KOTOKOs GAME SONG COMPLETE BOX「The Bible」 ~KOTOKOのIveSound卒業、これまでも、ここからも~
前回[1]KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 「The Bible」 ~KOTOKO中心に語るゼロ年代PC美少女ゲーム主題歌ライブについて~までで2006年末開催の一区切り、横アリライブまでを経験を基に語りましたが、本当に想い出がドバドバ溢れてくるんですよねこの時代。
ただしI've武道館以降のI'veSoundは、2006年に武道館に出演したSHIHOとMOMOが卒業を発表し、否が応にも変化することを伺わせました。事実、この時期以降にPC美少女ゲーム以上にアニメの主題歌を多く発表するようになっています。
2005年10月放送開始のライトノベル原作『灼眼のシャナ』(監督・渡部高志 代表作に『スレイヤーズ!』)前期主題歌は川田まみの「緋色の空」、翌2006年1月からの後期主題歌はKOTOKO「being」。『灼眼のシャナ』は後に第二期『灼眼のシャナII(Second)』第三期『灼眼のシャナⅢ-FINAL-』が放送された際もKOTOKOと川田まみの組み合わせで主題歌を担当します。
同人ノベルゲームを原作とする『ひぐらしのなく頃に』(監督・今千秋)の主題歌「ひぐらしのなく頃に」は島みやえい子が担当、続編『ひぐらしのなく頃に 解』(監督は同じく今千秋)主題歌「奈落の花」に実写映画版『ひぐらしのなく頃に』(監督・及川中)主題歌「WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)」も全て島みやえい子が担当し、サスペンスホラーな内容の確立に一役買っています。
コミック原作の『BLACK LAGOON』(監督・片渕須直、代表作に『この世界の片隅に』)主題歌「Red Fraction」はMELLが担当し、全編英語歌詞はスラングまみれの迫力ある代物で、2期『BLACK LAGOON The Second Barrage』でも続けて起用、続編のOVA版『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』でもRemix版の「Red fraction IO drive mix」が採用されています。「Red Fraction」は「緋色の空」と併せて『BANG DREAM!』にてRoseriaがカバーしている事でも若い者にも認知度が高い楽曲です(若者と言う単語にそこはかとないダメージ)。
これらの楽曲は全て歌唱した歌姫が作品イメージを確認、ないしは既読した上で作詞も担当しており、作品イメージを補強すると同時に、オープニングアニメーションで作品を一発で知らしめると言う21世紀以降のアニソンをよく表している例として挙げることが出来ると思います。事実『灼眼のシャナⅡ-second-』の前期主題歌、川田まみ「JOINT」は、KOTOKOの「Shooting Star」(「おねがい☆ティーチャー」)と並んで「平成アニソン大賞」の2000年~2009年編曲賞を受賞、歴史に名を刻むほど高く評価されています。川田まみはこの後も『シャナ』と同じ電撃文庫レーベルのライトノベル原作アニメ『とある魔術の禁書目録』主題歌を、一期二期劇場版全ての主題歌と挿入歌を担当し、原作の「電撃文庫」には川田まみアリ、と言える程の存在感を持つに至ります。
5thシングル「being」
KOTOKO曲としては最高のオリコン初登場4位を記録
この時代、萌えの最先端を走っていたPC美少女ゲームはマルチメディア展開の原作として重宝され、様々なタイトルがTVアニメ化にまで至っていますが、I'veSound主題歌がTVアニメに採用されたのは原点とでもいうべき『AIR』と『Kanon』の共に京アニ版と、ユニゾンシフト『ななついろ☆ドロップス』がTVアニメ化された際に主題歌「Shining Star Bless」を詩月カオリが担当した位に留まります。
製作規模が小さいPC美少女ゲーム界隈に対し主に製作委員会方式で様々な思惑が飛び交うアニメ界隈と言う市場の違いが垣間見えます。
その「Shining Star Bless」を採用した『ななついろ☆ドロップス』ですが、作品としては正直マイナーの誹りを免れないのですが、元々の原作PCゲームからして往年の少女漫画風の世界観を丁寧にアニメ化した佳作で、例えば「スーパー魔法少女大戦」がシリーズ化したら1作ぐらいには参戦するだろうと思う位です(分りづらい例え)。
