カルドハイム発売! 〜主役はティボルト!?〜
みなさんこんにちは。ラマダーン柿沼です。
いよいよ新エキスパンション、カルドハイムが発売となりましたね!
北欧神話をモチーフとした今舞台では久々に氷雪カードが採用されたこともあり、プレビューはおおいに盛り上がりました!
今回はそんな発売して間もないカルドハイムに収録されたカードの中からモダンやレガシーに影響を与えうるカードを紹介していきたいと思います
ティボルトの計略
赤単色の確定打ち消しである《ティボルトの計略》ですが、デメリットとしてライブラリーからランダムで1から3枚のカードを取り除いた後、デッキトップを捲っていき、打ち消した呪文と名前の異なるスペルを唱えると言うデメリットを持っています。
色拘束も少なく、赤単色のマストカウンターとしては非常に使いやすい反面、デメリットでアドバンテージを失いやすい点がネックになります。
その一方で、《ティボルトの計略》を自身の他のスペルに当てることで特定のカードをキャストして勝利するデッキも考案されています。
プレイヤー名:HypnoticaL
2:《爆発域》
4:《繁殖池》
4:《ギャレンブリグ城》
3:《魂の洞窟》
2:《死者の原野》
2:《溢れかえる岸辺》
1:《森》
4:《宝石の洞窟》
1:《島》
1:《ケトリアのトライオーム》
4:《霧深い雨林》
3:《神秘の聖域》
2:《汚染された三角州》
4:《沸騰する小湖》
1:《冠雪の森》
4:《蒸気孔》
1:《トレイリア西部》
2:《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
1:《ヴェズーヴァ》
4:《樹木茂る山麓》
1:《ゼイゴスのトライオーム》
4:《引き裂かれし永劫、エムラクール》
4:《暴力的な突発》
1:《ティボルトの計略》
4:《イリーシア木立のドライアド》
3:《探検》
4:《原始のタイタン》
4:《召喚士の契約》
《暴力的な突発》はインスタントタイミングの続唱付き+1/0修正のスペルですが、修正に重きを置くことはあまりありません。《暴力的な突発》により誘発した続唱はデッキトップを捲っていき、2マナ以下のスペルをキャストすることが可能なのですが、デッキ内に入っている2マナ以下のスペルは《ティボルトの契約》しかありません。
即ちスタック上に乗っている《暴力的な突発》本体を対象に《ティボルトの契約》を解決することになります。デッキ内には《暴力的な突発》の他のスペルは《引き裂かれし永劫、エムラクール》しかありませんので必然的に《引き裂かれし永劫、エムラクール》をキャストすることになります。
追加ターンを得た滅殺6と飛行15点を相手がいなせなければ勝利です。このデッキの強みはインスタントタイミングのコンボであると言う点です。相手のタップアウトの隙をつけるという点はコンボデッキにおいて非常に有利に働きます。
また、《ティボルトの契約》を自引きしない限り《暴力的な突発》1枚でコンボを成立できる点も強みになります。もちろん《ティボルトの契約》を自引してしまっても腐るわけではなく、5マナ+《暴力的な突発》でコンボを決めることができます。
サイドボードはアグレッシブサイドボードとしてタイタンヴァラクートにシフトチェンジします。
メインが対策しやすいコンボデッキであるのに対して、サイド後のタイタンヴァラクートは対策がし難い土地コンボという両面性が強みになります。メインの形がスペル9枚土地51枚という構成である為、タイタンヴァラクートに必要な土地は全てメインに仕込むことが可能な為にこのサイドボードは成り立っています。
タイタンヴァラクートはキーパーツである《原初のタイタン》をいなされても《死者の原野》や《イリーシア木立のドライアド》+《溶鉄の先鋒、ヴァラクート》といった複数の勝ち筋を用意できる点で相手は対策に苦心することになります。
嘘の神、ヴァルキー / 星界の騙し屋、ティボルト
表面はcip能力で対戦相手のハンドからクリーチャーを追放する能力と、追放したクリーチャーのマナコストと同数の不特定マナを起動コストにしてそのクリーチャーのコピーになる能力を有した2/1クリーチャー。
裏面もcip能力持ちで、自身の能力で追放したカードを任意の色で支払いを可能としてキャストする紋章を得ることができます。
+2で「各プレイヤーのライブラリートップを追放」、−2で「対象のクリーチャーかアーティファクトを追放」、−8で「全ての墓地を追放。その後赤3マナを加える。」の3つの起動型能力を持つ初期忠誠度5のプレインズウォーカーです。
2マナである表面か7マナである裏面かを盤面に合わせて唱えることのできる柔軟性もさることながら、表面は2/2/1サイズとアグロでも採用できるサイズに加えて、cip能力はアドバンテージも得れる為、黒を絡めたデッキであれば採用しやすいクリーチャーです。
一方、裏面は圧倒的な擬似ハンドアドバンテージに加えて盤面にも触れられる為、ゲームエンド級のプレインズウォーカーであると言えます。
そんな分割カードのような性質が面白いカードですが、下環境では表面の《嘘の神、ヴァルキー》が2マナであることから、続唱[1] … Continue readingとの相性に着目したデッキが組まれ始めています。
