ラマダーン柿沼 MTGエターナルのススメ

統率者レジェンズ発売!新カードがレガシー環境に与える影響とは!?

公開日:ラマダーン柿沼

皆さんこんにちは。ラマダーン柿沼です。

いよいよ統率者レジェンズが発売されてEDH界隈がますます盛り上がりを見せていますね。
一方で新規で収録されたカードの中にはEDH1)エルダー・ドラゴン・ハイランダー(Elder Dragon Highlander)の略。以前はこの名称が使用されていたが、2011年に統率者セットが発売される際に現在の名称である統率者戦に名称が変更された。EDHの名称が広く浸透しているため今でもEDHを使うユーザーが多い。の垣根を越えて、レガシー、ヴィンテージでも期待されているカードも存在しています。
今回はそんな統率者レジェンズの新規カードの中で、レガシー視点で活躍が見込まれるカードをピックアップして紹介していきたいと思います。

 

船殻破り

スポイラー公開直後より話題になり、11月20日現在統率者レジェンズのトップレアの1枚である《船殻破り》。3マナ3/2瞬速で「対戦相手自身のドローフェイズ以外にカードを引く場合、あなたは引く枚数に応じた宝物トークンを場に出す」という常在型の置換能力を有しているクリーチャーです。
ドロー制限をかけるパーマネントとしては《Chains of Mephistopheles》《概念泥棒》《トレストの使者、レオヴォルド》《覆いを割くもの、ナーセット》等の系譜を継ぐカードになります。

 

各所より評価が高い理由としてはマナコストが軽く色拘束が少ない、瞬速持ちである為、相手のドローに対応してキャストができる奇襲性の高さに起因していると思われます。

同マナコスト帯のカードである《トレストの使者、レオヴォルド》と《覆いを割く者、ナーセット》はそれぞれが単体でアドバンテージが取れたり、対象を取られるたび1ドローといった自身の手札に恩恵を与える事が可能な一方で、ソーサリータイミングでキャストしなければならない為、これらのスペルのキャストに対応してドロースペルを撃たれて回答を探しにいかれてしまうパターンが多々あります。
また、仮にこれらのパーマネントが盤面に着地したとしても相手のハンドには干渉することにはならず、相手の手札に溜まったドロースペルは《意志の力》や《否定の力》の代替コストに変換する余地を与えてしまうことになります。
対して《船殻破り》は自身の手札こそ増えませんが、相手のドロースペルに対応してキャストすることで手札を1枚潰す+宝物トークンを獲得することが可能です。

特に重要なのが《船殻破り》が盤面にある状態で相手の《渦まく知識》を解決した場合です。
その場合ドローの3枚はこちらの宝物トークンに置換され、相手は手札から2枚ライブラリートップに戻すこととなる為、実質1対6交換というゲームエンド級の交換が発生してしまう点にあります。

渦まく知識に合わせられればほぼ勝ち…

 

青であればほぼ4枚入っている《渦まく知識》の採用枚数を考えると、今後のレガシーシーンでは頻繁に見るかもしれません。また、同様の事象を起こせるドロー制限系パーマネントとして《概念泥棒》が存在しています。
こちらは「対戦相手が同一ターン内で2枚目以降のカードを引く場合、代わりに同枚数のカードをあなたが引く」という常在型置換能力を有しています。直接ハンドアドバンテージを得ることが可能な《概念泥棒》ですが、色拘束がディミーアカラーで縛られている点、4マナとコストが重い点、タフネスが1である点を加味すると、《船殻破り》の方が使い易く優れている点が多いと評価できそうです。

採用されるデッキはデッキに青が入っているデッキであれば殆どのデッキで採用候補に挙げることができます。特にウルザエコー2)《永劫のこだま》+《ライオンの瞳のダイアモンド》+《覆いを割く者、ナーセット》による大量ハンドアドバンテージコンボを内蔵する準コンボデッキ。早い仕掛けもロングゲームも盤面に応じて展開できるが、アーティファクト過多なデッキなので《大いなる創造者、カーン》や《溜め込み屋のアウフ》は苦手。では青1マナ+ソルランド各種で早いターンに展開が可能であり、《永劫のこだま》とのコンボを成す点から5枚目、6枚目の《覆いを割く者、ナーセット》としての運用が可能です。

