デバッグ・マジック! vol.22 ~もっと!『ファイレクシア:完全なる統一』編~
さて、『ファイレクシア:完全なる統一』が発売して1ヶ月が経過した。
3コスト以下で実戦的な性能を持つカードが数多く収録されていたことで、メタ上位に食い込む新アーキタイプこそ生まれなかったものの、細部ではモダン環境に少なくない影響を与えたと言っていいだろう。
であるならば、まだその秘められたポテンシャルを十分に遊び尽くせていないに違いない。
ということで、今回も最新のモダン環境の様子をチェックしつつ、新たなアイデアを模索していくことにしよう。
目次
1.アミュレットの躍進と66%の上位メタデッキ
2023年1月~2月にかけてのモダン環境は、以下のようなメタゲームで展開していた。
Tier God (13%) |
Tier 1 (7~9%) |
Tier 2(4~6%) |
上位アーキタイプやその順序にほとんど変動はないが、「ファイレクシア:完全なる統一」の影響を挙げる上で一つポイントとなるのがアミュレットの躍進だろう。
アミュレットというデッキは、「モダンホライゾン2」の時点で《ウルザの物語》によって《精力の護符》の8枚体制が既に実現していたわけだが、そこに今回《マイコシンスの庭》が加わったことで、出した《精力の護符》をコピーすることで圧倒的に2枚貼りしやすくなった強化を受けた。
《精力の護符》は2枚貼るとお帰りランドを置くだけで4マナが出るバグムーブが発生するところ、その発生頻度が高まったことは、デッキポテンシャルが飛躍的に増大したということを意味している。
もちろん《虹色の終焉》や《力線の束縛》の登場で《精力の護符》自体の触られやすさも最近では上がっているほか、周りのデッキも独創力はデッキをフルに妨害に寄せた実質1枚コンボだし、赤黒不死ラガバンや装備シュートなどはアミュレットと同様に「干渉されないなら圧殺」を容易に実現してくるため、メインボードは自身のぶん回りに全力投球しておりほぼ対戦相手への干渉手段がない上にコンボパーツも必要なアミュレットは、Tier GodやTier 1の怪物たちと比べるとさすがに一段階落ちる印象ではある。
だが、コンボデッキが「続唱」系以外ではクリーチャーコンボくらいしか生き残っていない現状、土地コンボという角度でしかも高いデッキポテンシャルを持っていることは唯一無二のポジションであり、現存するデッキの中でプレイが圧倒的に難しいデッキということを差し引いても、現代モダンのメタゲームにおいてマークを外せないデッキの一つとなったことは間違いないと言えるだろう。
ちなみに3月6日にレガシー・フォーマットで《表現の反復》と《白羽山の冒険者》の禁止が発表されたわけだが、そこでは現在のモダン環境について以下のようなコメントが付されていた。
「前回の更新と同様に、モダンは健全な状態であり続けていて、豊富なアーキタイプがあり、上位デッキのメタゲーム内のシェアは比較的なだらかに分散しています。イゼット・マークタイドは競技プレイで最も人気のあるアーキタイプですが、他に大きく差をつけているわけではなく、勝率も問題ありません。今のところうまく行っているようですが、いつもと同じく今後行われるハイレベルなモダンのメタゲームを注視していきます。」
つまり特に禁止の必要性はないということで、冒頭のメタゲームでもTier 2までで合算しておよそ66%、環境の3分の2までしか占められておらず、環境の3分の1は使用率3%以下の有象無象のローグデッキが跋扈しているというのだから、実際問題はないものと思われる。
Modern Challenge 32 2023-02-17, 1st Place, 5-2
プレイヤー:HanktheObese
4《教区の勇者》
4《エスパーの歩哨》
4《有望な信徒》
4《光輝王の野心家》
2《ラフィーンの密通者》
4《サリアの副官》
2《スレイベンの守護者、サリア》
4《輝かしい聖戦士、エーデリン》
3《孤独》
4《別館の大長》
2月中旬~下旬に開催されたマジックオンラインのモダンチャレンジで同じプレイヤーが圧倒的な成績をたたき出し、一躍注目を浴びたアーキタイプ。《輝く群れ》の初見殺し性能がとにかく高く、現在のモダン環境における主流の除去が《邪悪な熱気》《稲妻》《火+氷》《激情》など赤の除去に偏っていることもあって、すさまじいテンポを獲得できる。
また、ビートダウンに《別館の大長》や《孤独》を採用するという発想は、現代モダンにおいて「ゼロ」のアクションが極めて重要となっていることを改めて知らしめる結果となった。