ユニゾンシフト『ななついろ☆ドロップス』
初回特典「IN*s Workshop4」には
原画担当:いとうのいぢ&ぺろ両氏のサインを頂きました
アニメ主題歌を多々手掛けるようになったI'veSoundですが、これまでの主戦場であったPC美少女ゲームの主題歌は減少傾向にあります。様々な理由が考えられますが、前回取り上げた『プリンセスブライド』『プリンセスブレイブ!~雀卓の騎士~』にて「PrincessBride!」「PrincessBrave!」と続けてI'veSoundを採用してきた130cmは続いての作品『彼女たちの流儀』ではfripside(nao)が主題歌を担当しています。
この事については原画担当で企画・シナリオにも関わったみやま零は、後年「「I'veを使うと高いから、誰か探せ」という無茶振りを受けて、fripSideさんに声をかけ」とTwitterで発言しており、ブランドの確立やゲーム本編へのイメージ、そして何より開発予算等の様々な理由で何でもかんでもI'veSoundを採用するという時代でもなくなっている事を示しています。
この2006年には、過去コラム「PC美少女ゲームと美少女フィギュア市場のカンケイ番外編」でも語りましたが、夏に放送開始したTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が社会現象化した年で、1話で流された挿入歌「恋のミクル伝説」は80~90年代風の“あえて古く作った”楽曲ながら電波ソング的なニュアンスも感じさせるものでした。
歌唱したのは担当声優の後藤邑子ですが、後藤邑子は奇しくもねこねこソフトを代表するキャラクターぽんこつさん早坂日和を演じています。にゃうーん。
その2006年末は前回[2]KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 「The Bible」 ~KOTOKO中心に語るゼロ年代PC美少女ゲーム主題歌ライブについて~にも書きましたが、KOTOKO横アリが開催されてKOTOKOのこの時期までの総決算!と評せるライブを開催し、KOTOKOのゲーム担当曲もだいぶ落ち着きます。
この頃にはPC美少女ゲーム業界も「萌え」の最前線からは一歩引いたような落ち着いた時期にあり、既にイメージが固まっているブランドが継続して曲を採用すると言った風潮が強くなります。特に電波曲・熱血曲両方とも採用している戯画は前回・前々回にも挙げた代表的なブランドです。
この頃にKOTOKOソング・I'veSoundを採用し始めた代表的なブランドは株式会社PENCILが擁するぱじゃまソフトがあり、系列ブランドのLilian、bootUP!も含め「原罪のレクイエム」「決断のentrance」「Fusion Star」「ユメミボシ★boom!boom!」等、こちらも萌えも燃えも備えてKOTOKO曲を採用するようになります。
翌年2007年には電波曲のみをフューチャーしたコンピレーションアルバムの2本目『ShortCircuitⅡ』が発売され、このアルバム発売を記念し、I've主催のライブで、「電波曲」のみで構成された『ShortCircuit Premium SHOW in TOKYO』を新木場STUDIO COASTにて開催します。
参加した歌姫はKOTOKOと詩月カオリの二名で、初期曲を多々担当したAKIは既にI'veを離れてましたが、詩月カオリがカバーで前々回[3]KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 「The Bible」 ~KOTOKO中心に語るゼロ年代PC美少女ゲーム主題歌回顧録~にも書いた作詞でのI've初参加曲「PureHreart~世界で一番あなたが好き~」やKOTOKO TO AKIでのデュオの名曲「夏草の線路」、電波曲を世に知らしめた「恋愛CHU!」をKOTOKO to 詩月カオリで、電波曲とは若干異なってますが冴えカノ回[4]「冴えない彼女の育てかた ギャルゲーカバーソングコレクション」~丸戸史明とKOTOKOソングとツンデレと~でも伝えた丸戸史明シナリオの出世作『ショコラ』主題歌の「Cream+Mint」等が披露されました。
セットリストの強弱とか流れとかを排したド直球な電波オンリー構成に歓喜したものです。なお、バックダンサーは「ドリフ大爆笑」でお馴染みのスクールメイツが参加しています。