自分は手札7枚宝物7個、相手はハンドゼロ・・・

また、宝物トークンもウルザエコーでは《最高工廠卿、ウルザ》の常在型能力により《Mox Sapphire》として運用ができますし、構築物トークンのサイズアップにも寄与します。

 

また、クリーチャータイプがマーフォークである点にも着目してマーフォークデッキにも採用の可能性があります。
現在では少数となった虚空の杯クロック型と、大多数を締めるパラダイムシフト型が主流になりつつありますが、相性が良いのは虚空の杯クロック型の方だと思われます。
理由としてはソルランドとの相性に加えて除去から身を守る為の《虚空の杯》の存在にあります。
パラダイムシフト型でも《虚空の杯》は採用されていますが、《パラダイムシフト/Paradigm Shift》4、《タッサの神託者》4、《虚空の杯》4と確定パーツが非常に多く採用枠の調整に難がある状態になりそうです。とはいえ《船殻破り》自体強力なクリーチャーである為、十分検討の余地はあると思います。

 

 

 

敵対工作員

統率者レジェンズの黒のトップレアである《敵対工作員》は、前述した《船殻破り》に似たタイプのクリーチャーです。瞬速持ちで「対戦相手がデッキ内をサーチするなら代わりにサーチしている間に相手をコントロールし、サーチしたカードを追放して任意の色マナで支払ってプレイすることができる」常在型置換能力を有しています。

現環境で最も多く採用されているサーチ系カードと言えばフェッチランドが挙げられます。
即ち、《敵対工作員》を採用した場合、多くの場合には相手の土地を1枚追放+こちらの土地が1枚追加できるだけでなく、相手のライブラリー+手札(+あれば裏向きのカード)を含む情報アドバンテージを得れる3マナ3/2瞬速クリーチャーとして運用されることが期待されます。

ほとんどの場合は土地を掠めとることになるが…

相手に《敵対工作員》への対策がない場合、以降のフェッチランドを含むサーチカードを手札に腐らせられる為、土地事故を狙える可能性があります。また、地味ながら重要な点が情報アドバンテージを得れる点です。
手札とライブラリーの構成を把握できるということは、ゲームの指針を立てる上で重要なアドバンテージです。

特に相性が良いカードはエスパータックス3)エスパーカラーで構成されたヘイトベアーデッキ。ピッチスペルとヘイトベアーの組み合わせでコンボデッキには滅法強い。一方で《翻弄する魔道士》のプレイングが非常に難しいため、高いレベルで盤面を読む能力と相手の手札を推察する能力を求められる。に採用されている《翻弄する魔道士/Meddling Mage》です。《翻弄する魔道士》はプレイに際してカード名を1つ選び、選ばれたカードのプレイを妨害するヘイトベアーに分類されるクリーチャーです。
エスパータックスは構成上相手の手札を覗く手段を採用していない上で、相手のカードのプレイを妨害する《翻弄する魔道士》を採用しています。
その為、相手のプレイングやゲームの展開から推察して《翻弄する魔道士》のカードを指定する為、高度なゲーム展開の読みを要求されるエスパータックスは非常にプレイが難しいデッキの1つとして議論されています。

《敵対工作員》はハンドを見るという観点と《敵対工作員》自体がヘイトベアーとして運用できる観点から、エスパータックスとの相性が非常に良く、プレイングの難易度を緩和してくれる可能性のあるクリーチャーです。

