デバッグ・マジック! vol.32 ~もっともっと!!『イクサラン:失われし洞窟』編~
あけましておめでとう!2024年も当連載を引き続き読んでいただけると幸いだ。
さて、来月2月に横浜で開催されるチャンピオンズカップファイナルはモダンフォーマットで行われる。久しぶりに競技シーンでの戦いが見られるということで、どのようなメタゲームになるのか非常に楽しみだ。
そこで観戦を100倍楽しむためにも、今回も環境の最新情報をチェックしながら、新カードを使ったデッキアイデアに挑戦していこう。
目次
1. 復活、そして再び台頭する赤黒
2023年12月~2024年1月にかけてのモダン環境は、以下のようなメタゲームで展開していた。
Tier 1(10%強)
赤黒不死ラガバン←Up!!
ティムール続唱
Yawg-Chord
青赤ラガバン
Tier 2(2~5%)
アミュレット
死せる生
トロン
鱗親和
4Cオムナス
装備シュート
バーン
黒単貴重品室コン
トライバルズー
執政官独創力/頑強独創力
驚くべきは禁止改定で《激情》を失ったはずの赤黒がなおもTier 1最上位に返り咲いたことにある。無論弱体化していないわけではない。現に支配率自体は、他のTier 1アーキタイプ同様10%強にとどまっている。
だが、《悲嘆》+「不死」系スペルの爆発力と《敏捷なこそ泥、ラガバン》《オークの弓使い》《鏡割りの寓話》といった単体カードパワーの安定性との組み合わせは、インチキムーブを一つ取り上げたところで環境外にとどまるような生易しい代物ではなかったというだけのことだ。
これについて、「禁止の判断が間違っていた」「やはり《悲嘆》を禁止すべきだった」というつもりは現状ない。R&Dは赤黒や「死せる生」といったアーキタイプをなるべく残す判断をしたのだろうし、禁止によって弱体化したデッキがなおもTier 1最上位に収まっているというのは奇妙な状況ではあるものの、別段それ自体が不健全というわけでもない。
上記の表を見てもわかるように、環境は再び多様性を取り戻している。ただこれからモダンを始めたいという人にこの14個のデッキ以外を勧めるかと聞かれたら……現状「No」と言わざるをえないかもしれない。それは赤黒が悪いわけではなく、ローグデッキに圧迫感を与えるほどにずば抜けて強いデッキが多すぎることが問題なのだ。
とはいえ、ローグデッキ使いたちには朗報もある。Magic Onlineのデッキリストページが改修され、今まで32位までしか載らなかったChallengeのデッキリストが全参加者分、しかも更新タイミングも気持ち早めになったのだ。
「負けたリストが載ってもしょうがない」という説もあるが、環境に爪痕を残すという意味ではかなりやりやすくなったものと思われる。リストが載りやすくなったことで、自分の研究を全世界の他の誰かが拾ってくれることもあるかもしれない。積極的に挑戦していくべきだろう。
またそれはさておき、例によって最近活躍したローグデッキを3つ紹介しておこう。
スーパー予選4位
プレイヤー名:qUaBaTcHiEs
1《機能不全ダニ》
1《偽りの希望の神》
2《砂の殉教者》
2《スレイベンの検査官》
4《イーオスのレインジャー長》
4《スカイクレイブの亡霊》
1《セラの模範》
1《機械の母、エリシュ・ノーン》
4《孤独》
3《北方の大鷲》
3《遺棄の風》
2《至高の評決》
4《一つの指輪》
3《永久の優雅》
3《時を解す者、テフェリー》
現状のモダンにはコンボデッキというものは存在すれども、無限コンボとなるとそう多くはない。そして無限コンボがいない環境ならば、「毎ターンライフをすごい勢いで回復する」というだけでも敗北条件をかなり遠ざけることができるのだ。
《一つの指輪》や《一時の猶予》の加入によって、白単でもドローやカウンターを行えるようになったのも大きい。古くからローグデッキとして存在し続けていたアーキタイプだが、ついにメタゲームの表舞台に姿を現すときが来たのかもしれない。
チャレンジ4位
プレイヤー名:eggybenny
1《ヴァントレス城》
