ボードゲーム遊び方紹介 第31回 お邪魔者(後編)
前々回の「ハゲタカのえじき」で登場した葛飾囲碁コミュニティ・JAMの皆さんと、「お邪魔者」で遊びました。
プレイヤーは全部で4人です。実は、私は「お邪魔者」経験者です。ですが、勝利のコツはつかめていません。
1回戦。役割カードは真面目なドワーズでした。3枚のゴールドカードのうち、金塊はどこにあるか分かりません。それでも最短の7枚でたどり着くぞと目標を高く掲げ、ゲームが始まりました。
自分の手番。手札は前に進められるカードがありません。横に伸びる通路カードを置いて様子を見ます。ほかの方々も同様に、道をつないでいきます。
2周目。いきなり別のプレイヤーから道を封鎖されました。きっとこの人が「お邪魔者」かなと思いましたが、単にカードを捨てないだけかもしれません。
3周目くらいで、私は通路カードがなくなってしまいました。アクションカードしか持っておらず、金塊の場所を確認します。かなり道は遠く、自分だけではたどり着けそうにありません。
このあたりで、プレイヤーたちは自分の仲間が分かってきます。協力しているように見せかけて、さり気なく妨害する人が出てきました。
(私の進む道に金塊があるのよ!)
アイコンタクトを送っても、囲碁の方々はポーカーフェイスが基本です。誘導しているはずなのに、どんどん封鎖されていきます。
(もう誰も信じられない……)
アクションカードを使いまくろうと、一番怪しそうな人を妨害しました。ほかの人が助けてくれるか、同じマークに該当するアクションカードをその人が引かないと、行動をすることができなくなります。
私とそのプレイヤーは妨害と救済を繰り返し、ほかのプレイヤーに道を開拓してもらい、見事、金塊にたどり着けました。
結局、「お邪魔者」は正解していたのですが、最初に封鎖カードを使った人は仲間だったということが分かりました。
2回戦。またしても真面目ドワーズを引きました。早めに金塊を確認するアクションカードを使いましたが、ハズレ。もう1人、金塊を確認した人がいたので、空気をあわせます。けれど、どう見てもその人はハズレの道に誘導していきます。ほかのプレイヤーがその方を妨害したので、仲間は確定できました。
数周したら、手札が前に進める道路カードばかりになったので、まっすぐ進み、難なく金塊にたどり着けました。
3回戦。またしても、真面目ドワーズです。一番鋭いプレイヤーが味方だと気づきましたが、早々に封鎖の道路カードを使い、明らかに「お邪魔者」宣言をしている人が、その人に妨害のアクションカードを送り続けます。ならばこちらはと、救済できるアクションカードを使いまくり、残ったもう1人のプレイヤーが道路カードで突き進んでいき、2回失敗して3回目で金塊に到着。
得点を確認したら、2位でした。
今回はたまたま3回とも同じ役割カードでしたが、早めに金塊を確認し、アクションで他のプレイヤーを妨害する行動は、自分が「お邪魔者」になったときに効果を発揮できそうです。
ギリギリまで道を引っ張っていって、最後の最後に道を封鎖して裏切る。
敵側になったら、そんなプレイをしてみたいなと思いました。
Amigo社/メビウス・ゲーム お邪魔者 対象年齢:7歳~ |
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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