カードゲーム遊び方紹介 第33回 Love letter -恋文- /千澤のり子
第16回と第17回で紹介した「Love letter」の和風バージョン「恋文」です。
世界観は、昔々の日本。ある山奥の城下町の大名には、美しい一人娘がいました。お年頃になった彼女に、身分も立場も異なる若者たちが、想いをしたためた恋文を届けようとします。果たして、姫にたどり着けるのでしょうか。
プレイ人数は、2人から4人。コンパクトなので、持ち運びに便利です。田中寛崇さんが、イラストを描かれています。
ルールもカードの役割も「Love Letter」とほぼ同じです。プレイヤーを全員脱落させるか、山札がなくなった時に、もっとも数字の大きいカードを持っているプレイヤーが勝ちになります。
通常カードは、8種類。姫・家老・侍は1枚、陰陽師・巫女・浪人・忍びは2枚、女中は5枚入っています。
特殊カードは各1枚ずつ、4種類あります。
姫と同じ効力の若殿。
手札の強さの合計が12以上なら、カードを出さないとならない御目付。
終了時に自分の捨て札にあれば、2点加算される代筆屋。
直前の捨て札と、同じ内容に変貌する妖狐。
今回も2人でプレイです。
カードをシャッフルして伏せて置き、山札にします。2人プレイ時なので、3枚引いて公開します。各自1枚ずつ山札からカードを引いて、手札にします。
じゃんけんでゲームスタート。「代筆屋」「浪人」「巫女」が公開されています。
先行の私の手札は7点の「家老」。カードを引き、手札の強さの合計が12点以上なら、脱落してしまいます。つまり、「陰陽師」「侍」「姫」を引いたら、即ゲーム終了です。
1枚引いてみます。1点の「女中」でした。プレイヤーを1人指名し、「女中」以外のカードを1つ言って、相手が持っていたら脱落させることができます。
「女中」を出しました。2人プレイなので、指名もいりません。
「姫」
「正解」
なんと、一瞬でゲーム終了です。
2回目は「陰陽師」が1枚、「女中」が2枚出ています。
今度は後手になりました。プレイヤーを1人選んで数を競い、数字の小さいほうが脱落する「浪人」を持っています。
先方が出したカードは「巫女」。私は1回休みとなる効力です。
自分が引いたのは、プレイヤーの1人のカードを見られる「忍び」。なんとなくで「浪人」を捨てました。「巫女」により何もできません。
続いて出されたカードは「女中」。外されました。次に私が引いたカードも「女中」。「女中」を捨て「姫」と言っても、同じことは続きませんでした。
3ターン目は「陰陽師」を出されたので、手札の「忍び」を捨てることになり、1枚引きました。7点の「家老」がきました。自分の手番になり、再びカードを1枚引きます。またしても「女中」。
「姫―!」
「……それしか言えないの」
外しました。
3ターンで「浪人」を使われました。私は「家老」を持っています。
「せーの、どや!」
相手の持っているカードは、6点の「侍」でした。
幻冬舎エデュケーション/Love letter -恋文- プレイ人数:2~4人 |
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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