コンピレーションアルバム『ShortCircuitⅡ』イラストは菊池政治
『ShortCircuit Premium SHOW in TOKYO』
2007年末にはKOTOKO単独で品川ステラホールでのライブ「KOTOKO LIVE TOUR 2007 WINTER」も開催されます。
開催が急遽決まったらしく年末なのに平日開催と言うライブでしたが、このライブは個人的には非常に思い入れの強い回です。と言うのも、ライブ終盤のアンコール時のMCにて、赤帽子、白い袋と時節柄に併せたコスで登場し、「KOTOKOサンタからのプレゼントでーす」とぬいぐるみ、指人形、ポストカード、多数のゴムボール等のアイテムの全てにサインが入った状態で景気良くポンポン投げ入れていたのですが、その中の一つ、サイン入りのゴムボールを一球をもぎ取ったのです。
落とさずキャッチしましたよー、入手から時間が経ってしまったのでだいぶ色褪せましたが家宝のひとつです。
「KOTOKO LIVE TOUR 2007 WINTER」戦利品のKOTOKOボール
キンブレ(電池式ペンライト・キングブレード)じゃなくサイリュームってのが時代です
2008年10月に、2回目のI've武道館ライブ『I'VE in BUDOKAN 2009 ~Departed to the future~』の開催が発表されます。しかも日付は2009年1月2日、新春を飾ると言うとんでもない日付の一大イベントが発表されます。
縁あって2008年10月に開催された発表会に参加させて頂きました。これは当時主催のビジュアルアーツがPC美少女ゲーム情報を扱う個人サイト管理人にも多数声がけして頂き、その縁で参加したというだけで影響があるとかそういう訳じゃないんですけどね。
I've武道館2009のプレスリリース
開催日とかチケット価格とか販売方法とか…(クリックで拡大)
2009年の新春早々に開催された『I'VE in BUDOKAN 2009 ~Departed to the future~』は、事前に発表されていたI've所属の歌姫の川田まみ、島みやえい子、詩月カオリ、KOTOKO、MELL以外に、これまで披露する機会の少なかったユニット曲、川田まみと島みやえい子の「Healing Leaf」とKOTOKO to 詩月カオリのステージが用意されていたのが印象的でした。
またメインの歌姫以外にも、コンポーザーのC.G.mixがボーカリストとして出演、後にI'veに所属することになるIKUもゲストとして出演しました。
ゲストミュージシャンとして、前回武道館でダンサーとして参加した元ソフトバレエの故・森岡賢がダンサー兼キーボードとして今回も参加したほか、KOTOKOが歌唱したアニメ『マリア様がみてる』3rdシーズン主題歌「きれいな旋律」の作曲を手掛けた元MEGADEATHのギター、マーティ・フリードマンも参加しました。
近年では『モーレツ!宇宙海賊』主題歌のももいろクローバーZ「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」の編曲も担当し、その独特のギターフレーズはアニメファンにも周知の所となっているのですが、その前からKOTOKO曲であのギターを響かせていたのです。
ちなみに「きれいな旋律」作詞は『マリみて』原作者の今野緒雪ですが、マーティが作曲を担当したのは、日本に在住した頃から『マリみて』の熱烈なファンだったと言う事です。マジか。
その他顔が青一色で塗られたブルーマングループもゲスト参加にてパフォーマンスを披露しました。ただし、後に発売されたライブDVDではこのブルーマングループ参加の下りは丸々カットされています。
『I'VE in BUDOKAN 2009 ~Departed to the future~』パンフレット
ビジュアルアーツ馬場社長のサインを(何故か)頂きました
2009年は面白い年で、IMAGE CRAFT『無差別恋愛』が発売され、主題歌「Ideal Forest」が発表されますが、この曲は2003年に発売されたIMAGE CRAFTのゲームサントラ「Song for eternity」にショートver.が収録されていたものがようやくフルver.で日の目を見たものです。
原因は言うまでもなくゲームソフト本編の開発・発売の遅れによるものですが、KOTOKOのラジオMCによると曲を納品したのは2001年(!)との事で、「声が若いな」とコメントしていました。きちんと世に出た曲以外にも様々な要因で発表されずに消えた曲もあるんだろうなぁこの業界、とネガティブな気持ちになったりもします。
