このすばらしい世界に祝福を? 『イッツアワンダフルワールド(ITs A WONDERFUL WORLD)』
毎度!Zxionことぜっくんです。
ハローワールド(挨拶)。
今回はオンラインでもプレイできる『イッツアワンダフルワールド(IT's A WONDERFUL WORLD)』をご紹介。
前回に引き続き、みこめハウスにお邪魔してプレイさせてもらいました。
ドラフトの仕組みを理解していればルールの把握は非常に簡単。
仮に理解していなくてもドラフト自体は普通のドラフトシステムなので(普通じゃないドラフトってあるのか)、ルール難易度は高くないと思います。
ドラフトは、運による要素を減らすために用いられるゲームメカニズムの一つです。
各プレイヤーはそれぞれ同枚数のカードを受け取り、その中から1枚選択して自分の手元に置きます。
残りは決められた方向のプレイヤーに手渡します。
同時に渡した方向とは別の方向のプレイヤーからカードが渡されてきます。
再び「その中から1枚選択して手渡す」という手順をすべてのカードが選択されるまで繰り返していくことを「ドラフト」と呼びます。
目次
1.『イッツアワンダフルワールド』概要
思っていたよりもシンプルで遊びやすいゲームでした。
プレイヤーは1ラウンドあたり7枚のカードドラフトを、4ラウンド分プレイします。
ドラフトで手元に残したカードをあれこれしていくドラフト+拡大再生産といったテイストのゲームです。
(ゲームを通してプレイヤー1人が使えるカードは「7枚×4ラウンド=28枚」、この中で上手くやりくりしていくことになります。)
それでは、概要から。
5つの帝国の民たちよ!
今日は世界大戦終結10周年の記念すべき日だ。
我々の聡明で親愛なる王たちは
我々を幸福にするために
この素晴らしい世界まで導いてくださった。
我々が築き上げたこの平和で進歩を遂げた世界を
祝おうではないか。
偉大なる王たちを讃えよ!
近未来の地球を舞台に、プレイヤーは帝国の主となり、建築物を自領土に建てることで発展を目指します。
プレイ人数:1~5
プレイ時間:45分
対象年齢:14歳~
・ゲームボード
資源置き場2枚
投資家置き場・将軍置き場・クリスタリウム置き場各1枚
・帝国カード5枚
・発展カード150枚
・資源キューブ170個
・建材(グレー)35個
・エネルギー(黒)30個
・科学(緑)30個
・資金(黄)30個
・探査(青)30個
・クリスタリウム(赤)15個
・人物トークン80個
投資家40個、将軍40個
・ラウンドマーカー1個
・ルールブック1冊
・得点計算シート1冊
2.『イッツアワンダフルワールド』ゲームの終了と目的
4ラウンド目が終了した時点でゲームが終了です。
終了のタイミングが明確なのでゲームの見通しは立てやすいですが、とはいえドラフトなので、見通しとかあってないようなものですね。(暴言)
目的はゲーム終了までに自分の帝国を築き上げ、最も多くの勝利点の獲得を目指します。
勝利点はカードに書かれている勝利点と、ゲーム中に獲得したトークンの合計が勝利点となります。
ゲーム終了時の得点シート。 初回は40~50点くらいを目指していきたい感じ
同点の場合は、自分の帝国に作ることができた「構築済みのカード」が多いプレイヤーが、それも同点の場合は人物トークンが多いプレイヤーの勝利です。
それでも決まらない場合、それらのプレイヤー全員が勝利します。
3.『イッツアワンダフルワールド』セットアップ
みんな大好きセットアップ☆
今回は3~5人でプレイする場合のセットアップとルールを説明していきます。
1~2人プレイの場合はセットアップやルールが一部異なるのでプレイ時に付属のルールブックを確認してみて下さい。
こんなふうになるように、セットアップしていくよ☆
①ゲームボードの設置
ゲームボードは2分割になっているので、2枚を横並びに並べます。
そしてゲームボード上の中央ちょい上に1~4の数字が書かれている所の「1」の部分にラウンドマーカーを配置します。
ラウンドマーカーはドラフトの時に手札を渡す方向と現在のラウンド数を表示しています。
②発展カードの配置
よく混ぜた発展カードの山札をボード上部左側に配置。
発展カードは裏面が箱絵になってるやつです。
③資源キューブの配置
ゲームボードの上(ボード中央の5つある丸い枠内)に左から資源キューブを「グレー・黒・緑・黄色・青」の順番で指定されたスペースに置いていきます。
視覚的にわかりやすいので迷うことはないかと思います。
④タイルの配置
ゲームボード下部左から、投資家トークン置き場タイル、クリスタリウム置き場タイル、将軍トークン置き場タイルの順に並べ、該当するタイルの上に各トークン・キューブを置いていきます。
トークンは種類を問わず、通常「1枚=1勝利点」として計算されます。
そしてクリスタリウムは先ほどの5種類とはちょっと異なる資源キューブで、オールマイティーとして使える素敵な資源になります。
