第20期レガシー神決定戦の優勝デッキ「URデルバー」誕生裏話
こにぱーん。MOパンダです。
いつものあいさつになりますが、チャンネル登録をよろしくお願いします。
さて今回は「第20期レガシー神決定戦」で3度めの防衛を果たした”レガシー神”高野茂樹さんが使ったURデルバーのデッキ誕生話になります。
デッキ作りからカード採用の経緯、カードの使い方などまとめているので最強のデッキを理解して使いたい!って方はぜひ読んでみて下さい。
また今回も高野さんを呼んで振り返り配信をしていますので合わせてどうぞ。
気になることあればコメントいただけると助かります。
デッキ誕生裏話
神挑戦者決定戦の1週間前。いつも通りデッキの話を数人で行っていると
《濁浪の執政》相手にどうするかだけ悩みどころ」
そんな他愛もない会話をして終わりましたが、その日の夜に思い出してデッキを送ります。
デッキビルド:MOパンダ
4《秘密を掘り下げる者》
4《ドラゴンの怒りの媒介者》
1《厚かましい借り手》
4《濁浪の執政》
高野さんが平日大会で使った結果好感触だったそうで少し弄り持ち込んだ形になりました。
第20期レガシー神決定戦 防衛
プレイヤー:Takano Shigeki
4《秘密を掘り下げる者》
4《ドラゴンの怒りの媒介者》
1《厚かましい借り手》
4《濁浪の執政》
《神秘の聖域》を安定させるために《山》→《蒸気孔》
サイドボードをカウンターに寄せる。
こうして神決定戦のデッキは生まれました。
気になる枚数変更や採用したカードの話は次で解説します。
気になるカードの解説
《邪悪な熱気》
今回の構築では《邪悪な熱気》を3枚採用しています。
稲妻を減らしてでも増量した理由があります。
デルバーというライフを攻めるデッキだから稲妻は4でしょ!となるのがこれまでの固定概念でした。
まず序盤は2点ダメージで除去できるクリーチャーが多数です。なので稲妻である理由がありません。
稲妻1枚でも良さそうでしたがURデルバーがライフを攻めるデッキである以上、稲妻でライフを攻め切るゲームがあるため2枚に落ち着きました。
《神秘の聖域》で使い回しダメージを与えることがあるので1枚にはしない方がいいですね。
現環境は大多数のプレイヤーがURデルバーは除去が《稲妻》だからタフネス4以上は触りにくいと思っています。
《永久のドラゴン》や《忍耐》、タフネス4になる《帳簿裂き》など稲妻では除去できないカードが多く採用されているからこそ6点ダメージである《邪悪な熱気》が光ります。
さらにこのカードはURデルバーのミラーマッチでも役立ちます。
《濁浪の執政》は《紅蓮破》をケアして最初は小さめでプレイするのがセオリーです。
最初から大きなサイズでプレイすると除去された際に2枚目を小さいサイズでしかプレイできません。2枚目で1枚目のサイズアップができるので1枚目を大きなサイズで唱える意味はないですね。
なので《邪悪な熱気》を多く採用することで《紅蓮破》を手札に残したまま《濁浪の執政》を除去することができるようになります。
《紅蓮破》が残ると相手の《表現の反復》だけカウンターすることや《邪悪な熱気》をケアして7/7以上で唱えられた《濁浪の執政》を除去することができます。
ミラーマッチの主眼点は《表現の反復》と《濁浪の執政》です。
《邪悪な熱気》を増やした結果、《表現の反復》《濁浪の執政》の対応で常に優位に立てるようになりました。
《ミシュラのガラクタ》
昂揚の補助として2枚ほど入れることが一般的でしたが、多すぎるシナジーから4枚採用になりました。
デッキトップの確認、《秘密を掘り下げる者》の変身補助、《予報》との組み合わせ、《ドラゴンの怒りの媒介者》との組み合わせ、昂揚の補助、表現の反復でめくれて欲しい。などなど唱えても見つけて嬉しいことが多いのです。
このカードを4枚採用したからこそ《邪悪な熱気》が昂揚しやすく稲妻を減らしても問題なくなりました。
特に《ドラゴンの怒りの媒介者》との組み合わせはこのデッキの強力なアクションです。
デッキトップの不要なカードを墓地に置き高速で昂揚を達成します。
必要なカードであればガラクタの起動で手札に入ります。
やってることは《考慮》に近く相手のデッキトップを確認することも可能です。
こんな強力なアクションができるのに、いままで2枚だったのはなんででしょうか???
