ボードゲーム遊び方紹介 第65回 『ピッグパズル Pig Puzzle』 後編
一人用のボードゲーム「Pig Puzzle」を紹介します。
前回はビギナー/イージーモードで遊んでみましたが、あっという間に終わってしまいました。
そこで今回は、ゲームボードを縦5、横3の15マスに拡大します。
チャレンジカードは、ノーマルのオレンジ色とハードの赤色。枚数は各10枚だったビギナー/イージーモードの2倍の20枚ずつあります。手強くなりそうです。
まずは、オレンジの23番から。道タイルは、曲がり角が4枚、直線が2枚、T字路が1枚です。
ちょっと手応えがあるように感じましたが、あっさりとクリア。注意事項は、コブタと家は道が通るようにする、狼と湖には道が行かないようにするくらいです。あとは、感覚でタイルを置いているだけです。
回数を重ねるうちに、私は回り道を作ることが苦手なのだと気付いてきました。人生と一緒です。苦労せずに最短コースで突っ走りたいと思っているからでしょう。
置き方のコツも見えてきました。
例えば、この図の場合。道タイルは、曲がり角が3枚、直線が2枚、T字路が2枚です。
右上のコブタの下に置くタイルは、曲がり角のみです。直線タイルを置いたら狼にぶつかってしまうからです。
真ん中のコブタにも、直線のタイルは置けません。曲がり角も同様です。画像のようにコブタ同士の行き来しかできなくなってしまいます。
お家に帰るためには、T字路しか置けません。
左のコブタには曲がり角は置けません。全員仲良くお家には帰れなくなってしまいます。つまり、左は縦にしたT字路のみとなります。
上3つが埋まったら、次は中央です。曲がったら湖にぶつかるので、直線しか置くことはできません。
残りは曲がり角が2枚と直線が1枚。コブタを家に帰らせるゲームなので、家からも道がつながっていないとなりません。直線タイルを置くと狼にぶつかってしまいますので、ここでは曲がり角一択。残り2枚をつないで、完成。
オレンジ色のノーマルモードは、ゲームボードのタイルの数と、道のタイルの数が増えただけという印象です。
では、一番難しいハードの赤色チャレンジカード、番号は60番ならどうでしょうか。
コブタが3匹、障害物はなし。曲がり角1枚が指定されていますので、使用できる道タイルは、曲がり角3枚、直線3枚、T字路2枚です。
さすがに最終問題だけあって、難しいです。
左上のコブタの下は、曲がり角一択。真ん中のコブタの下は、T字路。
そのT字路を縦向きにしたら右のコブタの下は直線のみ。横向きにしたら、右のコブタの下はT字路を縦向き。
考えるのは苦手なので、これでいいのではないの? と最短ルートを組んでみました。ですが、これでは、最初に置く曲がり角を外しています。プレイ前からゲーム失格になっています。
絶対に変えられない道を先に置き、次に置く道を二通り考え、実際に置いてみて、手詰まったら入れ替えをしたり、向きを変えてみる。
そんなこんなを繰り返して、ようやく完成。10分くらいかかってしまいました。どのような道のりになったのかは秘密です。
遊び方は単純なのですが、いったいどうしたら60パターンの図を描けるのか、とても不思議です。リモートワークのちょっとした休憩にお勧めのパズルです。
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以下のミステリ本にも寄稿されています。
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1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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