2《溢れかえる岸辺》
1《ストーム・ジャイアントの聖堂》
4《島》
2《霧深い雨林》
4《汚染された三角州》
2《沸騰する小湖》
3《蒸気孔》
1《沼》
2《湿った墓》
1《ザンダーの居室》
4《オークの弓使い》
4《瞬唱の魔道士》
4《ティシャーナの潮縛り》
2《緻密》
vol.27で紹介した「青黒弓使いコン」から《一つの指輪》を抜き、《ティシャーナの潮縛り》を加えてより攻撃的な構成となった形。攻めにも受けにも使える《アノールの焔》がやはりキーカードだ。
メインボードの呪文はすべてインスタントタイミングのカードで統一されており、常に後出しで行動できる。強さもさることながら、マジックというゲームの楽しさを存分に味わえるデッキとなっていそうだ。
チャレンジ8位
プレイヤー名:reto_mtg
3《乾燥台地》
1《血の墓所》
3《血染めのぬかるみ》
4《山》
1《血に染まりし城砦、真火》
1《反逆のるつぼ、霜剣山》
1《踏み鳴らされる地》
4《ウルザの物語》
4《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》
4《ドラゴンの怒りの媒介者》
4《敏捷なこそ泥、ラガバン》
4《太陽の執事長、インティ》
4《楕円競走の無謀者》
4《通りの悪霊》
vol.18で紹介した「アーティファクトバーン」からの派生であり、単体で強いカードを増やしたことと《太陽の執事長、インティ》の加入によってかなり引き締まった構成となった。
《太陽の執事長、インティ》は《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》からサーチできる《地獄料理書》と《楕円競走の無謀者》とのコンボにリソース補充の要素を付与できるため、ダメージソースにもなる《死の国からの脱出》のような役割を果たす。「金属術」を達成すれば《スランの医師、ヨーグモス》すらも落とせるようになる《感電破》は、今後見かける機会が増えるかもしれない。
2. もっともっと!!『イクサラン:失われし洞窟』でバグを探そう
強力なデッキが多い健全な環境というのは、実はバグが生まれにくいものだ。
この角度はデッキAが埋めている、あの角度はデッキBが埋めている……という風に、デッキの種類が増えるほど、環境の死角は減ってくる。
一強や二強の環境の方が、ローグデッキによる意識外からの一撃を浴びせやすい部分はあるだろう。
だが、だからといって研究する手を止める理由にはならない。
なぜならメタゲームは移り変わるものだ。今がバランスの良い環境でも、新カードによってそのバランスが崩れる可能性もある。その時のために、刃は常に隠し持っておきたい。
ゆえに、今回も新セットに眠るバグをデバッグ (発見・解明) していくことにしよう。
◇《アクロゾズの放血者》
マジックの勝利条件は「無限マナを生むこと」や「無限トークンを作ること」ではあくまでない。対戦相手の初期ライフ20点を削りきることさえできるならば、それを超えるダメージや手順はむしろ蛇足とすら言えるのだ。
《アクロゾズの放血者》。自ターン限定だがダメージを倍加させられるので、《精神連繋メカ》とのコンボがスタンダードで話題になったカードだ。
しかしモダンで4マナのカードを使おうとするなら、もちろん16点などという中途半端なダメージではなく、決まれば勝ちの即死コンボを目指すべきだろう。
とはいえ、単純に考えると《アクロゾズの放血者》でゲームに勝つためには対戦相手に10点飛ばす呪文を唱える必要があるところ、10点ものダメージを与えるためには《ウルザの激怒》「キッカー」で12マナ、《焼尽の風》でも10マナかかる計算となる。到底現実的ではない。
だがそこで私は、発想を逆転させることで必要マナの大幅な圧縮に成功したのである。
発想の逆転とはどういうことか。対戦相手に10点飛ばすには10マナ必要だ。そこは覆らない。
ただここで、対戦相手のライフを半分にする呪文が存在したならばどうだろうか?
そう、すなわち。
《消耗した全能》を使えばいいのでは???