7月発売のSAGA PLANETS『ナツユメナギサ』主題歌「bumpy-Jumpy!」を担当しますが、サガプラ作品の主題歌はあの『恋愛CHU!』以来です。アップテンポな楽曲は以降の夏ライブツアーでの定番曲になっています。
『ナツユメナギサ』はサガプラが純愛モノに舵を切った『Coming×Humming!!』に続く季節を題材とした四季シリーズの2本目で、この曲の高評価をきっかけに続く「秋」の『キサラギGOLD★STAR』主題歌「Rolling Star☆彡」の作詞(歌唱はI'veのLarval Stage Planning)、「冬」の『はつゆきさくら』グランドオープニング「Presto」の作詞歌唱を担当しました。
サガプラは現在では純愛系統のPC美少女ゲームではハズレの無いド定番中のド定番と言ったポジションに落ち着いた印象がありますが、KOTOKOの楽曲が旧来のファンをサガプラに回帰させる役割も請け負ったとも言えます。
7月にはXbox360/PS3用2D対戦型格闘ゲーム、アークシステムワークス『BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER』主題歌「蒼-iconoclast」をKOTOKOが担当しましたが、この時I'veに所属していたKOTOKOがI've外での活動を開始した一曲目(作曲:佐々倉有吾、編曲:宮崎歩)で、外部活動の際の芸名を小文字の「kotoko」に変更した曲です。
この曲辺りから、ライブでのサイリュームの色で青色が増えてゆき、KOTOKOのライブでのメインカラーは青色と言う印象が強くなっていきます。
『BLAZBLUE』シリーズでは翌年に発売された『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT』主題歌「碧羅の天へ誘えど(へきらのそらへいざなえど)」も担当しています。
2009年中では戯画『BALDRSKY Dive1 ”Lost Memory”』『BALDRSKY Dive2 -RECORDARE-』の二部作は、『BALDRFORCE』のチームバルドが手掛けたバルドシリーズ最新作で、そのボリュームから分割されたものの二本の主題歌「Restoration ~沈黙の空~」「jihad」を共にKOTOKOが担当し、『BALDRFORCE』の「Face of fact」『デュエルセイヴァー』の「Fitality」に並ぶKOTOKOの戦闘ソングとして絶大な人気と認知度を誇るまでになりました。
戯画『BALDRSKY Dive1 ”Lost Memory”』原画担当は菊池政治
この全編にも『戯画オープニングサントラ』が付属していて値が下がりません
2010年1月には、KOTOKO単独での武道館ライブ『“thank you”and“from now” KOTOKO LIVE IN BUDOKAN 2010「Pleasure×Pleasure=Pleasure!!!」』が開催、タイトルにもある通りこれまでの感謝を前面に押し出した単独ライブで、「所属始めてレコーディングした曲」として「Feel in tears」(doors『Heart of Hearts』)を歌唱する等古い楽曲も多数演奏してくれた記念杯的なライブで、事前にHPにて歌唱する曲のいくつかを発表する等の試みが行われました。
2000年冬コミ頒布の『Dear Feeling』収録「prime」はKOTOKO TO AKIのユニット版ではなくKOTOKO単独版で、「prime -“thank you” and “from now”-」としてラス前曲として披露しました。
この単独武道館ライブでのこじーん的な思い出は、ライブ終了後に個人のページにてライブレポ的なものを書いていたのですが、数日後に普段全く関係ない所からのアクセスが急増したんですね。
リファラを確認した所、匿名掲示板のひとつ、単体セクシー女優スレからでした。出演作品が1000本を越えたロリータセクシー女優「つぼみ」嬢がKOTOKOのファンを自称しており、この武道館ライブにも参加したと言う報告を上げていたのですね。
そこでスレ内で「KOTOKOって誰」「武道館でライブするような歌手なの?」「ここに書いてある」とウチトコが晒されると言う流れで妙な流入が増えていたってオチでした。しかしつぼみ嬢は前述の『BALDRSKY』に声優として参加もしているのだから知らんのかスレ住民と思ったものです。