いまとなってはガラクタは4枚以外考えられません。
《予報》
数少ないアドバンテージ獲得手段でありインスタントのカードです。
《紅蓮破》したいがするとマナを寝かせ他の青いカードがカウンターできず、通すとアドバンテージを獲られ《紅蓮破》が足らなくなります。
2マナでのアクションがデッキに少ないため採用となりました。サイドアウトすることはほぼありません。サイド後のロングゲームで強いカードです。
相手が《神秘の聖域》でデッキトップに置いたカードを落としたり、《ドラゴンの怒りの媒介者》との組み合わせで必ず当てることもできます。
1枚ふんわり採用されているように見えますが必要なカードです。
《目くらまし》
このカードは減少しメインボードに2枚のみになっています。
3マナ以上のカードや3枚目の土地を探してプレイされた《表現の反復》をカウンターしたら強いですが、コストが軽く強いカードが増えたためカウンターとして機能することが少なくなりました。
先手番後手番でのカードの強さにムラがあるのも気になります。
先手でクリーチャー展開から《目くらまし》でカウンターしてアタックするのは爽快ですが、後手番は唱えるタイミングが難しいです。
《表現の反復》で土地を伸ばしたいのに序盤にピッチコストでプレイするとマナが使えず動きが悪くなります。
コンボ相手ではカウンターとしてケアされカウンターとして機能しません。
そして《目くらまし》は引けば引くほど強いカードではありません。
じゃあなにもしないように思われますが、このカードの現在の役割は《神秘の聖域》の使い回しです。
デッキ内に《紅蓮破》は1枚しかありませんが《目くらまし》で2回使い回せるので最大3回唱えることができます。
《目くらまし》が墓地にある必要なインスタントかソーサリーに変わると思うと強力なため、0枚にすることはできません。
中盤〜終盤で1枚引けばいいくらいなので2枚でいいと思います。
実際のゲーム展開
事前調査ではティムールミッドレンジが圧倒的有利でしたが、2/4や4/6になった《帳簿裂き》を《邪悪な熱気》で破壊し本来攻撃できないであろう《秘密を掘り下げる者》がライフを攻め構築の変更した部分が強く高野さんが勝利していました。
ティムールミッドレンジは既存の稲妻4枚のURデルバーには有利だと思いますが除去を2枚入れ替えただけで戦える状態に変わります。
終わり
今回のURデルバー誕生話は以上となります。
《思案》《渦まく知識》《表現の反復》《ミシュラのガラクタ》と大量のドローソースで再現性を向上するレガシーだからこそたった数枚の変更でゲームに影響がでます。
細かい変更で影響が出るからこそ、構築を考えること、全てのカードに疑問を持つことが大事ですね。
7月頭のMOパンダなら稲妻を減らすって考えることはありませんでした。
稲妻を使いたくてURデルバーを使っているみたいなところもあります。
先入観や固定概念、成功体験などによってデッキ構築の考えをフラットにできないのは仕方ないと思います。自分のゲームプレイ経験を否定し、構築も否定し培ったものをなかったことにしないといけないなんて辛すぎる。
しかしなにか新しいアプローチを試してみたいのであれば、自分のデッキと向き合ってみてはいかがでしょうか。
今回はたまたま成功しましたが、失敗もたくさんして経験を積むのも大事だと思います。
読んでいただきありがとうございました。
MTGを愛するパンダのVtuber。元競技MTG勢で現在の主戦場はレガシー。トップメタからローグまで全てのアーキタイプを使いこなす。 @mopanda_mtg
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