ボードゲーム遊び方紹介 第5回 初めてのボードゲームカフェ(前半)ワードバスケット
ボードゲーム遊び方紹介 第1回 “どうぶつしょうぎ”はこちらから。
ボードゲームをしたい。でも、ゲームを持っていない。プレイヤーも集まらない。そもそも場所がない。ウェブやスマートフォンアプリでもボードゲームはできるけれど、種類が限られてしまうから物足りない。
そんな方には、もしも首都圏に足を運ぶのが困難でなかったら、ボードゲームカフェに行かれるのはいかがでしょうか。
実は、先日、初めてボードゲームカフェに行ってきました。お店は「アソビCafé」さんです。土地勘のある場所を選びました。
初めてなので、何もかもが不安です。貸し切りの場合もありますので、事前にお店に電話して、だいたいの来店時間と、遊びたいゲームと、初めてであることを伝えました。
無事に空いていたので、いざ、出陣。窓はガラス張りで、中の様子が外からでも分かります。怪しげな気配はまったくありません。むしろ、おしゃれな雰囲気です。
受付で滞在時間を伝え、飲み物の注文と会計を済ませました。それから、ゲーム中に呼ばれたい名前を名札に記入し、席に案内されました(内装はお店のウェブサイトの画像を参考にしてください)。
すぐに終わるものか、がっつり時間をかけるか、大勢でやるか、少人数か、希望を聞かれます。私はやりたいゲームを2種類伝えました。すると、スタッフの方が店内に声をかけ、プレイヤーを集めてくださいました。
人見知りが激しいけれど、大丈夫でしょうか。そんな心配はまったくいりません。年齢も性別も関係なく、名前しか分からない人同士であっても楽しくゲームで遊ぶことができます。ルールがよく分からなくても、常連さんやスタッフの方がサポートしてくれました。
最初に遊んだゲームは、ドミニオン。3回行ったあと、別のグループと合流し、ワードバスケットを行いました。ワードバスケットとは、集団しりとりです。
最初に、手札が5枚配られて、山札の中から「ワードバスケット」といって、代表者が1枚めくって捨て札の箱に入れます。「あ」から「わ」で始まる通常カードが出たら、ゲーム開始です。
プレイヤーは、山札からめくられた文字から始まり、自分の手札にある文字で終わる3文字以上の言葉を言って、そのカードを捨て札に重ねます。早いもの勝ちです。
私に配られたカードは「つ」「い」「こ」「か」「wild6」でした。例えば、山札から出たカードが「あ」だったとします。そうしたら、「あんみつ」と言って「つ」のカードを捨て札に入れます。「あじさい」で「い」を捨てても、「あんこ」で「こ」を捨てても構いません。
特殊カードは「wild」プラス数字の特殊カードは、数字に書かれた文字の言葉を言います。この場合は「wild6」なので、「あいあいがさ」で切ることができます。ただし、最後の文字が次の始まりの文字になりますので、「ん」で終わらせてはいけません。特殊カードはほかに、「やゆよ」「かきくけこ」など、行の中から自由に選べるものもあります。
ラスト2枚から1枚になるときは、カードを切った後に「リーチ」と言います。どうしても言葉が思い浮かばない場合は、「リセット」と言って、手持ちのカードを全部捨て、カードの数プラス1枚取ってゲームに参加します。
とにかく、スピードが勝敗の鍵になるゲームです。全員で一斉に行うので、最初の文字は次々に変わります。プレイヤーたちは、反射神経で単語を考えないとなりません。
先の例なら「あ」のカードを見た瞬間に「あんみつ」、「ツキノワグマ」(wild6使用)、「漫画」(濁音や半濁音で終わっても構いません)、「カギカッコ」、リーチ、「紅梅」と一人で次々にカードを切ることもできます。
大勢かつ短時間でできるゲームなので、時間がないときにお勧めです。このときは7~8回プレイし、初回は勝つことができました。その後はさっぱりうまくいかず。一応ミステリ作家兼評論家なので、どうしてもミステリ用語で考えてしまうのが敗因かもしれません。
ボードゲーム遊び方紹介 第6回 初めてのボードゲームカフェ(後半)ドミニオン
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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