カードゲーム遊び方紹介 第18回 犯人は踊る(前編)
「事件が起きた――。犯人は今日この場所に集まった私たちの中にいる」
いわゆる犯人当てをテーマにした「犯人は踊る」は、すごろくやさんで製造・販売しているミステリ・カードゲームです。
鍋野企画の鍋野ぺすさんが制作、鍋野たまさんが絵を手がける大人気のゲームで、わが家にあるのは、その第三版です。
カードの枚数は全部で32枚。3人から8人で遊べます。プレイヤーの人数によって使うカードの枚数は異なります。大きさはトランプ程度で、軽くてかさばらないので、あちこちに持っていくことができます。
3人でプレイする場合は、「第一発見者」「犯人」「探偵」「アリバイ」の4種類を1枚ずつ、残りのカードはシャッフルして8枚をランダムに選び、合計12枚でプレイします。
4人以上になると、規定のカードに「たくらみ」が1枚加わります。残りのカードは11枚です。それ以上の人数になると、規定のカードの枚数が少し変わってきます。規定カードとその他のカードの合計は、プレイ人数の4倍になっています。
カードには、それぞれ効果が書いてあります。
「第一発見者」は、このカードを持っている人からゲームが開始します。事件の内容を自由に考えることもできます。この人から左回りにゲームは進んでいきます。
「犯人」は、「探偵」に当たられると負けてしまうカードです。手札が1枚になった時だけ出すことができます。出せたら、「犯人」の勝ちです。
「探偵」は、自分以外のプレイヤーに「あなたが犯人ですね」と聞くことができます。当たれば「探偵」の勝ちです。2周目以降しか使えないカードです。
「アリバイ」は、手札にあれば「私は犯人ではありません」と答えられます。カードを出しても効果はありません。
「たくらみ」は、出すと犯人の味方になるカードです。犯人が勝つと「たくらみ」を持っている人も勝てますが、犯人が負けると同じように負けてしまいます。
ほかのカードは、複数枚あるのが、「一般人」、「情報操作」、「取り引き」、「目撃者」、「うわさ」。1枚のみのカードには「少年」、「いぬ」があります。
勝利の条件は、3つあります。
1つめは、「探偵」カードで「犯人」を当てた時。この場合、勝利者は「探偵」になります。
2つめは、「いぬ」カードで「犯人」を引き当てた時。この場合の勝利者は「いぬ」になります。
3つめは、「犯人」カードを出した時。この場合のみ、「犯人」の勝ちになります。「たくらみ」カードを出した人は「犯人」と運命をともにしますので、勝敗も「犯人」と同じです。
だいたいどのカードゲームにも共通していますが、「犯人」となった人は決して嘘をついてはいけません(もちろん、嘘をついてもいいカードゲームもあります)。「探偵」に指名された場合は、正直に犯人かどうかを述べましょう。
手札がなくなってしまっても、カードが回ってくることもありますので、そのままゲームには参加できます。
プレイ時間は10分程度です。もっと早く終わる回もあります。最大人数8人なので、大人数が必要なゲームの待ち時間などにサクッと遊べそうです。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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