ボードゲーム遊び方紹介 第16回 Love Letter(前編)
しばらく謎解きゲームがメインのスピンオフ記事が続いていましたが、またボードゲームに戻ります。
今回紹介するのは、文庫本みたいな箱に入った「Love Letter」です。株式会社アークライトの商品で、2014年に発売されました。対象年齢は10歳以上。2人から4人で遊べるボードゲームです。
概要には、ある小さな王国のお姫さまに惚れ込んだ若者たちが、協力者の力を借りながら恋文を届けるという物語性が含まれています。
ボードゲームといっても、ほとんど場所は取りません。メインはトランプくらいの大きさのゲームカードだけです。必要に応じて、勝利者に配られるトークンや、プレイの順番を決める羽ペンタイルを使用します。所要時間も5分程度なので、移動中やちょっとした待ち時間に気軽に遊ぶこともできるでしょう。
基本プレイは、姫1枚、大臣1枚、将軍1枚、魔術師2枚、僧侶2枚、騎士2枚、道化2枚、兵士5枚、合計16枚のゲームカードを使用します。カードはよくシャッフルしてテーブルの上に伏せ、山札とします。その中から、1枚を抜き取って脇によけます。このカードは、ゲーム終了まで中身を見てはいけません。
ゲームカードには各キャラクターのイラストが描かれていて、プレイ中に発揮する効果が書いてあるカードと絵のみのカードがありますが、どちらも効果は同じです。慣れていない場合は、説明の書いてあるカードのほうが順調にプレイできます。
カードの効果は以下の通りです。
姫は、自分の捨て札に置くことになったら脱落します。
大臣は、ゲームカードの隅に書いている強さを表す数字の合計が12以上の場合、脱落してしまいます。
将軍は対象のプレイヤーと手札を交換しなければなりません。
魔術師は自分か対象のプレイヤーの手札を捨て札にして、山札からカードを1枚引きます。
僧侶は次の手番まで自分への効果を無効にします。
騎士は対象のプレイヤーと自分の手札の強さを比べて、強さが弱いほうを脱落させることができます。
道化は対象のプレイヤーの手札を見ることができます。
兵士は、対象のプレイヤーに兵士以外のカードを宣言して、当たったら相手を脱落させることができます。
このほかにも、自分の捨て札に置いたら脱落してしまう王子や、脱落しても復帰できる眼鏡をかけた姫や、手札にあるだけで脱落してしまう王(5人以上プレイのみ)などの追加カードがあります。
山札からカードを1枚ずつ引いて、自分の手札にして、ジャンケンか羽ペンタイルを使って順番を決めてゲームスタート。手番の来たプレイヤーは山札からもう1枚引き、2枚となった手札のうちの1枚を公開します。その公開したカードに書かれている効果を発揮させ、脱落しないようにゲームを進めていきます。
終了は、山札がなくなったときか、プレイヤーが最後の一人になったときです。
ゲームカードの各キャラクターは、年齢、性格、詳細な仕事内容なども小説の登場人物のように決められています。TRPGのように遊ぶこともできそうです。
プレイヤーたちは、姫に恋する若者。果たして、無事に恋文を届けることができるのでしょうか。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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