ボードゲーム遊び方紹介 第41回 『にゃんこならべ』
にゃんこを5匹並べる「にゃんこ並べ」を紹介します。
遊び方は、碁石を使った五目並べとまったく同じです。五目並べは連珠と呼ばれる古くから伝わるボードゲームであります。
白と黒のにゃんこたちは、各40個ずつ。ボードは19×19線の描かれた「よつおりばん」を使います。
にゃんこは、線と線の重なった場所ならばどこにでも置けます。ただし、マスの中や枠の外に置いてはいけません。
遊び方も連珠と同じです。黒、白、黒、白の交互に置いていき、縦、横、斜め、どれか一直線に自分の色のにゃんこを並べられた人が勝ちになります。
囲碁と同じように「お願いします」と言ってゲームを開始し、終わったら「ありがとうございました」と挨拶をします。対象年齢は6歳以上。遊びながら礼儀作法が覚えられるので、教育関係の場でも使われているそうです。
さて、私は囲碁の経験はありますが、五目並べはまったく初めてです。なのに、じゃんけんに負け、囲碁でもほとんど経験しない白番になってしまいました。
どこに何を置いていいか分かりませんので、とりあえず、囲碁っぽく置いてみます。
「厚みに近づくな」という囲碁の格言にならって、ふわっと、なるべく詰めずに余裕を持ってにゃんこを置いていきましたが、あっという間に黒にゃんこが3匹並んでしまいました。あともう1匹並ぶと「棒四」という4つ並んだリーチの形になり、次の一手で勝敗が決まってしまいます。これは阻止しないとなりません。
その時です。対戦相手が「にゃー!」と言いました。なんのことでしょう。猫のコマを扱っているのでしょうか。私も「にゃお」と返してみます。しばらく猫語を使いながらゲームは進んでいきました。
実は、にゃんこ並べでは、3つ並んだら「にゃー!」と言わないとならないのです。相手と同じように「にゃー!」と言っていたら、ルール違反の失格になってしまうところでした。
写真では、とりあえず3つの黒にゃんこの頭は押さえています。もう少し自由な場所に置けそうです。私も負けてたまるかと、2つ並べてみたり、相手の3匹に沿ってみたりしました。でも、全然つながりません。
その時、相手が「にゃん!」と言いました。私は次にどこに置くか真剣に考えています。レフリー役の葛飾囲碁同好会の大将は、盤面を見ながらニコニコしていました。
やっぱり3つ並んだら両方から押さえないとならないのかしらと、置いてみたその時。
「にゃんこ!」
なんと、斜めに黒にゃんこが5つ並んでしまいました。「にゃんこ!」は「五連」=勝利を意味します。さっきの「にゃん!」は棒四の合図だったのです。それにまったく気づかず、あっさり敗北してしまいました。
黒にゃんこのように四と三、あるいは三と三、四と四などを同時に作れるようになると勝ちやすくなります。「『」や「』」の形になればいいのですが、まったくうまくいかず。普段は詰碁をしている囲碁盤と碁石を使って、詰連珠の特訓をしてから出直そうと思いました。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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