Modern Challenge 2023-02-19, 1st Place, 6-0
プレイヤー:Qua4tre
4《乾燥台地》
3《バグベアの居住地》
1《皇国の地、永岩城》
1《神聖なる泉》
4《感動的な眺望所》
2《山》
2《平地》
1《ラウグリンのトライオーム》
2《聖なる鋳造所》
1《反逆のるつぼ、霜剣山》
1《蒸気孔》
4《敏捷なこそ泥、ラガバン》
3《歴戦の紅蓮術士》
2《機械の母、エリシュ・ノーン》
4《激情》
4《孤独》
3《永久のドラゴン》
1《機械の母、エリシュ・ノーン》
2《月の大魔術師》
1《獲物貫き、オボシュ》
2《万物の姿、オルヴァール》
4《大祖始の遺産》
2《時を解す者、テフェリー》
3《一時的封鎖》
赤単オボシュの弱点として、「後手番を返しづらいこと」「クリーチャー以外のパーマネントに触りづらいこと」「《ヴェクの聖別者》を対処しづらいこと」などがあった。そこでこのデッキは白をタッチすることで、そうした弱点の解消を図っている。
また、《永久のドラゴン》は《獲物貫き、オボシュ》と併用できる実質的な偶数アクションとなり、序盤にフェッチから《平地》1枚をサーチしておけば、あとは自身の《血染めの月》の上からでも後引きのフィニッシャーになれる。《機械の母、エリシュ・ノーン》で自分の《孤独》《激情》を倍化しながら相手の《孤独》《激情》への蓋もでき、ローグ感あふれる見た目でありながらも実はかなり理に適ったデッキ構築と言えるだろう。
Modern Challenge 2023-03-04, 11th Place, 5-1
プレイヤー:Willioufouf
4《溢れかえる岸辺》
2《神無き祭殿》
2《神聖なる泉》
1《インダサのトライオーム》
1《島》
4《湿地の干潟》
1《平地》
2《汚染された三角州》
1《ラウグリンのトライオーム》
1《沼》
2《湿った墓》
4《悲嘆》
4《孤独》
4《偉大なる統一者、アトラクサ》
2《グリセルブランド》
4《神聖の力線》
3《虚空の力線》
4《虹色の終焉》
2《沈黙》
2《時を解す者、テフェリー》
『ファイレクシア:完全なる統一』の中で下環境に最も影響を与えたのは《偉大なる統一者、アトラクサ》という結論になるだろう。まさか《グリセルブランド》を押しのけて採用されうるフィニッシャーが登場することになるとは夢にも思わなかった。
特に《孤独》《悲嘆》+《儚い存在》パッケージとの相性は抜群で、序盤の露払いに使ってよし、《御霊の復讐》で釣り上げた《偉大なる統一者、アトラクサ》からピッチアクションを手札に加えてダメ押してもよし、追放されるはずの《偉大なる統一者、アトラクサ》を《儚い存在》でおかわりしてよしと、現代モダンの理不尽をこれでもかと対戦相手に味わわせることができる。
4枚しかない《御霊の復讐》へのアクセスが課題だが、相手の動きを捌いて時間さえ作れるなら《信仰の繕い》や《影の予言》で相当な枚数を掘ることができるので、早めに引いたなら最速コンボ、引かないなら《偉大なる統一者、アトラクサ》素出しも見据えた除去コントロールとして器用に振舞える構造になっているのが美しいデッキだ。
2.もっと!『ファイレクシア:完全なる統一』でバグを探そう
デッキ構築とは、己自身を見つめ直す作業に近い。
自分は何がやりたいのか。そのために最低限必要なものは何か。妥協できるラインとそうでないラインはどこにあるのか。
デッキを作ることで、自らの感覚を言語化することができる。ゆえにデッキとは自己の投影であり、デッキ作りとは究極の自己表現とも言えるのだ。
だからデッキビルダーはデッキを作り続ける。自分自身を高みにおくために。
そのためにも、今回も新たなバグを求めて『ファイレクシア:完全なる統一』のカードたちをデバッグ (発見・解明) していくとしよう。
◇《偉大なる統一者、アトラクサ》
マナコストにかかわらず、着地したときのバリューが最も高いクリーチャーというのは常に価値がある。マナコストの支払いは、どうせリアニメイトや《不屈の独創力》といった非正規の手段で回避できるからだ。
《偉大なる統一者、アトラクサ》。《グリセルブランド》に匹敵する爆発的なアドバンテージを1コスト軽く、しかもライフの支払いなく得られるこのカードは、テキストを読んだときにはわからなかったが、全力で踏み倒しにかかるに足るポテンシャルを持っていた。
では、そんな《偉大なる統一者、アトラクサ》が最も簡単に出せるカードといえば何が挙げられるだろうか?
