ボードゲーム遊び方紹介 第47回 『ごきぶりデュエル』
2人用のゲーム「ごきぶりジュエル」を紹介します。
ゲーム内容は、ゲームボードが1つ、王冠コマが1つ、ごきぶりコマが4つ、緑色のタイルが3枚に赤いタイルが1枚あります。
向き合って座り、ゲームボードの中央にある指定位置に、ごきぶりコマを4つ置いてゲームスタート。
プレイヤーはだまし屋と予想屋に分かれます。
まずは最近ごきぶりを見た人がだまし屋になります。
だまし屋は、自分の側の一番手前のマスに、緑3枚、赤1枚、合計4枚のタイルを裏向きにして置きます。
次は予想屋の番です。予想屋は、だまし屋が置いたタイルを1枚ずつめくっていきます。
緑のタイルだったら、予想屋はその列のごきぶりコマを1マス、自分の方向に移動させます。
赤のタイルを引いたら手番は終了になります。その列のごきぶりコマは移動させることができません。
めくっていないタイルがあれば、その列のごきぶりコマを、だまし屋である相手のほうに1マス進めます。
3枚連続緑色のタイルを引いていたら、残り1枚の赤のタイルをめくる前に手番は終了になります。その列のごきぶりコマは、移動せずにその場所にとどまります。
ゲームは、どちらかのごきぶりコマが、自分の一番手前のマスを越えたら終了です。そのプレイヤーが勝ちとなります。
例えば、上記の画像の場合。
この手番では、右がだまし屋で、左側が予想屋です。
上から2番目の列に注目しましょう。あと1手、ごきぶりが予想屋のほうに移動したら、左のプレイヤーが勝ちとなり、ゲーム終了です。つまり、勝敗にリーチがかかっている状況であります。
予想屋の立場なら、上から2番目のタイルは必ずめくります。なぜなら、めくらなければ、ごきぶりはだまし屋のほうに1マス進んでしまうからです。
めくってみて緑のタイルだったら、ごきぶりが1マス進んで、自分の勝利。赤のタイルでも、ごきぶりはそのままの位置から動かず、だまし屋の手番が自分に移ってくるだけです。なので、ほぼ確実に、ここには赤のタイルが置いてあります。
つまり、上から2番目のごきぶりの位置は変わらずに手番は入れ替わります。
では、だまし屋の立場でリーチがかかっている場合、上から2番目の列には何色のタイルを置いたらいいでしょう。
おそらく真っ先にめくってくるはずだと、赤のタイルを置いたとします。思惑通りになれば、他の3つの列のごきぶりは自分のほうに1マス移動してきます。
では、予想屋である手前のプレイヤーはどう考えるでしょうか。上から2番目の列に赤のタイルを置いているなら、最後に残しておけばいいわけです。そうしたら、他の3列のごきぶりが自分のほうに移動してきます。うまくいったら、他の列でリーチをかけることができそうです。
このように考えていくと、どれか1列が突出するよりも、どの列も均等に並んでいるほうが勝ちやすそうです。
実際は裏の裏をかきすぎ、すぐに終了してしまいました。ごきぶりは気色悪いですが、詰将棋みたいで面白いゲームです。
『ごきぶりデュエル』
メビウスゲームズ
プレイ人数:2人用
対象年齢:8才以上
プレイ時間:10分
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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