ただし、獲得がちょっと難しいというお約束付きです。
⑤帝国カードの受け取り
最後に、各プレイヤーは帝国カードを1枚受け取ります。
A面とB面があるので、相談してどちらの面を使うか決定します。
A面はカードごとに特色があり、B面は完全にフラット
帝国カードの使用する面は、必ず全プレイヤーが同じ面を使用してください。
A面とB面の判別方法は、カード左下にある帝国名の前に書かれたアルファベットで判別します。
最後に、セットアップ自体をするわけではないですが、各プレイヤーは自分の前に下画像のようなプレイエリアがあるものとしてプレイしていきます。
帝国カードを受け取り、配置したら、脳内セットアップを完了させてください。
ルールブックより
初めてのプレイヤーと遊ぶ際には、上記の部分を拡大したりしてプレイエリアシートとかを事前に作っておくと捗るかもしれません。
4.カードの見方
ゲームの流れに入る前にカードの見方をさらっと説明していきます。
①構築コスト
このカードを構築する為に必要な資源コストの総量
②カード名
カード識別の為の名称
③カード総数
発展カードの山札内にある同名カードの総枚数
④構築完了ボーナス
発展カードの構築が完了したときに獲得できるボーナス
⑤リサイクルボーナス
カードをリサイクルしたときに獲得できるボーナス
⑥勝利点
カードを構築することができたらゲーム終了時の得点計算で獲得できる勝利点
⑦産出する資源
カードを構築することができたら「製造フェイズ」で産出することができる資源
⑧カードタイプ
カードの種類を分類するためのアイコン/色
5.『イッツアワンダフルワールド』のゲームの流れ
『イッツアワンダフルワールド』には、手番という概念はありません。
各タイミングで、処理が必要なプレイヤーはそれぞれで処理を進めていきます。
ゲームは3つのフェイズを4ラウンド分プレイ、そしてその後に得点計算を行い、ゲームの終了です。
ラウンドは以下の順番で進行していきます。
C.製造フェイズ
A.ドラフトフェイズ
「ドラフトフェイズ」は以下の流れで進行します。
- 各プレイヤーに発展カードを7枚、山札から裏向きで配る
- 各プレイヤーは配られたカードを見て、その中から1枚選択し、自分のドラフトエリアにいったん裏向きで配置する
- 全員がカードをドラフトエリアに配置したら、全員同時に今配置したばかりのカードを表向きにする(このカードはこれ以降表向きのままです)
- 残りのカードをすべて1・3ラウンド目は左隣、2・4ラウンド目は右隣のプレイヤーに渡す(ラウンドマーカーを確認して、表示されている方向に渡しましょう)
- すべてのプレイヤーがドラフトエリアに7枚のカードを配置するまで、上記を繰り返す
すべてのカードをドラフトエリアに配置し終わったら、次の「B.計画フェイズ」に移ります。
B.計画フェイズ
各プレイヤーはドラフトエリア(上画像参照)に配置した7枚のカードについて、それぞれ以下の2つの選択肢から1つを選択します。
- 構築にまわす
カードを構築中エリア(上画像参照)に移動します。
(以降、このカードは「構築中」となります)
構築中の発展カードとその上に配置した資源キューブは、以降のラウンドに持ち越すことができます。 - リサイクルする
カードを捨て札にして、リサイクルボーナスを獲得します。
ゲームボードからカードに書かれている資源をとり、構築中の発展カードの上に即座に配置します。または、帝国カードの上に配置します。
すべてのカードを構築にまわしてもOKですし、逆にリサイクルしてもかまいません。
カードを選択する順番は任意(ドラフトで手元に置いた順番は関係ない)です。
リサイクルボーナスとして獲得した資源を配置したことによって、構築中カードの構築コストスペースがすべて埋まった場合、そのカードは即座に構築を完了します。
カードをリサイクルして建材(グレー)を獲得し、構築中カードの上へ
構築が完了したカードは、産出する資源を見えるようにして、帝国カードの右上辺「構築済みカードエリア」へ即座に移動させます。
今構築を完了した発展カードは現在のラウンドの次のステップにあたる「C.製造フェイズ」から資源を産出できるようになります。
これを利用するために、同一ラウンド内のドラフトで構築コストをリサイクル前提で集め、自力で産出できない資源があっても強引に構築するというプレイも有用です。
全員が自分の選択した7枚の発展カードを「構築にまわす」か「リサイクルする」かを選び終えたら、「C.製造フェイズ」に進みます。
C.製造フェイズ
製造フェイズは、各資源の種類ごとに製造ステップを行い、全部で5回の製造ステップを行ないます。
各製造ステップにおいて、すべてのプレイヤーは各ステップに対応した資源を全員同時に産出します。