DVD版『“thank you”and“from now” KOTOKO LIVE IN BUDOKAN 2010「Pleasure×Pleasure=Pleasure!!!」』
その年の8月に、KOTOKOデビュー十周年として全国26か所のライブツアー『KOTOKO LIVE HOUSE TOUR 2010 夏だ!響舞だ!全国行脚祭 ! !』と、追加公演の『KOTOKO LIVE HOUSE TOUR 2010 夏だ! 響舞だ! 全国行脚祭 !! ~延長戦 in ZEPP~』を開催します。
過去コラムの冴えカノ回[5]「冴えない彼女の育てかた ギャルゲーカバーソングコレクション」~丸戸史明とKOTOKOソングとツンデレと~でも取り上げたのですが、このライブの選曲はツアー前に全楽曲リクエスト投票を行い、その結果を反映したものになっているとの事で、ここまでに10年(!)ファンを続けていた身としては感慨深いものがありました。
なおライブハウスでは「Leaf ticket」「allegretto ~そらときみ~」の丸戸作品主題歌と、「Restoration ~沈黙の空~」「Face of Fact」のバルド2曲で、各々人気投票上位のC.G Mix曲を会場の歓声が大きい方を披露すると言う事で会場毎にその場で音量測定すると言う試みが行われました。
『延長戦 in ZEPP』では4曲をshort版のメドレーで披露し、結果「Leaf ticket」が半券になってしまったのは残念だったかなと。
ちなみにこのライブツアーでトリを飾った人気投票一位曲は『家族計画』主題歌「同じ空の下で」でした。自分としても大納得ですし大感動ですよ。
『家族計画 information FANBOOK』発売直前のCDROM付プロモ冊子。主題歌収録
原画担当:福永ユミの個人HPでのプレゼント品なのでサイン入りです
『延長戦 in ZEPP』開場に設置されたKOTOKO神社
2011年にはI'veからアルバム『TRIVAL LINK』が発表、過去曲をI’ve所属の歌姫以外のシンガーが歌うと言う企画モノで、ユニットも組んだ佐藤ひろ美の他、奥井雅美、榊原ゆい、桃井はるこ、飛蘭、橋本みゆき、naoと言ったPC美少女ゲーム主題歌以外にアニメ主題歌等でも活躍している歌姫をシンガーを向かい入れ、過去の楽曲を披露すると言うコンセプトアルバムで、発売を記念して「IVE PRESENTS『TRIBAL LINK 2011 in TOKYO』」のライブも昼夜の二回公演で実施されました。
実力あるシンガー揃いだけにゆいにゃん(榊原ゆい)の「アナタだけのAngel☆」とか、まっくん(奥井雅美)の「Automaton」なんかは完全に自分のモノにしていたと言う感があって、ライブで何回も観ていた楽曲なのにモノスゴ新鮮に観れました。ひろ美姐さん(佐藤ひろ美)はバラードの「Permit ~許しの塔~」を思い入れ強く涙ぐみながら歌っていたのが響きましたね。
KOTOKOも「IMMORAL」「FLY TO THE TOP」を昼夜二部両方で披露し、様々な面を魅せてくれる、ことを体感させて頂きました。
会場の新木場 STUDIO COAST
『TRIBAL LINK 2011 in TOKYO』パンフレット
その2011年8月に、KOTOKOがI'veからの卒業を発表します。
所属もファクトリーレコーズ(I'veの所属事務所でインディーズレーベル)より独立、プライベートオフィスOrpheeco(合同会社オルフェコ)の所属となります。
ファンにとっても慣れ親しんだ、I'veSoundから離れる事は少なくない衝撃がありましたが、その年の9月に発表されたTVアニメ『灼眼のシャナⅢ-FINAL-』前期主題歌「Light my fire」は作詞・作曲・編曲は「初音ミク」の「メルト」等を手掛けたsupercellのryoで、これまでにないシャウトを響かせる楽曲はKOTOKOの新たな一面をも伺わせるもので、I'veから独立の懸念も払拭されたものです。
同様に独立以降KOTOKOの新たな一面を見せてくれた楽曲としては、現在でもPC美少女ゲーム市場の中心で新作を発表し続けるブランド、ゆずソフトの『千恋*万歌』主題歌「恋ひ恋ふ縁」は三味線を加えた楽曲と電波ソング風の歌い方がマッチしている一曲です。
『千恋*万歌』ビジュアルファンブック
また、I'veから独立した後も関係が途切れた訳ではなく、I'veプロデュースの楽曲に多々参加しています。