また、多くのコンボデッキに対して非常に強力なカードであると言えます。
上でフェッチランドから土地を掠め取るアクションが多くなると述べましたが、コンボデッキに於いては特定のパーツを集める必要が多いことから、サーチスペルによるアドバンテージ獲得兼妨害は非常に有用で強力なものになります。
例を挙げるとスニークショー4)《実物提示教育》と《騙し討ち》から大型クリーチャーを踏み倒すコンボデッキ。最近では《騙し討ち》を排して《全知》を入れたオムニテルの数が増えてきている。の《直観/Intuition》、ANT5)《むかつき》、《炎の中の過去》を利用し、大量のマナ加速とキャントリップからストーム数を貯めた《苦悶の触手》でゲームを決めるワンショットキル系コンボデッキ。最近では《夏の帳》の登場により数を減らしつつあるが依然愛好者が多いデッキ。の《冥府の教示者》と《願い爪のタリスマン》。Doomsday6)《最後の審判》により自身のライブラリーを削り、《タッサの神託者》からの誘発型能力により勝負を決めるコンボデッキ。勝利に必要なパーツ自体は多いものの、《最後の審判》により必要なパーツは全てサーチできるため実質1枚コンボと言っても過言ではなく安定性が高い。の《最後の審判》がこれに当てはまります。

特に《最後の審判》はこちらのプレイ可能なカードが5枚サーチできるだけでは無く、相手のライブラリーが追放される為実質的な勝利となる働きをしてくれます。
またDoomsday側がハンドに《タッサの神託者》を抱えていた場合、《敵対工作員》のサーチを追放に置換する効果を利用して《最後の審判》から《タッサの神託者》の誘発型能力で勝利を狙うことは可能ですが、《敵対工作員》のコントローラーは《最後の審判》で追放するカードに《意志の力》を含めておくことで《タッサの神託者》のキャストを妨害できます。

Doomsday側は《敵対工作員》の除去、又はカウンターが必須のものになりますが、《最後の審判》より前に《夏の帳》を撃っておくor《魂の洞窟》から《タッサの神託者》をキャストすることでこれらの問題をクリアすることができます。

 

 

 

恩寵の宮廷

2017年に発売されたコンスピラシーのメカニズムである統治者。統率者レジェンズではこの統治者のメカニズムを持つカードが新たに登場しました。
今回紹介する《恩寵の宮廷》は各色に存在する宮廷サイクルの1枚です。各宮廷共にエンチャントであり、出た際に統治者の紋章を得ることができます。また、各アップキープ時にそれぞれ能力が誘発するのですが、その際に統治者であればその誘発型能力の威力がより強力なものになります。

《恩寵の宮廷》は、各アップキープに誘発する能力が飛行トークンの生成を行うもので、これはサイクル上で2つしか無いボードアドバンテージを得れる能力になっています。
統治者であれば4/4飛行、そうでなければ1/1飛行を生産するのですが、統治者を自衛できる、統治者を奪い返せるトークン生産という能力はサイクルで最も噛み合った能力と言えます。
少なくても1/1飛行を生成できるということは、環境に多く採用されている《氷牙のコアトル》や《秘密を掘り下げる者》からの統治者奪取を防ぎ、統治者を奪還する術のない相手に対してはゲームエンド級のトークンを量産しながら統治者ドローも加速するという、ミラクル全盛期に於ける《精神を刻むもの、ジェイス》を彷彿とさせるムーブを可能とします。

天敵からの統治者奪取を防ぐ飛行トークンは強力

また、カードデザイン的にも全体除去と相性が良く、シャークスティルやバントミラクルのフィニッシャーとして候補に上がるでしょう。

統治者というメカニズムの性質上、統治者を奪われた際の奪還を多少意識しないといけない為、《氷牙のコアトル》《サメ台風》《瞬唱の魔道士》と言った、瞬速持ちで全体除去に巻き込んでもアドバンテージを失わないクリーチャーの採用は必須だと思われます。

 

この様なコントロール系デッキに於いて、アドバンテージ源とフィニッシャーを兼ねていた《精神を刻むもの、ジェイス》や《王冠泥棒オーコ》と言ったカードの多くは青だったことから、《赤霊破》や《紅蓮破》は非常に優秀なカードでしたが、《恩寵の宮廷》はその例から漏れる為対策が難しいカードだと言えます。

サイドの定番であるカードも《恩寵の宮廷》には無力!