それはやはり《御霊の復讐》だろう。墓地に《偉大なる統一者、アトラクサ》がいるだけで2マナで出せるというのは、ターン終了時に追放されてしまうとはいえあまりにも手軽だ。
だが、この場合1段落目で紹介した「御霊アトラクサ」の項でも述べたが《御霊の復讐》が4枚しか積めないことがどこまでもネックとなる。「御霊アトラクサ」はコントロールプランと併用することでその問題を緩和していたが、やはりコンボデッキは安定した3ターン目始動ができてこそだ。
ならば、2種類目の《御霊の復讐》を見つけるしかない。
しかし《残虐の執政官》と違って《頑強》では対象にとれないし、《毛皮運送》だとせっかく強力なEtB効果が使えないため意味がない。《不屈の独創力》なら簡単だが、「それ《御霊の復讐》いる???」となりかねない。
ではどうするか?
6マナの「探査」クリーチャーを《新生化》すればいいのでは???
そう、人体錬成である。
人にはなぜ2本の手があるか、考えたことはあるだろうか?それは2つのコンボを右手と左手で同時に使うためだったのである。つまりは神の意志ということだ。
パイオニアでは《黄金牙、タシグル》と《わめき騒ぐマンドリル》を《新生化》して《ヴェロマカス・ロアホールド》するデッキが一時期流行した。そのデッキでは大量の《時間のねじれ》系呪文をデッキに入れる必要があったが、《新生化》先を《偉大なる統一者、アトラクサ》にすればそのようなデッキ構築上の制約は生じない。
それでも6マナの「探査」クリーチャーを早期に出せるのかという問題が生じるが、パイオニアと同様《テイガムの策謀》《有事対策》の2種を併用すれば、《御霊の復讐》パターンの際も《偉大なる統一者、アトラクサ》が墓地に落とせるのでどちらのパターンにも安定してつなげることができる。
《偉大なる統一者、アトラクサ》着地後に守るプランが欲しいところ、《否定の力》は《悲嘆》と合わせて、フルタップで動いて《偉大なる統一者、アトラクサ》を出した3ターン目の防御札として頼もしい。
2ターン目に《テイガムの策謀》か《有事対策》、3ターン目に「探査」クリーチャー+《新生化》と動くプランだと、1マナのアクションは特に必要がない。そこで《虚空の杯》を入れておけば、先攻2ターン目に「X=1」で置いて装備シュートなどに対して設置できるほか、《偉大なる統一者、アトラクサ》着地後に能力で探しつつ「X=0」で設置できて「続唱」系に対するキラーカードともなる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《繁殖池》
1《森》
1《島》
4《霧深い雨林》
1《天上都市、大田原》
1《草むした墓》
4《汚染された三角州》
1《沼》
3《新緑の地下墓地》
1《湿った墓》
1《ゼイゴスのトライオーム》
4《悲嘆》
4《スゥルタイのゴミあさり》
4《黄金牙、タシグル》
4《偉大なる統一者、アトラクサ》
2つのルートがあるのに結局どっちのプランも墓地対策1枚で沈むの頭悪すぎでは???
