ボードゲーム遊び方紹介 第34回『森の赤ずきん』/千澤のり子
2人用のボードゲーム「森の赤ずきん」を紹介します。
世界観は、童話の「赤ずきん」そのものです。狼に会わないように注意して、森の中から、おばあさんのところに持っていくバスケットを3つ取ったら、1コイン獲得。2~3回プレイして、先に2コインを獲得した人が勝ちというゲームです。
準備は、プラスティック製のスタンドに、同素材の木を差し込みます。
木の数は全部で30本。これをプレイヤーで分けます。
配分は以下になります。
両面とも木が描いてあるものを4つ、片面にバスケットが描いてあるものを3つ、木こりを2つ、狼を1つ、標識を5つ、合計15本ずつになるよう取り分けます。
木を取ったら、向かい合って座り、テーブルの上に森を作りましょう。
バスケットや狼など、絵の描いてある面は自分に向けます。自分の森の内容は相手に見えないようにします。相手も同じように置くので、自分の木にプラス15本の木がこちらを向いています。
木の置き方は自由ですが、1列にしてはいけません。森の形になるように、まとまりを持って置きましょう。相手の木の間に自分の木を置いても構いません。
30本まとめて置いたほうがゲームは盛り上がりますが、慣れるまでは自分の森と相手の森、2つの森を用意したほうが分かりやすいです。
最近ケーキを食べた人から、ゲームスタート。
プレイした日は誕生日を迎えてから間もなかったので、私からになりました。
手番のきたプレイヤーは、木を1つひっくり返します。
裏も普通の木だったら、ターン終了で相手に手番が移ります。
木の裏が標識の場合、確認済ということで、絵をこちら側に向けます。手番は移ります。
狼だったら、自分のバスケットを1つプレイヤーに渡さないとなりません。手番も相手に移ります。標識のように、こちらを向いたままにせず、また木の面にひっくり返します。
バスケットだったら、森から取り出して自分の横に置きます。手番は終了になります。
木こりだったら、もう1回プレイできます。プレイ後はひっくり返します。
バスケットを3つ取ったら、その回は終了になります。おばあさんから、コインを受け取りましょう。
つまり、自分がひっくり返した絵を覚えていれば、早く勝利できます。それがなかなかうまくいきません。自分の手番が回ってきたら、どの木をひっくり返したかなんて、忘れてしまうものです。
私はこのゲームが苦手みたいで、なかなかヒットできません。狼ばかり引いてしまいました。
逆に、対戦者は、一発で私の森のバスケットを当てていきます。勘と運と記憶力が鍵になるので、経験者かどうかなんて関係なさそうなのに、どうして配置が分かってしまうのでしょう。
あっという間に私は敗北しました。なぜそんなに強いのか、理由を聞いてみたら。
「女性は大事なものを自分の近くに置く傾向があるのですよ」
……確かにそのとおりでした。こんなに極端に置いていました。
奥が深そうですが、すごく単純なルールなので、ボードゲーム初心者にお勧めです。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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