構成上、ゲームに応じて特定のカードを集める必要がある為です。

ドローソースは《渦まく知識》4枚と《思案》が4枚の構成になっており、1枚だけ採用されている《粗石の魔道士》は《Didgeridoo》と《丸砥石》のコンボパーツ2種類をサーチできます。

また、サイドボードに採用されている《仕組まれた爆薬》、《トーモッドの墓》、《墓掘りの檻》、《真髄の針》もサーチが可能な為、メイン、サイド共に非常にユーティリティに富むカードと言えます。

 

 

ペインターミノタウルスの採用カウンターについて

ペインターミノタウルスでは《目くらまし》や《呪文貫き》を含め多くのカウンターを採用していますがレガシー環境における最もポピュラーなカウンターである《意志の力》は採用されていません。

 

その理由はデッキ内のブルーカウントを12枚しか採用していない為です。
一般的に60枚で構築されたデッキである場合、4枚の《意志の力》を運用するには最低20枚のブルーカウントが必要とされていますが、ペインターミノタウルスではハイブリッドコンボである点とそれらが青を含まないと言う点で《意志の力》の採用が叶わないのです。
その代わりに採用されている《赤霊破》と《紅蓮破》はペインターミノタウルスにとって最高のカウンターとなっています。

絵描きの召使いとのコンボで最強カウンター&除去に

 

レガシー環境におけるデッキの多くが青を含む点にあります。コンボを阻害する1番の要因は相手の青のカウンターにありますが、《紅蓮破》と《赤霊破》はこれらを1マナでケアをしてくれます。
これだけで赤が絡むデッキのサイドボードでは常連となっていますが、それに加えてこのデッキでは、《絵描きの召使い》の存在によりさらに強く使えます。

上記の通り《丸砥石》とコンボを成すクリーチャーですが、戦場に出た際の指定の色を青にすることで、場のパーマネント、ライブラリー、ハンド、スタック上のスペルに至る全てが青になる為、《赤霊破》と《紅蓮破》はあらゆるスペルに対して万能のカウンターになります。
これはコンボを通す為だけではなく、自軍のクリーチャーへの除去から守ったり、こちらに対してクリティカルな置物やクリーチャーに対してのカウンターと幅広く使うことが可能です。
また、《絵描きの召使い》と《紅蓮破》、《赤霊破》のコンボはスタック上のスペルへのカウンターに止まらず、盤面のパーマネントに対しても有効に働きます。

特に《秘密を掘り下げる者》や《永遠衆の秘技術師》といった早いターンからクロックを刻むクリーチャーや《大いなる創造者、カーン》や《溜め込み屋のアウフ》といったシステマチックな置物にも対応できる点は重要です。

 

クリティカルな置物も手軽に除去が可能

 

土地が詰まっている相手に対しては基本地形であろうと対象にとれるので破壊する選択もありえます。ただ、青くないスペルやパーマネントを対象にする際は《絵描きの召使い》に対する除去に気をつけるようにしましょう。
除去のケアは赤単ペインターとは異なり、《ゴブリンの溶接工》や《ゴブリンの技師》といった墓地からペインターを戻す手段が皆無である為難しいシーンが多くあります。

 

 

ペインターミノタウルスの苦手なカード

ハイブリッドコンボであるミノタウルスペインターですが、ここでは苦手なカードについて雑感を交えながら考察していきたいと思います。

 

 

アーティファクトの起動型能力を妨げるパーマネントについて

まず、ペインターミノタウルスのキーカードがいずれも起動型能力を有したアーティファクトである点がウィークポイントの1つに挙げられます。

アーティファクトの起動を妨げられるのは一番苦手

 

即ち《無のロッド》や《溜め込み屋のアウフ》、《大いなる創造者、カーン》等に代表されるカードに弱いということです。
これらのカードは置物である為、上記に記した通り、《絵描きの召使い》+《紅蓮破》、《赤霊破》で対応することが可能です。またサイドボード後には《削剥》が2枚、《稲妻》が1枚とられている点から《無のロッド》や《溜め込み屋のアウフ》に対しては比較的対処はし易いと思われます。
反対に《大いなる創造者、カーン》に対しての対応は少なく、着地後に《罠の橋》や《液鋼の塗膜》をサーチされるといった追加で対応を迫られるシーンが多くあります。可能な限り《目くらまし》、《’呪文貫き》、《絵描きの召使い》+《紅蓮破》、《赤霊破》を駆使して着地を防ぐことが重要になります。また、《Didgeridoo》から《ボロスの布陣者》を含むミノタウルスを盤面に展開することは上記の置物により妨害されますが、《ハールーンの将軍、セスロン》と《アクームの怒り、モラウグ》は素キャストが可能な為、アーティファクトの起動型能力を妨げられても勝ち筋が残されている点は赤単ペインターには無い長所と言えます。

 

 《虚空の杯》について

ペインターミノタウルスの最も苦手なカードの1枚に《虚空の杯》が挙げられます。
これはペインターミノタウルス側の対応の難しさにあります。

《虚空の杯》はミノタウルスストンピィでは《Didgeridoo》と合わせて採用されていることを上記で記しましたが、ペインターミノタウルスでは構築が1マナに寄っている傾向が強い為《虚空の杯》X=1はよりクリティカルと言えます。
潤滑油たる《Didgeridoo》やペインターコンボの勝ち筋である《丸砥石》はもちろん、更にはドローソースにカウンターなど大量のカードがハンドとライブラリーで死に札となってしまいます。

加えて、このデッキの最もポピュラーな対象手段である《絵書きの召使い》+《紅蓮破》、《赤霊破》も着地後には効果を発揮できず、ひとたび盤面に出されてしまうとメインでは触ることができません。

ただ11月中旬現在では《虚空の杯》を採用しているデッキは減少傾向にあり、ペインターミノタウルスにとっては向かい風と言えそうです。
なお、サイド後からは《削剥》、《仕組まれた爆薬》を駆使して対抗していくこととなります。

いかがでしたでしょうか?今回はマジックオンラインのレガシーリーグで入賞したペインターミノタウルスを紹介しました。1995年に発売された「ホームランド」から25年を経て1級で活躍するに至った《Didgeridoo》ですが、マジックザギャザリングにはまだまだその様なカードが多く眠っているかもしれません。皆さんもバインダーに眠っているカード達を一級に仕上げてみませんか?

脚注   [ + ]

1.ホームランド(Homelands / HML) 1995年10月発売のエキスパンション
2.アラビアンナイト〜アライアンスのエキスパンションで採用されていたレアリティ。当時は印刷の都合により同じレアリティの中でも封入率が異なっており、数字が小さいほど希少だった。レアが存在しないホームランドにおいてアンコモン1は最も絶対数が少ない部類となっている
3.シャドウムーア(Shadowmoor / SHM) 2008年5月2日発売のエキスパンション

北関東の僻地で活動してるMagic: the Gatheringプレイヤー。好きなフォーマットはレガシー。好きなカードをずっと使い続けられるこの環境とプレイを共にする友人が大好き。あと痩せたいです。

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