明星HiveのMTGスタンダードタイムズ

「BIG MAGIC Summer Challenge」の結果とメタゲーム

公開日:かーむ

おっすおっす。
かーむです。
はじめましての方ははじめまして。

今回からたいむましん様で主にスタンダードについての記事を書かせていただくことになりました。
よろしくお願いします。

 

1.自己紹介

最初に、簡単に自己紹介をさせてください。

MTGは普段オンラインでプレイしていて、もっぱらMTGアリーナでスタンダードを主戦場にしています。
どちらかというと競技としてMTGを楽しんでいて、最近では日本選手権2021 SEASON2」や、本日結果を紹介する「BIG MAGIC Summer Challenge」でTOP8に入賞することができました。

プレイヤーとして以外にも、ブログという形でもMTGを楽しんでいます。
MTGアリーナは2017年にクローズドβテストのテスター募集で初めてプレイしたのですが、MO(Magic Online)からの進化にめちゃくちゃ感動しまして、そのころからMTGアリーナの情報を発信する「かーむブログ」を運営しています。

今回はたいむましん様からお声がけいただき、僕が主にプレイしているスタンダードについての記事を書かせていただくことになりました。
競技イベントの結果やメタゲーム、注目のデッキなどについての記事が中心になると思います。

スタンダードプレイヤーの方もそうでない方も、ぜひお付き合いいただければと思います!

 

 

 

2.これまでのメタゲームおさらい

というわけで1発目の記事では、この週末9月4日に行われた「BIG MAGIC Summer Challenge」のメタゲームとTOP8デッキの解説していきたいと思います。

 

イベントの結果を見ていく前に、『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』リリース以降のメタゲームについて簡単におさらいしたいと思います。

まずは直近の競技イベントの結果を確認してみましょう。

2021年7月9日に『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』がMTGアリーナでリリースされて以降、主に3つの競技イベントがありました。(7/24のSCGについては時系列上割愛)

 

1つ目は7月24-25日に開催された日本選手権 SEASON2本戦
新環境のスタンダードは、TOP8に4名を送り出すというナヤウィノータの躍進で幕を開けました。

 

《軍団のまとめ役、ウィノータ》を誘発させる非人間クリーチャーであり、マナ加速も兼ねる《裕福な亭主》を獲得したことで、ナヤウィノータが一躍トップメタとなりました・・・ が。

 

日本選手権 SEASON2本戦」の優勝デッキはグルールアドベンチャーでした。

 

これまでは《厚顔の無法者、マグダ》や《黄金架のドラゴン》で生成した宝物トークンはゲーム中盤以降でのマナの使い先がなく、マナフラッド[1]マナフラッド:マナはあるがプレイできるカードがない状態に弱いという点がデッキの大きな課題でした。
しかし、新カードの《レンジャー・クラス》やミシュラランド[2]クリーチャー化する能力を持った土地の総称というマナフラッド時のマナの使い先となる獲得したことで課題克服し、大きく強化されています。

 

 


 

2つ目と3つ目のイベントは世界最大手のMTG専門オンラインストアStarCityGames.comが運営する「SCG Tour Online Championship Qualifiers」。 
8月1日、8月8日の回がスタンダードで行われました。
(日本選手権と同日の7月25日の回は時系列上割愛)

 

8月1日のSCGではナヤウィノータは全体の約27%となる使用者42名で依然トップメタだったものの、TOP8への入賞は1名のみ。

代わってイゼットコントロール、スゥルタイ根本原理、スゥルタイコントロールなどが入賞し、コントロールデッキが台頭。早速メタゲームが動いてきました。

 

イゼットコントロールは先日MPLへの加入が決まった茂里選手(久代)のオリジナルデッキ。
新環境で存在感を増していたナヤウィノータ、グルールアドベンチャーなど緑系デッキに対して《燃えがら地獄》が非常に有効です。

フィニッシャーには《キオーラ、海神を打ち倒す》を据えています。相手をコントロールしたあと、3回のアタックでゲームを速やかに終わらせてくれます。

 