しかも《儚い存在》が入っていないので《御霊の復讐》で出した《偉大なる統一者、アトラクサ》は人体錬成したエドワード・エルリックの母親さながらに一瞬で消え去ってしまう。おまけに《テイガムの策謀》《有事対策》が《御霊の復讐》《新生化》両方の起点になると書いたがそれがバレると《テイガムの策謀》《有事対策》が打ち消されて自分自身が《悲嘆》になるというどうしようもない弱点も抱えており、やはり人体錬成は禁忌ということを強く思い知ったのであった。
◇《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》
「もしもこのクリーチャーが速攻を持っていたなら」……クリーチャーコンボを作りたいときによく考えることだ。その発想が高じて《山賊の頭の間》とかいうクソカードを見出した経歴のある私だが、そんな私にぴったりのカードが『ファイレクシア:完全なる統一』で登場していた。
《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》。このカードは「2マナのクリーチャーの起動型能力を使ったコンボデッキ」で使用する限りにおいて、理想的な効果を持っている。
何せ速攻を持たせれば召喚酔いという最大のハードルがなくなる上に、2ターン目にポン出しして除去された後のリカバリー要員にもなれるからだ。
では、《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》と組み合わせたい「2マナのクリーチャーの起動型能力を使ったコンボデッキ」といえば何があるだろうか?
まず思いつくのは、《献身のドルイド》+《療治の侍臣》 (もしくは《ジアーダの贈り物、ラクシオール》) の無限マナコンボだろう。
だがこれではまだ普通のデッキだし、既に他のプレイヤーの手によって試されていた。それでは意味がない。
そう、ブレイクスルーに必要なのは狂気。狂人にしか思いつかないような発想でデッキを作るならば……。
やはり、これしかないだろう。
2つの無限コンボを混ぜ込めばいいのでは???
そう、人体錬成である (2回目)。
最強魔法の作り方をご存じだろうか?右手からメドローア、左手からもメドローアを出せばいいのだ。つまり最強×最強=最強。これが脳筋の方程式である。
ゴブリンコンボで使われる《人目を引く詮索者》+《ボガートの先触れ》のコンボは、《献身のドルイド》のコンボが無限マナを出すだけで厳密には3枚目のコンボパーツが必要となるのに対し、「デッキ内に《鏡割りのキキジキ》と《投石攻撃の副官》が残っている」という条件さえ満たしているなら純然たる2枚コンボとして機能する。
そしてこれら2種の無限コンボが《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》のバックアップによって対戦相手に無限に対処を迫り続けられる凶悪なコンセプトとして完成するのだ。
《霊気の薬瓶》は相手のターン終了時にクリーチャーを出せるので、《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》と同様に疑似的な速攻付与として機能する。
また、2マナクリーチャーの生存を前提としたコンボなので《ブレンタンの炉の世話人》は1ターン目を埋めるアクションという意味でもキーカードとなる。あとついでに大嫌いなクソ猿も躊躇なくブロックできて清々しいことこの上ない (本音)
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
1《歩行バリスタ》
4《ブレンタンの炉の世話人》
4《人目を引く詮索者》
4《献身のドルイド》
4《療治の侍臣》
4《ボガートの先触れ》
3《帝国の徴募兵》
2《投石攻撃の副官》
2《鏡割りのキキジキ》
4《霊気の薬瓶》
4《楽園の拡散》
4《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》
畜生ォ……(理性を) 持っていかれた……!!
賢明な読者諸君ならばこのデッキの問題点は既に理解していることと思うが、「A×B」の2枚コンボと「C×D」の2枚コンボを同時にデッキに入れると「A×C」とか「A×D」とか「B×C」とか「B×D」の手札が来てたびたび憤死するのである。
一人回しするたびに単体では全く何の役にも立たないコンボパーツたちが「生んでくれと誰が願った」「シテ……コロシテ……」と手札に続々と集ってきて己の罪を自覚させられるので、やはり人体錬成は禁忌ということをまたしても思い知ったのであった。
◇《大変成家、アンクタス》
マナコストがかからずに「Aするたび、Bする」という能力を持っているクリーチャーや置き物には要注目だ。何度もAができたり、「Bするたび、Aする」という他のカードと組み合わせると、簡単にコンボが完成するからである。
大変成家、アンクタス》。他の青のクリーチャーがタップするだけでルーター能力が走る上に、0マナで他のクリーチャーを青に染められるこのカードは、実に「コンボしてください」と言わんばかりの性能の持ち主だ。
モダンの範囲だと《命運縫い》2体で無限ルーターコンボとなることが知られている。ということは、コンボ始動時に手札1枚さえあればデッキ内の《タッサの神託者》が必ず引き込めて確定勝利ということだ。
だが、これでは《大変成家、アンクタス》に大きく依存したコンボとなってしまう。
依存を解消するときのパターンは2つだ。1つ、「確定サーチを入れる」。この場合は《エラダムリーの呼び声》などを採用することになるだろう。
しかし、私は2つ目のパターンを選んだ。それは「コンボパーツとシナジーのある他のコンセプトとハイブリッドする」ことだ。
マナがかからずに「青のクリーチャーをタップする」ことができるクリーチャーといえば《大建築家》だ。そして《大建築家》といえば《ピリ=パラ》との無限マナコンボは外せない。
そう、右手と左手が揃ったのである。だが、先ほどまで2種のコンボをハイブリッドしては立て続けに失敗していた。ここで同じ轍を踏みたくはない。
ならばどうするか?
