ボードゲーム遊び方紹介 第61回 『囲碁』 その1
2度目の緊急事態宣言が発令され、ますますボードゲームのために遠出することが難しい状況になってきました。
なので、少人数でも楽しめるボードゲームを紹介いたします。
今回は囲碁です。
囲碁を始めたのは、今から10年ほど前。まったく知らないけど、楽しそうだからやってみたいと思い、日本推理作家協会の囲碁同好会に参加しました。
本物の碁盤を見るのは初めてでした。
むろん碁石にも触ったことはありません。
でもそんな方でも大丈夫。
覚えることはたくさんありますが、仕組みがわかってくれば、10級くらいは自力でたどり着けます。
よく見る大きな碁盤は19本×19本の19路盤ですが、慣れないうちは9本×9本の9路盤を使用します。
画像はもっと線の少ない7路盤です。
地元の囲碁コミュティでいただいたもので、ちょっと珍しい練習用です。
ルールはとても簡単です。
碁石は、縦の線と横の線の交差するところに置きます。端っこに置くこともできます。
順番は黒が先。黒、白、黒、白と交互に打っていきます。
囲碁は、石をつないで地(陣地)を作り、広いほうが勝ちというゲームです。
地は、空間上の、線と線の交差点を1目として計算しますが自分の陣地ではなく、相手の地を数えます。
画像ですと、黒の地は21目、白の地は14目。よって、黒の7目勝ちになります(どうしても先手の黒のほうが有利になるゲームですので、たいていの場合は「コミ」といって地を数える際にハンデをつけることがあります)。
通常の対局では、こんなに綺麗な線で分かれることはありません。
自分の石をつなげていって、いかに強くしていくか。相手に弱い石を切られないか。
石が死なないように。
どうしたら生き残れるか。
そのためには、たくさんの定石を覚えたり、死活問題を解いたりもします。
この文章では、なるべく用語を少なく書いていますが、覚えないとならない言葉もたくさんあります。
単語を覚えるのが不得意な私は、言葉でなく形で雰囲気を掴んでいったので、ほかの方々の話していることを理解するまで、かなり時間がかかりました。
いきなり対局に入っても、どこに石を置いていいか、どうしたら終わりになるのかが分かりません。局の終了は相互の同意で決まります。初めて打ったときは、終わりが分からず、延々と石を置いていきました。
また、強くなるためには、勉強も必要です。
画像のドリルは絶版になっていますが、最初は「入門編」から入りました。
「全問完全に理解してから次の段階に進んでください」
囲碁師匠でもある大先輩作家・竹本健治さん[1]竹本健治:推理、SF作家。代表作にウロボロスシリーズ、ゲーム三部作シリーズなど。のお言葉のとおり、1冊のドリルで何度も繰り返し練習しました。
「中級編2」でこのシリーズのドリルは終わりですが、買っておいただけで、まだ全冊解いてはいません……。
次回は、一人で遊べる「詰碁」を紹介していきます。
千澤のり子先生の新刊『少女ティック 下弦の月は謎を照らす』(千澤のり子:著/出版社:行舟文化)が発売中です。
千澤のり子先生も参加されている以下の本も好評発売中。
毎年恒例の探偵小説研究会によるミステリ本
『2021本格ミステリベスト10』(探偵小説研究会:編著/出版社:原書房)
2001年から始まった本格ミステリ大賞の20年を読み解く論考本
『本格ミステリの本流――本格ミステリ大賞20年を読み解く』(出版社:南雲堂)
脚注
↑1 | 竹本健治:推理、SF作家。代表作にウロボロスシリーズ、ゲーム三部作シリーズなど。 |
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1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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