消耗した全能》はお互いのライフ・手札・クリーチャーを半分にするところ、端数は切り上げでしかも順番はライフから先に半分になるので、《アクロゾズの放血者》がいる状況で唱えると、結果としてクリーチャーが他にいない状況であっても確定で対戦相手のライフを0にできるのである。
つまり、9マナからたった2枚の呪文を唱えるだけで即勝利ということだ。これは令和の双子コンボと言っても過言過言過言過言ではではではないないないないないない (?)
さらにこのコンボの素晴らしい点はたとえ対戦相手のライフが21点以上のいくつの数字であっても必ず相手のライフはピッタリ0(※奇数の場合はマイナス1)になるという点にある。しかもこれは50とか100とかいう次元にとどまらず、相手がヘリオッドカンパニーで《スパイクの飼育係》による無限ライフコンボを決めた後であっても同様なのだ。
無限の概念であろうと殺しきれる……これぞまさに直死の魔眼。生きているなら、神様だって殺してみせる。文字通り《太陽冠のヘリオッド》までをも殺しきれるこのコンボならば、モダンのメタゲームを殺すことすら不可能ではないはずだ。
それでも9マナというのもなかなかにハードルの高い要求であるところ、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》と《陰謀団の貴重品室》のコンボを使えば土地6枚から9マナを捻出することが可能となる。
クリーチャーとソーサリーの2枚コンボなので、1マナでのサーチ手段は《定業》が最高効率となってしまう。それならばいっそ《不敬な教示者》を採用し、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》や《陰謀団の貴重品室》といったマナ加速に必要な土地も合わせてサーチできるようにすれば、デッキの動きが飛躍的に安定するはずだ。
《歩行バリスタ》は《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》と《陰謀団の貴重品室》で余りがちなマナの注ぎ込み先になるほか、《アクロゾズの放血者》がいる状況だと5/5の《歩行バリスタ》のアタックが通るだけで即死になるので、意外な角度からゲームに勝てるかもしれない。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
3《沼》
2《森》
1《草むした墓》
4《新緑の地下墓地》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》
1《ロークスワイン城》
1《ボジューカの沼》
4《沈んだ城塞》
4《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
4《陰謀団の貴重品室》
1《廃墟の地》
1《惑いの迷路》
4《歩行バリスタ》
4《樹上の草食獣》
4《アクロゾズの放血者》
4《不敬な教示者》
4《古きものの活性》
4《探検》
4《消耗した全能》
4《大いなる創造者、カーン》
《風景の変容》でいいだろ!!!
20点以上飛ばすには土地8枚必要とはいえ4マナソーサリー1枚コンボがあるのに9マナソーサリー2枚コンボを誰が使うんだよドマゾか???何より《消耗した全能》にスタックで《アクロゾズの放血者》を除去されるとただライフと手札を無為に失うだけになってしまいあまりの恥辱に憤死しかねないため、冷静にパイオニアでやれとしか言いようがないのであった。でもこんなんパイオニアでも通用しないと思うけど
◇《奇怪な宝石》
カードタイプを問わず相手の土地以外のパーマネントに満遍なく触れる万能除去である《虹色の終焉》や《力線の束縛》の登場は、モダンにおけるアーティファクト・エンチャントの価値を大きく引き下げた。しかし現状のメタゲームを見ればわかるように、それらを採用した白いコントロールデッキは実質そのほとんどがポジションを失っている。
ならば、今こそアーティファクト・エンチャントの使い時であるに違いないのだ。
《奇怪な宝石》。用途が起動型能力に限定されるとはいえわずか1マナで2マナを生み出せるアーティファクトということで、実質《太陽の指輪》といっても過言に決まってるだろ!!!バカが代!!!
だがそれでも、今までにないことをできるカードであることには違いはない。では《奇怪な宝石》の登場によって何ができるようになったのだろうか?
まず私が着目したのは、「起動型能力」という部分だった。
《訓練場》は起動型能力のコストを永続的に2マナ軽減できるので、仮に《奇怪な宝石》でクリーチャーの起動型能力を賄う想定ならば、実質的な2枠目として機能する。
さらに《生術師の使い魔》も存在しているので、3種12枚で安定してクリーチャーの起動型能力を軽減できるのではないか。
……と、思ったのだが。
全部《アガサの魂の大釜》でいいじゃねーか!!!