 

8月8日のSCGではスゥルタイ根本原理が復権し、TOP8に3名を送り出しました。

いずれもクリーチャーデッキを意識した形になっており、特に優勝デッキのリストでは固定パーツだった《狼柳の安息所》を排し、ブロッカーやクリーチャー除去に枠を割いています。

 

2マナ除去は2種8枚、全体除去はメインから《死に至る霞》までもが投入されて合計6枚と、明確にクリーチャーデッキをメタった構成になっています。

 


 

ナヤウィノータにとっては厳しいメタゲームとなってきましたが、同8月7日にはMPL/MRLへの招待権利と世界選手権への参加権を争う「チャレンジャーガントレット」が開催され、黒をタッチしたグルールアドベンチャーが登場してきました。

黒をタッチして採用しているのは《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》。《無私の救助犬》の上から《軍団のまとめ役、ウィノータ》を除去できるということで、ナヤウィノータ戦では手札にあると非常に安心できる1枚です。

 


 

上記の競技イベントはいずれもMTGアリーナで開催されましたが、MO(Magic Online)でもスタンダードのイベント「Standard Challenge」が行われていました。

MOはMTGアリーナとでは少し事情が異なりますが、スゥルタイ根本原理 → 緑系アグロデッキ → ナヤウィノータとメタゲームが移り変わっています。

 

そして9月3日~5日に開催されるMPL/MRLガントレットではジェスカイ変容が復活。

緑系デッキに対してはメタカード《燃えがら地獄》が睨みを効かせ、アグロメタに傾いているコントロール系デッキに対しても構成が主流であれば五分以上に戦えそうです。

そしてコンボデッキでありながらメタられていないということで、非常に注目されていました。

 

 

 

 

最上位プレイヤーが参加するこの2つのイベントのデッキリストがBIG MAGIC Summer Challenge直前の金曜深夜にデッキリストが公開されたということで、メタゲームもいよいよカオスになってきました。

 

 

 

3.BIG MAGIC Summer Challengeのメタゲーム

前置きが長くなりましたが、BIG MAGIC Summer Challengeの結果を見ていきましょう。

当日のメタゲームはこちら。

これまでトップメタを争ってきたグルールアドベンチャー、スゥルタイ根本原理、ナヤウィノータが上位のメタゲームとなりました。

直前にデッキリストが公開されたMPLガントレットとMRLガントレットで話題になっていたジェスカイ変容も6番手につけています。

 

 

 

4.BIG MAGIC Summer ChallengeのTOP8デッキリスト

今回の優勝デッキはスゥルタイ根本原理。

準優勝はイゼットコントロール、3位以降はグルールアドベンチャーが3人、ナヤウィノータが2人と、フタを開けてみれば環境末期に覇を競ったデッキたちが仲良く入賞する結果となりました。

 

それでは、個別のデッキリストを見ていきましょう。

 

1位:スゥルタイ根本原理

今回の優勝はスゥルタイ根本原理。
2マナ除去8枚、全体除去5枚とこれまで主流だった除去マシマシの構成。

一方でサイドボードには《強迫》をフル投入し、4枚のカウンターと《精神迷わせの秘本》も控えており、サイドボード後はコントロール戦にしっかりシフトする準備がありますね。

 

今大会のマッチアっプでも3つのアドベンチャー、ディミーアローグ、イゼットコントロールと3種のデッキタイプ全てに勝利し、今大会唯一の無敗デッキとして王者の貫禄を示しました。

 

 

 

2位:イゼットコントロール

『イゼットコントロール』
BIG MAGIC Summer Challenge 2位
Katou Kensuke
クリーチャー(4枚)

4《砕骨の巨人

2位はイゼットコントロール。

ガントレットでLSVらがチームで持ち込んだリストで、茂里選手(久代)が考案したリストを80枚で構成し、相棒に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を採用しています。