製造ステップは、ゲームボードの左側にある資源から順番に実行していきますので、実行順は「建材(グレー)→エネルギー(黒)→科学(緑)→資金(黄)→探査(青)」になります。
製造ステップの流れは以下の通りです。
◇製造ステップの処理
製造ステップの処理手順は以下の通りです。
処理2.最多産出者ボーナス
処理3.構築
処理1.産出
各プレイヤーは、帝国カードと構築済みの発展カード(帝国カードの右上辺に移動したカード)の産出する資源を見て、現在の製造ステップに一致するアイコンの数を数えます。
構築中のカードは資源を算出しないので無視します。
この状況なら、エネルギー3と探査1の産出ができる。
処理2.最多産出者ボーナス
各プレイヤーは、「1.産出」で産出した種類の資源の数を宣言します。
単独で、最も多くその資源を産出したプレイヤーはボーナスとして、ゲームボードに示されている人物トークンを1つ獲得し、帝国カードの上に配置します。
単独で無い場合(最多同数)は、だれもトークンを獲得することはできません。
※「製造ステップ/科学資源産出」で獲得できる最多ボーナスは、アイコンに両方の絵柄が描かれています。
単独最多のプレイヤーは、投資家or将軍のどちらか片方のトークンを選択して獲得することができます。
手に入れたい方のトークンを選択して獲得できるのは科学産出のときだけ。
処理3.構築
各プレイヤーは、産出できる資源と同数の資源キューブを資源置き場から獲得し、それらを即座に構築中のカードの構築コストスペースに配置するか、帝国カードに配置するか選択します。
資源キューブには以下のような決まりがあります。
- 配置済みの資源キューブを、後で他のカードに移動させることはできない
- クリスタリウム(赤)を除き、製造ステップを超えて資源キューブの配置先を決めずに残しておくことはできない
内容物としての資源キューブの数には上限がありますが、ゲーム中に上限は決められておらず、獲得できないということはあり得ません。
資源トークンがなくなった場合は、
- 帝国カードに置かれている資源トークンを(クリスタリウムを除く)他のものに交換する
- 誰かが構築を完了するまで待つ
- 既に配置されている資源トークンをクリスタリウムと交換する
といった方法で対応するか、自前で同じようなトークンを準備するなどでも良いかもしれません。
上記のどの方法をとったとしても、ゲームの進行には支障がありません。
◇構築完了
構築中のカードの構築コストスペースがすべて埋まると、構築が完了します。
構築が完了したら、
- 構築コストスペースに配置した資源トークンや人物トークンをすべて資源置き場に戻す
- 構築完了時ボーナスがあれば、それを獲得する
- 構築が完了したカードを帝国カードの右上辺に移動し、産出する資源が見えるようにして重ねて配置する
これで、構築完了です。
構築できるカードに制限や上限はありません。
1人のプレイヤーが同名のカードを複数枚構築することも可能です。
◇構築完了時ボーナス
一部のカードは構築完了時に人物トークンや、クリスタリウムの獲得といったボーナスをもたらしてくれます。
ただし、このボーナスを獲得できるのは構築完了時の1度だけです。
なかには複数個のボーナスがもらえるカードもある。
獲得したボーナスは即座に自分の帝国カードの上に配置しておきます。
◇資源キューブをクリスタリウムに変換する
帝国カード上に、資源の種類に関係なく(クリスタリウムを除き)資源キューブが5個たまったなら、即座に資源キューブ5個を資源置き場に戻して、クリスタリウム1個を獲得します。
帝国カード右下部分、すべての帝国カードに備わっている能力で、A面B面は関係ない。
クリスタリウムには以下のような特徴があります。
- 資源キューブとは別に、帝国カードの上にいくつでも貯めておくことができる
- いつでも任意の資源キューブの代わりとして、構築中の発展カードの構築コストスペースに配置することができる
- 任意の資源キューブの代わりに配置することができるが、人物トークンの代わりに配置することはできない。
一部の発展カードには、構築コストとしてクリスタリウムや人物トークンが必要なものがあります。
これらを持っている場合、いつでも構築コストスペースを埋めることができます。
つまり、クリスタリウムと人物トークンは資源キューブと異なり、(トークンやクリスタリウム自体の)獲得直後以外のタイミングでも配置することができるということです。
◇構築中の発展カードを捨てる
プレイヤーはいつでも構築中のカードを捨て札にすることができます。
そうした場合、リサイクルボーナスを獲得して、帝国カードの上に配置します。
ただし、捨て札にしたカードに配置されていたすべての資源キューブと人物トークンは資源置き場に戻さなければなりません
帝国カード上にキューブを配置!それでもワイは…どうしてもクリスタリウムが欲しいんや…