そもそも《訓練場》が最大効率を出せる3マナの起動型能力で起動したら勝つようなものは存在しないし、起動型能力をコンセプトにした時点で大体全部《アガサの魂の大釜》の下位互換になってしまうのである。
しかし、起動型能力は何もクリーチャーだけのものではない。クリーチャーの起動型能力がダメなら、他のカードタイプの起動型能力を使えばいいのだ。
そう、すなわち。
《ギャレンブリグ城》と合わせて使えばいいのでは???
《奇怪な宝石》は出せるマナが無色という点も若干の使いづらさがあったところ、《ギャレンブリグ城》ならば無色マナをぴったり使い切って起動型能力専用のマナをクリーチャー専用のマナに変換してくれるので、純粋なマナ加速として運用できる。
さらに『イクサラン:失われし洞窟』で加入した《沈んだ城塞》も合わせて使えば、2種8枚で安定して《ギャレンブリグ城》の能力を起動できるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
4《繁殖池》
4《霧深い雨林》
3《新緑の地下墓地》
4《ギャレンブリグ城》
4《トレイリア西部》
4《沈んだ城塞》
1《魂の洞窟》
4《シミックの成長室》
1《ボロスの駐屯地》
2《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
1《処刑者の要塞》
4《樹上の草食獣》
4《イリーシア木立のドライアド》
4《原始のタイタン》
4《召喚士の契約》
4《古きものの活性》
4《奇怪な宝石》
4《精力の護符》
絶対普通のアミュレットでいいだろ!!!
新カードを試しているとよくある現象、「新カードは既存コンセプトに乗っかると強そうに見えるけど既存コンセプトは別に新カードを必要としてない」やつ、別名「オレはアイツのことを好きだけどアイツは別にオレのことなんとも思ってない」である。
クリーチャーの起動型能力もダメ、土地もダメとなると、いよいよ《奇怪な宝石》の強みを生かせる部分がなくなってきた。やはりそもそも無謀だったのか……とも思われた。
だが、私は見落としていたのだ。
クリーチャーに関しては《アガサの魂の大釜》ですべて事足りてしまうのは事実だが、こと土地に関しては、試したのは《ギャレンブリグ城》だけだったという事実を。
そう、すなわち。
青の「信心」を稼ぎながら展開を加速できる唯一無二のカードなのでは???
《奇怪な宝石》からのマナは《ニクスの祭殿、ニクソス》の起動コストにもあてることができる。そして《奇怪な宝石》が青1マナのパーマネントであることで、《ニクスの祭殿、ニクソス》との関係では1マナでありながら実質トリプルシンボル分の働きをする奇跡のカードとして扱うことができるのだ。
となれば、あとはアーティファクトやエンチャントでシンボルが濃くかつ軽い青のパーマネントを片っ端からデッキに入れていくだけだ。
《失敗の宣告》はマナはかかるものの実質除去が効かない《翻弄する魔道士》であり……あが!?あががが……アガー!!(嘘をついたので閻魔様に舌を引っこ抜かれた)
……《不忠の糸》は《オークの弓使い》など厄介なクリーチャーを「信心」を稼ぎながら自分のものにできる。除去しないので《まだ死んでいない》などによってかわされる心配がないのもありがたいところだ。最初は《雲変化》入れてたけどさすがにおふざけが過ぎると思って入れ替えたのは秘密だ
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
5《島》
4《トレイリア西部》
3《天上都市、大田原》
1《水辺の学舎、水面院》
1《ヴァントレス城》
4《沈んだ城塞》
4《ニクスの祭殿、ニクソス》
4《ティシャーナの潮縛り》
2《否定の契約》
4《ウィザード・クラス》
4《広がりゆく海》
4《失敗の宣告》
4《不忠の糸》
4《予期の力線》
4《サメ台風》
4《奇怪な宝石》
4《大いなる創造者、カーン》
あれ、今日は燃えるゴミの日じゃないですよ???
「よくもまあこんなに弱そうなカード集められたな、もはや《カスの呪い/Curse of Kasu》にでもかかってるんじゃないか」と自分でも思うが、一番の問題は相手に「信心」を減らされないことを重視するあまり《敏捷なこそ泥、ラガバン》に50回くらいどつかれそうな置き物の展示会に終始してしまっている点で、青い《独房監禁》とかが出たらもうちょっとまともなコンセプトになるかもしれない。あと何回も言うけどそもそもパイオニアでやれ!!!