有名な所では、ブシロード擁するブシモのスマホ専用ゲーム『恋愛リプレイ』主題歌「リスタート」は、作詞曲KOTOKOですが編曲・プロデュースがI'veの井内舞子で、ゲームのリリース直後の2012年末はTVCMで深夜帯以外にもバンバン放映されたので、サビのフレーズに関してだとKOTOKOの楽曲の中で最も聞かれたものではないかと。
前述の戯画『BALDRSKY』以降のバルドシリーズの主題歌もI'veSoundプロデュース、KOTOKO歌唱の主題歌(さらにムービーは神月社)が継続され、『バルドスカイ ゼロ』主題歌「WING OF ZERO」、『バルドスカイ ゼロ2』主題歌「Reboot oN/↓0」、『BALDR HEART』主題歌「Sign of Suspicion」、そして2017年リリースのシリーズ最終作を謳った『BALDR BRINGER』主題歌「real-Reality」と全てI'veとKOTOKOの組み合わせで楽曲が発表され、ムービーの最後は印象的なフェードアウトする楽曲と併せ表示される言葉「Believe your Justice」はシリーズ共通のテーマであり、これ以上ないくらいにシリーズとしての一体化が図られています。
また今年4月に発表された、2020年内発売予定の戯画の新作『閃鋼のクラリアス』はチームバルドの最新作で、主題歌・挿入歌・エンディングテーマのプロデュースがI've、主題歌はKOTOKO「faith~信じる力~」であることが発表されています。
ちなみに近年の戯画は、主題歌を収録したCDを本編ゲーム発売前にコミケ等のイベントで頒布するグッズセットに封入することが多く、この新曲「faith~信じる力~」もゲーム本編発売前にCD媒体でリリースされるのではないかと思っていますが、何分現在の状況でグッズ発売がある大型イベントって次がいつになるか判らんモンで、冬コミ? 本編発売は来年? とか嫌な想像をしてしまいます。
このイベントグッズでの音源化による入手難度はCD化されない昔ほどではなくなっているものの、手間はかかる様になったと言うのが正直な感想です(コミケでの待機列を思い出しながら)。
2018年夏、C94戯画「『BALDR BRINGER』セット」
同梱の「real-Reality」リミックスCD
今回の「KOTOKO's GAME SONG COMPLETE BOX 「The Bible」」BOXは、奇しくもディスクの収録順は年代ごとになっているので、ディスクを入れ替えひっ替えしてしている中でこれまで語った内容が脳内を駆け巡ったのでした。
正直に言うとイントロで題名からソフト名まで瞬時に思い出せたのはDisc4ぐらいまでで、Disc6以降は知らない曲が徐々に増え、最後の方は初試聴になる曲も多々ありました。それでも、全てがKOTOKOの楽曲だと言う強烈な個性は褪せる事無く聞くことが出来たので、今の時代CDそのものの流通量が減り、音源が入手し辛くなる中に於いてこれらの楽曲が1パッケージに収まる事の意義は計り知れないものがあります。もう、発売してくれてありがとう、と言う他ありません。
KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 「The Bible」
このBOX発売を記念したライブツアーが5月から開催予定でしたが、現在の社会情勢の為に全て中止になってしまいました。大型のライブイベントは軒並み中止になっている現状ではいさ仕方ない事は理解できるのですが、それでも残念で残念でしょうがありません。なまじ先行抽選にてチケットに当選していたのでひとしおです。
そのライブツアーが配信込みで8月以降に開催のスケジュールが発表されました。詳細はまだ不明ですが、応募しないわけにはいかないので、次回のKOTOKOのライブイベントには万難を排して挑もう、と心に決めた次第です。トシもトシなんでオッサン無理すんなと生あたたかーく見守っていただければ幸いです。
脚注
フィギュア中心のアキバ系サイト「常時リソース不足RX」の中の人。通称センセイ。 美少女フィギュア以外にもPC美少女ゲーム、特撮、90年代ゲーム、阪神タイガース辺りにサブポジ○があります。
常時リソース不足RX:http://beyyang-rx.blog.jp/
Twitter ID:@beyyang128
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