増えたカードとしては《空を放浪するもの、ヨーリオン》デッキで定番の《海の神のお告げ》にはじまり、基本土地を氷雪ランドにして《霜噛み》を採用しています。

さらにどのデッキでもある程度取り回しのしやすい《サメ台風》はメインから4枚投入し、80枚にすることでデッキの中身が薄くならないように気を配られていますね。

 

サイドには《マインド・フレイヤー》が2枚積まれていますが、構築イベントでは少し珍しいカードかもしれません。
《砕骨の巨人》の2点でやられない3/3ということもあり、クリーチャーデッキ全般にサイドインすると思われますが、ライブ配信ではディミーアローグ戦でもサイドインされていました。

 

 

 

3位:ナヤウィノータ

『ナヤウィノータ』
BIG MAGIC Summer Challenge 3位
sanetomi
土地(23枚)

4《枝重なる小道
4《岩山被りの小道
4《寓話の小道
2《平地》
2《ハイドラの巣
1《山》
4《針縁の小道
2《森》

3位はナヤウィノータ。こちらもガントレットでBrad Nelson選手が使用していたリストですね。
一時期リストから姿を消していた《敬愛されるレンジャー、ミンスク》が復活しています。

《死に至る霞》や《燃えがら地獄》にも耐え、《軍団のまとめ役、ウィノータ》の当たり牌にもなるということで《精鋭護衛魔道士》《精鋭呪文縛り》とともに遅いデッキに対しては優秀な斥候になってくれます。

 

サイドボードには《怪物の代言者、ビビアン》を採用。
《死に至る霞》や《燃えがら地獄》に耐える3/3のクリーチャートークンを継続的に生成できるということで、メタってくるコントロールデッキに対して相当な脅威になります。

 

 

 

4位:グルールアドベンチャー

『グルールアドベンチャー』
BIG MAGIC Summer Challenge 4位
Yamade Masato
土地(21枚)

3《ハイドラの巣
3《バグベアの居住地
4《岩山被りの小道
8《森》
3《山》

 

 

 

4位はグルールアドベンチャー
ジェスカイ変容が復活したということで、サイドに《巻き添え》を1刺し。
公開制イベントでこのカードがあるとないとでは大きく違いますね。

 

また、サイドには《解き放たれた者、ガラク》も採用されています。
既に場にいるクリーチャーの打点を上げてクロックを上げたり、3/3のトークンを展開したりと、《怪物の代言者、ビビアン》とはまた違った働きで遅いデッキに対してプレッシャーをかけます。

 

 

 

 

5位:ナヤアドベンチャー

『ナヤアドベンチャー』
BIG MAGIC Summer Challenge 5位
calm
土地(21枚)

3《バグベアの居住地
3《ハイドラの巣
4《岩山被りの小道
4《針縁の小道
4《枝重なる小道
3《森》

5位はナヤアドベンチャー。デッキの使用者は僕です。
こちらのリストは八十岡選手がMRLガントレットで使用していたリストがベースです。
かなり良さそうなデッキに見えて使うことにしたのですが、同じことを考えているプレイヤーが多いと思い、ミラー用に《ドラニスの判事》を1枚追加しました。

八十岡選手は独特なアプローチのデッキを使うこともあり、同じデッキを使ってもボロ負けして「俺は八十岡翔太ではなかった…」となってしまう結果を心配しましたが、なんとか入賞できてよかったです。

八十岡選手が使っていたナヤアドベンチャーの特徴としては、通常相棒として採用されている《湧き出る源、ジェガンサ》を採用せず、代わりにダブルシンボルの《黄金架のドラゴン》や《エンバレスの宝剣》を採用している点。

 

通常のナヤアドベンチャーよりも攻撃的でありながら《スカルドの決戦》も残されており、グルールアドベンチャーと通常のナヤアドベンチャーのちょうど中間のような使用感でした。

 

ナヤは「アドベンチャーに強いアドベンチャー」というのがウリの1つなので、今回のイベントではアドベンチャーデッキが多かったこともあり、立ち位置はかなりよかったかも知れませんね。

 

