ボードゲーム遊び方紹介 第54回 『ウミガメのスープ』
水平思考クイズゲーム 『ウミガメのスープ』を紹介します。
プレイ人数は2人以上なら、何人でもプレイできるゲームです。
水平思考クイズゲームとは、シチュエーションパズルやyes/noパズルとも呼ばれています。問題を出す人の考えを当てることを目的としています。
判断力や論理的思考力のほかにも、創造力も必要とします。かなり難易度の高いゲームであるせいか、対象年齢も10歳以上からと、少し高めになっています。
まずは、問題を出す出題者を一人決めます。残りのプレイヤーは、すべて解答者になります。
出題者は、解答者たちに不可解な物語を提示します。真相はまったく分かりません。
解答者たちは、出題者に1問ずつ質問をしていきます。
出題者は、「はい」「いいえ」「関係ありません」とだけ答えます。
これを何度も繰り返して、真相を解き明かしていくという内容のゲームです。
例えば、こんな問題があります。
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。
しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「ウミガメのスープに間違いございません。」
男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。
何故でしょう?
これはゲーム「ウミガメのスープ」といったら、一番メジャーな問題です。暗号ミステリ小説の粋を極めた竹本健治『涙香迷宮』にも登場します。
解答者たちは、以下のように質問を重ねていきます。
解答者A「海の見えるレストランは関係していますか?」
出題者「はい。少し関係します」
解答者B「男は借金を抱えていますか?」
出題者「いいえ」
おそらく、男は過去に「ウミガメのスープ」を出されて飲んだことがあるのでしょう。その味は、海の見えるレストランで飲んだスープとまったく異なっていて、材料はおそらく……だから、男は自殺したのだろうという解答を導き出していきます。
ゲームの中に入っているカードは、84枚。つまり、84の不可思議な物語が入っています。
カードのQと書かれた面には、問題文と時間、難易度が表示されています。
裏面のAには、解答と解答のカギとなる一言ヒントが記されています。
時間までにもっとも真相に近づけた人の勝ち、全員不正解なら出題者の勝ちですが
勝ったプレイヤーはそのカードを貰え、最後までプレイして一番カードをたくさん持っている人の勝利と言ったオリジナルのルールを決めて遊ぶこともできます。
実は、私は解答者になりたいので、まだプレイをしたことがありません。もしも自分が出題者になってプレイをしたら、問題と答を覚えてしまい、解答者になっても面白みが半減してしまうような気がしています。それを防ぐため、出題者を1問ごとに変わっていってもいいかもしれません。
このゲームでしたら、リモートでも充分できそうです。コロナ渦になる前から、普段なかなかお会いできなかった遠方在住の同業者たちと、いつかプレイしてみたいなあと思っています。
幻冬舎
対象年齢:10才~
プレイ人数:2人~
プレイ時間:30分
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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