ボードゲーム遊び方紹介 第14回 DiXit(ディクシット)
ボードゲーム遊び方紹介 第1回 “どうぶつしょうぎ”はこちらから。
絵を楽しむボードゲームがあります。
名前はDiXit(ディクシット)です。
単語の意味を辞書で調べると、ラテン語で「根拠のない主張」と書かれています。要は、「理屈じゃないんだ! 感性に基づいているんだ!」と私は捉えています。
DiXitはフランスで作られたボードゲームで、2010年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞しています。ボードゲーム経験者には、一度はプレイしたことがある、あるいは存在を知っているという人が多いのではないでしょうか。
さて、どんな内容のゲームなのでしょう。
基本セットのプレイ人数は6人までです。6色あるウサギ型のコマをそれぞれ選び、自分の色とします。ウサギと同じ色の投票トークンも6枚取ります。
それから、カードが6枚、手札として配られます。カードの枚数は全部で84枚。全て異なる可愛いイラストが描かれています。ランダムに配られるので、自分で好きな絵を選ぶことはできません。どんな絵が配られたかは、ほかの人に見せないようにします。
机の中央には、縦に長い長方形の得点カードを置きます。得点カードのスタートラインに、各自ウサギのコマを並べます。
準備は、なんとこれだけです。
語り部(手番のプレイヤー)は、自分のカードから一枚選び、その絵に似合うようなタイトルを言って、中央に伏せます。
ほかのプレイヤーは、そのタイトルをイメージするような絵を手札から一枚選び、同じように中央に伏せて置きます。このとき、順番は関係ありません。
集まったら、よくシャッフルして、得点カードの隅に記載されている指定位置に、絵を並べていきます。ここで初めて、ほかの人の絵柄が分かります。
語り部以外のプレイヤーたちは、そのタイトルにふさわしいと思う絵に、投票トークンを置きます。全員が置いたら、手番のプレイヤーは自分の絵がどれか発表します。
得点は以下のとおりです。
語り部のカードを当てた人には、3点。語り部も3点もらえます。
自分の出したカードに投票してもらえたら、その人数だけ得点が加算されます。
全員が正解、あるいは不正解だった場合、語り部以外に2点が入ります。
誰も分からないタイトルはダメ、全員が分かってしまうタイトルでもダメ、この中の何人かが分かるようなタイトルを決めないとなりません。
つまり、語り部には、微妙なさじ加減が必要になってきます。
一人目が終わったら、使ったカードは全て捨て札になり、新しいカードが6枚配られます。語り部も次の人に交替します。これをくり返して、一番得点の高い人が勝ちというゲームです。
ファンタジックなイラストなので、眺めているだけでも楽しいです。イラストの増えた拡張版や、2人で組んで遊べるものも出ています。
対象年齢は8歳からですが、ルールをしっかり守ることができたら、もっと小さい子供でも遊べそうです。同じ大きさの白紙のカードに、幼稚園や保育園の子供たちが絵を描き、その絵を使ってみんなで遊んでみるのも楽しそうですね。
ボードゲーム遊び方紹介 第15回 Dixitで遊んできました。へ続く
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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