構築中の発展カードとその上に配置した資源キューブは、次のラウンドに持ち越すことができます。(2回目)
1ラウンド目では作れなくても、極端な話、4ラウンド目までに完成させることができれば良いのです。
全員が1つの資源での製造ステップをすべて終えたら、次の資源の製造ステップに進みます。
流れをまとめると、
建材産出
↓
建材最多産出者ボーナス
↓
建材による構築(人物トークンやクリスタリウム含む)
↓
《エネルギー製造ステップ》
エネルギー産出
↓
エネルギー最多産出者ボーナス・・・
と、こんな感じで進行していきます。
最後の資源の(探査資源/青)の製造ステップ(産出、最多生産者ボーナス、構築)を終えたとき、同時にラウンドも終了します。
ラウンドマーカーを裏返してマーカーの位置を1つ分右に動かし、次ラウンドに進みます。
6.ゲームの終了
4ラウンド目が終了したとき、ゲームは終了します。
終了後、各プレイヤーは自分の帝国の勝利点を計算し、得点計算シートなどに記録していきます。
「不変」勝利点
構築したカードのうち、人物トークンやカードの種類によって、点数の変動が無いカードの勝利点を合計して記入します。
「コンボ」勝利点
構築したカードのうち、特定のカードタイプの数によって獲得する、カードの勝利点を合計して記入します。
「将軍」勝利点
将軍トークン1枚につき1勝利点を獲得します。
さらに、構築したカードのうち、持っている将軍トークンによって点数を獲得する、カードの勝利点を合計して記入します。
「投資家」勝利点
投資家トークン1枚につき1勝利点を獲得します。
さらに、構築したカードのうち、持っている投資家トークンによって点数を獲得する、カードの勝利点を合計して記入します。
同点の場合は、自分の帝国に作ることができた「構築済みのカード」が多いプレイヤーが、それも同点の場合は人物トークンが多いプレイヤーの勝利です。
それでも決まらない場合、それらのプレイヤー全員が勝利します。
7.2人プレイの場合は…?
2人でプレイする場合は、ドラフトフェイズを以下のように変更します。
- 各プレイヤーに発展カードを配る際は、7枚ではなく10枚のカードを配る
- ドラフト自体は3~5人プレイの時と同様に行いますが、最後に残った3枚のカードは捨て札にする
(この捨て札からはリサイクルボーナスの獲得はありません)
こうしてドラフトエリアに7枚の発展カードを配置した状態でドラフトフェイズを終了します。
他の部分にルールの変更はありません。
8.おまけ
噂では、オンラインでもプレイできるとかなんとか。
https://interlude.games/ja/game/its-a-wonderful-world
現状、登録や課金不要のオンライン版イッツアワンダフルワールド。
プレイした人の感想として、「ルールさえわかってるなら各種処理がすごい楽」とのこと。
オンライン版はルールの説明が英語なので、1度どこかで実物を用いて遊ぶとスムーズにオンライン版をプレイできます。
言うて基本的にテキストがなく、アイコンのみで判別していく系のゲームなので、当記事をお読みいただければもしかすると、とりあえずプレイ自体はできるか… もしれない。
あとはフィーリングやノリとかゲーマーの感覚とかでもワンチャンできなくもない気もしなくもないですね。(無責任)
9.あとがき
はぁい。
実は機会とタイミングがなくてオンライン版未プレイです。
一応「そういうのもあるのか」的なサムシングでおなしゃす。
カードゲームに造詣があってボードゲーム沼に引きずり込みたい友人とかがいれば割とおすすめかも。
拡大再生産が好きな人にもいいですね。
人の邪魔(カット)をしても大きなデメリットは多分なくて、邪魔されたほうもそこまで「攻撃された」感は感じませんでした。
「まぁ、言うてそれ取らずにカード回したの自分だし…」的な心理も多少働いているのでしょうかね?
自分の帝国作るのが手一杯で「そんなの気にしてる余裕ないわ」というのも一因かもしれません。
帝国作るのが楽しすぎて得点が入るカード全然無かったなんてことにならないように。
ドラフトは計画的に☆
今回はここまでッスー。
次の記事も読んでね!
よろしくおねがいしまぁす☆
ゼクシオンと読みます。(@Boardgameguild)某ねずみの王様が登場するゲームのキャラクターからとりました。ぜっくんって呼んでね!
群馬県館林近辺で仲間とともに「館林たぬきゲーム会」というボドゲ会の主催しています。最近は「たぬきつね工務店」というサークル名でゲムマとかにも出展し始めました。どちらも良きライバルであり協力者である「みこめくん(@mi_comments)」、後方支援の「BEEさん(@MaskedriderBee)」。その他大勢の協力により成り立っています。
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