◇《内なる太陽、チミル》
「発見」は「続唱」に匹敵するバグギミックだ。
ならばどんなに重い「発見」カードでも、いや重いカードであればこそ、試してみる価値はあると言うべきだろう。
《内なる太陽、チミル》。6マナという重さがあるとはいえ、毎ターン「発見5」ができるというのはカードスペックだけ見れば異常である。
とはいえ、「毎ターン~ができる」という効果はその都度相手にターンを渡してしまうことにもつながるため、基本的にはバグりにくいものだ。
そしてモダンでソーサリータイミングの6マナのカードを使うなら、「置いたら勝ち」くらいの効果である必要がある。
だがもし「発見5」だけで勝てるというなら、その5マナのカードを最初から唱えた方が良いに決まっている。
《内なる太陽、チミル》を「置いたら勝ち」にできて、しかもわざわざ《内なる太陽、チミル》を使う必要がある……そんな都合の良いカードがあるはずも……。
あった。
5マナ以下のカードを《時間のねじれ》だけにしたら、全自動追加4ターンで勝ちなのでは???
《内なる太陽、チミル》の強みは「毎ターン」という部分にある。ならば「発見5」で追加ターンをとれるデッキ構成にすれば、《内なる太陽、チミル》を限りなく「置いたら勝ち」に近づけることができるというわけだ。
《天上の案内者》は「変成」によって《内なる太陽、チミル》を確定でサーチできるのが強みで、《女王への懇願》を経由すればデッキ内のすべてのカードにアクセス可能なのも強力なポイントだ。
《徴用》は《否定の契約》を採用できないこのデッキにおいて、《内なる太陽、チミル》を通すための最後の切り札となる。どうせ追加4ターンとれたら大体勝ちなので、手札は気持ちよく投げ捨てよう。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《島》
1《ストーム・ジャイアントの聖堂》
4《トレイリア西部》
4《溢れかえる果樹園》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《天上都市、大田原》
4《沈んだ城塞》
4《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
4《陰謀団の貴重品室》
1《ガイアー岬の療養所》
4《天上の案内者》
1《破滅の伝導者》
4《巨大な空亀》
4《鏡殻のカニ》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール》
4《時間のねじれ》
4《解任+開展》
1《女王への懇願》
4《徴用》
3《海門修復》
1《サメ台風》
4《内なる太陽、チミル》
1《巨智、ケルーガ》
こんなデッキじゃ4ターンとっても勝てねーよ!!!
そう、それは構造上の欠陥であった。「発見5」で確定追加4ターンがとれる構造にした結果、デッキそのものが限りなく「無」に近づいてしまったのである。そもそも6マナ以上のカードしか入ってなかったら《敏捷なこそ泥、ラガバン》に100回どつきまわされることが確定じゃねーかということに気づけなかったことも敗因の一つだ。そして毎度のことだが、こんなクソ重いカードを真面目に使おうとするならせめてパイオニアでやれ!!!
3. その他:蔵出しクソデッキ集
以下ではセット終盤恒例の、「そもそもデッキにならなさそう」あるいは「記事にならなさそう」という結論に至った産廃あと一歩及ばなかったデッキたちの供養コーナーをお届けしよう。
◇《クイントリウス・カンド》
ついに《雲を守る山、雲帯岳》の出番が来たのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《平地》
4《宝石鉱山》
4《岩だらけの大草原》
2《滝の断崖》
2《秘教の門》
3《次元間の標》
4《沈んだ城塞》
4《宝石の洞窟》
4《雲を守る山、雲帯岳》
4《灯の分身》
2《賢いなりすまし》
4《深海の破滅、ジャイルーダ》
4《前駆ミミック》
2《龍王コラガン》
4《海門修復》
4《創造の発露》
4《徴用》
4《クイントリウス・カンド》
何でパイオニア版より弱そうなんだよ!!!