3種類目のコンボもぶち込めば最強では???
そう、3度目の人体錬成である。
両手が塞がってもまだ足がある。太古の時代、人類は四足歩行をしていた。つまりコンボ3種類の合成は原始のパワーが得られるということだ。知性は不要だ。ゴリラになれ。
《純視のメロウ》は《極楽のマントル》と組み合わせるとライブラリー無限追放コンボが完成する。さらにここに《大変成家、アンクタス》がいれば《命運縫い》同様の無限ルーターコンボが発生するので、《タッサの神託者》をトップに乗せて次のターンにドローする一手順が省かれることになる。
《催眠の宝珠》は《命運縫い》2枚を墓地に揃えにいけるし、揃えた後は《大変成家、アンクタス》なしで自分のライブラリーを消し飛ばせる。また、《ピリ=パラ》+《大建築家》と組み合わさっても同様の働きが可能だ。
とはいえ3種のコンボはどれもどこまで行ってもクリーチャーコンボなので、《稲妻のすね当て》を採用することで除去に怯えることなくコンボを完遂することができる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
ウホ?ウホホウホ、ウホ???(現実逃避)
コンボを3種類も入れたら手札を回転させる要素を入れる隙間がなくなって手札全部が互いにかみ合わない素引きしたコンボパーツだらけになって不協和音で頭が爆発するに決まっているのにどうして人は過ちを繰り返してしまうのだろうか。クソコンボを何個かけ合わせてもクソデッキしか得られない、等価交換の原則どおりの結末がそこにはあった。人体錬成、ダメ、絶対。
3.その他:蔵出しクソデッキ集
以下ではセット終盤恒例の、「そもそもデッキにならなさそう」あるいは「記事にならなさそう」という結論に至った産廃あと一歩及ばなかったデッキたちの供養コーナーをお届けしよう。
◇《ミラディン人の隠れ家》
《睡蓮の原野》を墓地に落とすだけでぐるぐるコンボが始動できるのでは?
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
1《タッサの神託者》
確かにそうかもだけど地味!
◇《上機嫌の解体》
《カルドーサの再誕》が8枚になったのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
意外性なさすぎ!!!
◇《溌剌としたヒューズリング》
《調和の儀式》唱えて0マナで死ぬクリーチャーを出しまくったら2ターンキルできるのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
どちゃクソ回らん!!!
◇《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》その2
話題になった《霜のモーリット》2枚と《ヘラルド、エルフを統一する》の無限コンボ、作りたくね???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デバッグ・マジック!vol.22 掲載デッキ
デッキビルド:まつがん
4《否定の契約》
4《召喚士の契約》
4《忌まわしい回収》
4《一攫千金》
4《神々との融和》
4《楽園の拡散》
4《ヘラルド、エルフを統一する》
1《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》
こんなん回せるなら宝くじ買え!!!
4.終わりに
『ファイレクシア:完全なる統一』は構築もリミテッドもかなり面白いセットだった。軽くて強力なカードが多いセットは、様々なフォーマットに影響を与えやすい。今後のカードリストを見る際にも参考になるだろう。
そんな中で、来月4月21日 (金) には早くも新セットである『機械兵団の進軍』が発売となる。背景ストーリー上では重大な節目となるであろうこのセットでは、一体どのような新カードたちが登場するのか。非常に楽しみだ。
ではまた次回!
クソデッキビルダー。独自のデッキ構築理論と発想力により、コンセプトに特化した尖ったデッキを構築することを得意とする。モダンフォーマットを主戦場とし、代表作は「Super Crazy Zoo」「エターナル・デボーテ」「ステューピッド・グリショール」など。Twitter ID:@matsugan
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