また《恩寵の宮廷》は何かしらの手段で破壊されても統治者によるドロー加速という盤面外のアドバンテージ源が残る為、《恩寵の宮廷》の破壊+コンバットによる統治者の奪取という2通りの対策を必須とさせることも強さの一因に挙げられます。
また、デス&タックス7)白単色のヘイトベアーデッキ。相手の行動に干渉する手段が多く、《スカイクレイブの亡霊》を得たことで、《王冠泥棒オーコ》に対する完全な回答を手に入れた。瞬殺系のコンボデッキには弱いため最近では《精神壊しの罠》をとることがある。また瞬殺系コンボデッキの対策に傾倒した亜種であるエスパータックスというデッキも登場している。の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と競合すると見られるので今後レガシーのトーナメントシーンで白を使ったデッキで見る機会が増えるのではないかと予想しています。

 

 

如何でしたでしょうか?
今回は新エキスパンションである統率者レジェンズから、《船殻破り》《敵対工作員》《恩寵の宮廷》の3枚を紹介させていただきました。
統率者レジェンズからはこれら以外にも強力なカードがまだまだ存在します。
宮廷サイクルをはじめ統治者によるドローエンジンはどれも強く、そのドローを咎める《船殻破り》や《覆いを割く者、ナーセット》は今後見る機会が増えるのではないでしょうか?
もちろんこれら以外にもレガシーシーンで見られるカードが出てくるかもしれません。様々なデッキが跋扈するこれからのレガシーに期待ですね!

 

脚注   [ + ]

1.エルダー・ドラゴン・ハイランダー(Elder Dragon Highlander)の略。以前はこの名称が使用されていたが、2011年に統率者セットが発売される際に現在の名称である統率者戦に名称が変更された。EDHの名称が広く浸透しているため今でもEDHを使うユーザーが多い。
2.《永劫のこだま》+《ライオンの瞳のダイアモンド》+《覆いを割く者、ナーセット》による大量ハンドアドバンテージコンボを内蔵する準コンボデッキ。早い仕掛けもロングゲームも盤面に応じて展開できるが、アーティファクト過多なデッキなので《大いなる創造者、カーン》や《溜め込み屋のアウフ》は苦手。
3.エスパーカラーで構成されたヘイトベアーデッキ。ピッチスペルとヘイトベアーの組み合わせでコンボデッキには滅法強い。一方で《翻弄する魔道士》のプレイングが非常に難しいため、高いレベルで盤面を読む能力と相手の手札を推察する能力を求められる。
4.《実物提示教育》と《騙し討ち》から大型クリーチャーを踏み倒すコンボデッキ。最近では《騙し討ち》を排して《全知》を入れたオムニテルの数が増えてきている。
5.《むかつき》、《炎の中の過去》を利用し、大量のマナ加速とキャントリップからストーム数を貯めた《苦悶の触手》でゲームを決めるワンショットキル系コンボデッキ。最近では《夏の帳》の登場により数を減らしつつあるが依然愛好者が多いデッキ。
6.《最後の審判》により自身のライブラリーを削り、《タッサの神託者》からの誘発型能力により勝負を決めるコンボデッキ。勝利に必要なパーツ自体は多いものの、《最後の審判》により必要なパーツは全てサーチできるため実質1枚コンボと言っても過言ではなく安定性が高い。
7.白単色のヘイトベアーデッキ。相手の行動に干渉する手段が多く、《スカイクレイブの亡霊》を得たことで、《王冠泥棒オーコ》に対する完全な回答を手に入れた。瞬殺系のコンボデッキには弱いため最近では《精神壊しの罠》をとることがある。また瞬殺系コンボデッキの対策に傾倒した亜種であるエスパータックスというデッキも登場している。

北関東の僻地で活動してるMagic: the Gatheringプレイヤー。好きなフォーマットはレガシー。好きなカードをずっと使い続けられるこの環境とプレイを共にする友人が大好き。あと痩せたいです。

よろしければシェアお願いします

PAGE TOP