◇《地質鑑定士》
パイオニアで禁止になるくらいだから最強なのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《山》
4《宝石鉱山》
4《滝の断崖》
4《火の灯る茂み》
3《溢れかえる果樹園》
4《沈んだ城塞》
4《宝石の洞窟》
4《玻璃池のミミック》
4《地質鑑定士》
4《嘶くカルノサウルス》
2《奔流の機械巨人》
1《ドゥームスカールのタイタン》
1《暴走暴君、ガルタ》
4《異界の進化》
4《覆滅+複製》
4《徴用》
4《創造の発露》
4《マグマ・オパス》
《邪悪な熱気》ってカード、知ってるか???
◇《沈んだ城塞》
ありとあらゆる2マナ土地を入れたら爆速でエルドラージが出るのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
2《森》
4《繁殖池》
4《ヤヴィマヤの沿岸》
4《溢れかえる果樹園》
4《ギャレンブリグ城》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《天上都市、大田原》
4《エルドラージの寺院》
4《見捨てられた神々の神殿》
4《沈んだ城塞》
4《ウギンの聖域》
4《樹上の草食獣》
4《老いたる深海鬼》
1《虚空の選別者》
1《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
1《約束された終末、エムラクール》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール》
4《探検》
4《成長のらせん》
4《地図作りの調査》
必要な土地の枚数が多すぎる!!!
◇《マラメトの模範、クチル》
《召喚士の契約》でサーチできる《沈黙》なのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《森》
1《山》
2《踏み鳴らされる地》
1《寺院の庭》
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
3《乾燥台地》
1《魂の洞窟》
4《ゴブリンの壊乱術士》
1《隠れた薬草医》
1《マラメトの模範、クチル》
1《最深の力、オヘル・アショニル》
4《召喚士の契約》
4《豊穣な収穫》
4《無謀なる歓喜の行進》
4《捨て身の儀式》
4《発熱の儀式》
4《魔力変》
4《ぶどう弾》
4《紅蓮術士の刈り痕》
4《五元のプリズム》
コンボデッキが始動ターンに追加3マナ払う余裕はねーよ!!!
◇《古のもの》
《領事府の弩級艦》に即「搭乗」できるのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《沼》
4《湿った墓》
4《汚染された三角州》
4《新緑の地下墓地》
1《湿地の干潟》
4《ウルザの物語》
4《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》
4《死の影》
4《古のもの》
4《迷いし者の魂》
4《湖に潜む者、エムリー》
4《楕円競走の無謀者》
4《通りの悪霊》
4《ミシュラのガラクタ》
4《モックス・アンバー》
4《領事府の弩級艦》
1《影槍》
1《地獄料理書》
そもそも「搭乗」しなくても《死の影》でこのくらいのサイズ用意できてる!!!
◇《血茨のフレイル》
1マナで任意枚数の手札を捨てられるカード、《虚ろな者》が欲していたパーツなのでは???
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《山》
1《沼》
2《血の墓所》
2《草むした墓》
2《踏み鳴らされる地》
4《血染めのぬかるみ》
4《新緑の地下墓地》
4《樹木茂る山麓》
4《猛火のルートワラ》
4《傲慢な新生子》
4《死の影》
4《迷いし者の魂》
4《復讐蔦》
4《虚ろな者》
4《通りの悪霊》
4《冥界への呼び声》
4《燃え立つ調査》
4《血茨のフレイル》
手札何枚必要なんだよ!!!
4. 終わりに
私のデッキでの採用率を見てもわかるように、『イクサラン:失われし洞窟』のカードで現在最もポテンシャルを感じているのは実は《沈んだ城塞》だ。
環境デッキへの採用実績はあまりないが、今後のセット次第でバグを生む可能性がある。今のうちに集めておいて損はないだろう。
また、来月2月9日(金) には新セット『カルロフ邸殺人事件』が発売となる。そこではどんなバグが生まれるのか、非常に楽しみだ。
ではまた次回!
クソデッキビルダー。独自のデッキ構築理論と発想力により、コンセプトに特化した尖ったデッキを構築することを得意とする。モダンフォーマットを主戦場とし、代表作は「Super Crazy Zoo」「エターナル・デボーテ」「ステューピッド・グリショール」など。Twitter ID:@matsugan
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