これは続唱の挙動が”一度追放したスペルを唱える”という点にあります。即ち、3マナ以上の続唱スペルで《嘘の神、ヴァルキー》が捲れた場合、一度追放領域に移動している為、キャストする際は《嘘の神、ヴァルキー》か《星界の騙し屋、ティボルト》かを選んでキャストできるということです。このギミックを活かしたデッキが以下になります。
プレイヤー名:ARK4N
4:《王冠泥棒、オーコ》
4:《Elvish Spirit Guide》
4:《断片無き工作員》
4:《類人の指導霊》
3:《嘘の神、ヴァルキー》
4:《真鍮の都》
1:《溢れ返る岸辺》
1:《宝石の洞窟》
4:《宝石鉱山》
4:《マナの合流点》
1:《Plateau》
2:《Tropical Island》
1:《Volcanic Island》
1:《樹木茂る山麓》
4:《否定の力》
4:《意志の力》
4:《誤った指図》
2:《神秘の論争》
4:《暴力的な突発》
4:《献身的な嘆願》
1:《宝石の洞窟》
2:《神秘の論争》
3:《四肢切断》
1:《運命の神、クローティス》
3:《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
4:《虚空の力戦》
1:《疫病を仕組むもの》
コンセプトは《暴力的な突発》と《断片無き工作員》の続唱から《星界の騙し屋、ティボルト》を着地させることがゴールになります。《Elvish spirit guide》や《類人の指導霊》といった3マナ以上のマナ加速と、ピッチカウンターである《意志の力》や《誤った指図》をバックアップとし早いターンでの続唱ティボルトを狙うことが可能です。
デッキ内には《嘘の神、ヴァルキー》以外に3マナ以下のカードは入っていない為、続唱からキャストされるカードは必ず《嘘の神、ヴァルキー/星界の騙し屋ティボルト》になります。
また《星界の騙し屋、ティボルト》を盤面に着地する為の布石として《王冠泥棒、オーコ》が採用されています。
《王冠泥棒、オーコ》により《三なる宝球》《真髄の針》《スレイベンの守護者サリア》《ガドック・ティーグ》等に代表される妨害パーマネントを無力化するだけではなく、ライフゲインによる時間稼ぎやクロックの精製等、続唱ティボルトに足りない部分を補うことが可能です。
また、サイドボードに採用されている《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》は同型に対する強力なソリューションになります。
相手の続唱ティボルトを妨害することが可能ですが、こちらの続唱ティボルトには影響しません。また、相手のピッチカウンターに対しても作用する為、《防御の光網》の様な運用も可能です。
さらに、ティボルト続唱にとっては貴重なコンボ対策として働き、ANT[2] … Continue readingやボンバーマン[3] … Continue readingに対しては絶大な効果を生み出すことは覚えておいた方が良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は新しく発売されたセット、「カルドハイム」より《ティボルトの計略》と《嘘の神、ヴァルキー/星界の騙し屋、ティボルト》を採用したデッキを紹介させていただきましたが、奇しくも2枚とも「プレインズウォーカー、ティボルト」の名前を冠したカードになります。
「プレインズウォーカー、ティボルト」が初めてカードとして登場したのは2012年に発売された「アヴァシンの帰還」で、当時は初の2マナプレインズウォーカーとして注目を集めました。しかしアドバンテージが取りにくく、運次第ではプレイヤー自身を破滅に導く能力から非常に使いにくいということで、永らくネタ扱いされていたキャラクターでした。
今回、そんなティボルトを冠した名前のカードが主役となるデッキが登場したことはある意味とても感慨深いものになりました。
今後もどのようなカードが登場してくるのかとても楽しみですね!
脚注
↑1 | ライブラリーの一番上のカードを、点数で見たマナ・コストがその呪文より低い土地でないカードが追放されるまで追放し、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよく、その後、これにより追放されたすべてのカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置くという能力。 |
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↑2 | マナ加速とドロースペルを組み合わせてストームを稼ぎ、苦悶の触手か巣穴からの総出でフィニッシュを決めるコンボデッキ。デッキ名のANTはむかつき(Ad Nauseam)、苦悶の触手(Tendrils of Agony)からとられている。 |
↑3 | オーリオックの廃品回収者とライオンの瞳のダイアモンドのコンボより有色無限マナを生み出すことで勝利するコンボデッキ。現在では歩行バリスタが主なフィニッシュを担っているが、かつては黄鉄の呪文爆弾がその役を担っており、爆弾を使いまわすさまからデッキ名のボンバーマンは名付けられた。 |
北関東の僻地で活動してるMagic: the Gatheringプレイヤー。好きなフォーマットはレガシー。好きなカードをずっと使い続けられるこの環境とプレイを共にする友人が大好き。あと痩せたいです。
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