 

 

6位:ナヤウィノータ

6位はナヤウィノータ。
こちらのデッキではメインサイド合わせて4枚の《パラディン・クラス》を採用しています。

《軍団のまとめ役、ウィノータ》を出すタイミングや《エシカの戦車》で殴りにいきたい時など、相手からの干渉を妨害しつつ、レベル2の全体強化で横並びからのビートダウンプランを支えてくれるのがナヤウィノータにマッチしています。

特に相手が1マナで《レッドキャップの乱闘》や《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》を構えていたところに《パラディン・クラス》→《軍団のまとめ役、ウィノータ》と動けば相手の干渉を完全に防ぐことができるため、余分にマナを構えさせてテンポを阻害できるのが嫌らしい。

クラスカード全般に言えることですが、重ね引いても無駄にならず、効果が積み重なっていくのが良いですね。

《ヴァドロックの神話》はミラーマッチ用の火力呪文。
1枚で複数のクリーチャーを除去でき、《ヤスペラの歩哨》や宝物トークンからうまいこと青マナが出せればブロックもさせないということで盤面の取り合いやリーサル時に重宝しそうです。

 

 

 

 

7位:グルールアドベンチャー(タッチ青)

『グルールアドベンチャー(タッチ青)』
BIG MAGIC Summer Challenge 7位
Nomiya Youhei
土地(21枚)

4《森》
1《山》
4《岩山被りの小道
2《バグベアの居住地
2《ハイドラの巣
4《樹皮路の小道
4《河川滑りの小道

7位は《軽蔑的な一撃》のために青をタッチしたグルールアドベンチャー。
タッチカラーとしては《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》のための黒と比較されるところですね。タッチ黒の場合は除去なので後引きがある程度許され、構えるのが1マナで済みますが、基本的にナヤウィノータへのガードしか上がりません。

一方でタッチ青の場合はカウンターなので相手の脅威よりも先に《軽蔑的な一撃》を引く必要があり、構えるのも2マナになりますが、ナヤウィノータ以外にもスゥルタイ根本原理などの4マナ以上のクリティカルな脅威を持つデッキに対してもサイドインすることができます。

 

 《マジック・ミサイル》は上の《ヴァドロックの神話》とほぼ同じ役割。

ダブルシンボルですが1マナ軽く、複数体の非人間クリーチャーを除去することで《軍団のまとめ役、ウィノータ》を出された場合のリスクを低減してくれます。

 

 

 

8位:グルールアドベンチャー(タッチ青)

『グルールアドベンチャー(タッチ青)』
BIG MAGIC Summer Challenge 8位
Seki Keita
土地(21枚)

4《森》
1《山》
4《岩山被りの小道
2《バグベアの居住地
2《ハイドラの巣
4《樹皮路の小道
4《河川滑りの小道

 

8人目もタッチ青のグルールアドベンチャー。

リストは7位のグルールアドベンチャーとほぼ同じで、メインの《エンバレスの宝剣》が《火の予言》になり、サイドの4枚目の《レッドキャップの乱闘》が2枚目の《バーニング・ハンズ》になっています。

 

というわけで「BIG MAGIC Summer Challenge」の結果とメタゲームでした!

 


 

来週9月17日(金)に『イニストラード:真夜中の狩り』がMTGアリーナでリリースされると同時に、スタンダードではローテーションが行われます。

親の顔より見た《エッジウォールの亭主》からの《恋煩いの野獣》や《空を放浪するもの、ヨーリオン》のブリンクともあと少しでお別れだと思うと名残惜しいですね。(そんなことない?)

既に『イニストラード:真夜中の狩り』のプレビューが始まって一部のカードが公開されていますが、どれも面白そうなカードばかり!
次環境のスタンダードも楽しくなりそうなので、新しいデッキをアレコレ考えながらリリースを待ちたいと思います!

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

 

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脚注

脚注
1 マナフラッド:マナはあるがプレイできるカードがない状態
2 クリーチャー化する能力を持った土地の総称

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