ボードゲーム遊び方紹介 第29回 ハゲタカのえじき(後編)
私がよく参加している葛飾区の囲碁コミュニティ「JAM」のメンバーと「ハゲタ
カのえじき」で遊びました。
プレイ人数は4人。経験者である大将からルールの説明を聞き、スタート。
最初の得点カードは7でした。「せーの」で自分の出した数字カードをめくると
、13が2人、10が1人、8が1人。13を出した方々は打ち消しとなり、10を出した私
は得点カードをもらうことができました。
次は-1です。マイナスのカードを持っていると最終的に自分の得点が下がって
しまうので、できれば持ちたくありません。1が2人、2が1人、4が1人ということ
で、1は打ち消しで、2を出した私がカードを受け取ることになってしまいました。
続いて、―2。2が2人、3が1人、5が1人で、同じように2は打ち消しとなり、3を
出した方にカードが行きました。
打ち消しが3回続くのは、ちょっと珍しいかもしれません。しかも、2人の方が3
回連続同じカードを出していました。思考回路が似ているのでしょうか。もしか
したら、15回連続同じカードを出すこともあるのかもしれないと思えてきました。
4回目。山札からの数字は、2です。3、4、1、6と初めてバラバラの数字が並び
ました。何も考えずに6を出したら、カードを獲得できました。
5回目あたりで、このゲームの特色がようやく分かってきました。プレイする人
の性格にもよりますが、高得点のカードを狙うと、ほかのプレイヤーも大きい数
字のカードを出しがちなので、打ち消しになる可能性が高くなります。
ならば、中間くらいの数字が出たときに大きい数字か、逆にそのカードはいら
ないと、小さい数字を出していけば、他のプレイヤーと数字がかぶる確率も下が
り、欲しい数字のカードが取得できそうです。
さらに、誰が何点獲得しているか、各プレイヤーの持っている残りの数字カー
ドは何なのかを把握し、山札のカードで自分が獲得できそうな点数を計算してお
けば、勝利への道は近くなりそうです。
6回目は、9。10が1人、12が2人、14が1人で、14を出した人が数字を獲得。
7回目は10。プレイヤーが出した数字は4、14、13、11。数字もバラけてくるよ
うになりました。
8回目は6。初プレイヤーばかりの今回。1人だけ、自分が出した数字を隠してい
る人がいました。その方が得点を獲得しやすくなっていることも分かってきまし
た。
小さく枚数で稼ぐか、大きく稼ぐか。3分の2を過ぎても一番大きい数字の15は
誰も出していません。大人だと、10以上の数字はなかなか出さないそうです。年
齢とともに用心深くなってくるのでしょうか。
残り2枚で山札からー5がきました。小さい数字を出したら得点がマイナスされ
るため、全員が自分の手札で一番大きな数を出しました。
ラストは4で、私はカードを取れずに終了。点数計算をしたら、大将がトップ、
私は小さい点数をこまめに稼いでいたおかげで2位でした。
あの時Aさんは何を考えていた、Bさんは……と、各自の心境も実況できたら、
寸劇にもなりそうなゲームだなという感想を持ちました。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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