発売直前!「神河:輝ける世界」 レガシー環境を変えるカード4選!
皆さんこんにちは。ラマダーン柿沼です。
1月から新型コロナウィルスが再度勢いを増し、大会どころかショップにまで足を伸ばすこと自体が困難な日々を過ごしています。12月末を最後にリアルでの紙マジックを行えていない現状ですが、Discordを通じてマジックを楽しむスタンスで今後も乗り越えていこうと思います。
さて今回は2月18日発売予定の『神河:輝ける世界』より、下フォーマットで注目するカードを紹介していきたいと思います!
獅子の飾緒
『神河:輝ける世界』より初めて登場したキーワード能力換装を有したクリーチャーです。2マナ1/1と脆弱ですが白1マナで墓地のカードを追放しつつパーマネントカードを追放することで+1/+1カウンターを自身に置くことができます。このクリーチャーは統率者2010にて収録された《漁る軟泥に酷似していますがクリーチャーを追放して+1/+1カウンターを置きつつ1ライフゲインがなくなった分、換装に加えていずれのパーマネントを追放してもパンプアップが可能になった分《獅子の飾緒》の方がクロックスピードを早めてくれる可能性を秘めています。
モダン以下の環境であればフェッチランドを含め《ミシュラのガラクタ》や《不毛の大地》といった軽いパーマネントが墓地に落ちやすいため《獅子の飾緒》の餌に困るシーンは少ないでしょう。また対コンボ戦に於いてもフェッチランドを採用しているデッキは多数存在する為クロックスピードを早めて可能な限りゲームを速やかに終わらすことができる点は《漁る軟泥》には無い長所だと思います。
追放対象は沢山!
《獅子の飾緒》が採用される見込みがあるデッキはデス&タックスをはじめとする石鍛治系デッキ全般が該当します。《獅子の飾緒》がこれらのデッキに於いて優秀である点は《石鍛治の神秘家》と《護衛募集員》からサーチ出来る点にあります。クリーチャーと装備品を兼ねる《獅子の飾緒》は例えヨーリオン型のデス&タックスに1枚のみの採用だとしても容易にアクセスが可能です。また霊気の薬瓶とも相性が良く必要な白マナを確保しつつ盤面に着地させる事が可能になります。
サーチ手段は沢山!
弱点としてはカードタイプがアーティファクトクリーチャーである為あらゆる除去の的になってしまう点にあります。特にサイド後であれば墓地を使用するデッキのガードも上がるのでその分こちら側も《獅子の飾緒》に慢心したキープは危険になります。特に昨今では《ウルザの物語》の採用率の上昇から赤黒+白リアニで《静寂》がサイドインされるケースが多く、その場合上記にある《霊気の薬瓶》+《獅子の飾緒》での墓地の睨みは効かなくなってしまうので注意が必要そうです。
また白いデッキの構成上エルフやマーベリックの様に緑マナを潤沢に使用できるデッキに採用される《漁る軟泥》の様な面で墓地を掃除するアクションは難しいと思われます。《漁る軟泥》と同じ使用感での運用とは違うものになるかもしれません。
耐え抜くもの、母聖樹
魂力で緑を含む2マナでアーティファクトとエンチャントと土地に限定された《暗殺者の戦利品》で撃てる伝説の土地。サイクルはどれも強力ですがやはり軽さと効果の範囲も相まって下環境では《耐え抜くもの、母聖樹》は『神河:輝ける世界』に於いて最も散見されるカードとなるでしょう。
その1つ目の理由は採用が容易である点です。まず伝説の土地でありながらアンタップインで緑マナを出す事ができるため緑を含むデッキであれば1〜2枚は容易に採用できると思われます。また土地単をはじめ《モックスダイアモンド》や《壌土からの生命》を採用したデッキに於いては3〜4枚採用しても差し支えは無いと思われます。
土地を使うギミックとは好相性!
2つ目が効果範囲の広さです。先に述べた通りアーティファクト、エンチャント、土地を対象にした暗殺者の戦利品の様な起動型能力ですが、インスタントタイミングでの起動である点が非常に強力です。例を挙げるとすると《暗黒の深部》+《演劇の舞台》の誘発時、《演劇の舞台》が《暗黒の深部》にコピーした際の誘発にスタックして《耐え抜くもの、母聖樹》の魂力を起動する事で相手が得られるものは基本土地タイプを含む土地1枚のみになります。《ウルザの物語》に対しても2章を迎えさせる事なくただの土地に変換できます。解呪に加えて土地まで破壊できる魂力はとても強力と言えるでしょう。
3つ目が一般的な妨害が効きにくい点です。先に述べた通り魂力は起動型能力であるため意志の力を代表とするカウンターでは対応できず、土地であるため《思考囲い》を代表とするハンデスでも落とせません(Hymn to tourachや村八分では抜けますが…)
一般的な対策は✖️(バツ)
対応可能なのは起動型能力を打ち消す事ができる《もみ消し》や起動型能力を封じる《真髄の針》といった一部のスペル、もしくは一部のサイドボードと行った具合に対応が極めて困難である点です。
対策は限られている
また《虚空の杯》や《三なる宝球》、《抵抗の宝球》、《防御の光網》といった様々な置物に対してもその制限を受けず対処が可能です。特殊地形キラーとも言える《血染めの月》も手札にある《耐え抜くもの、母聖樹》には作用せず緑1マナさえ確保できていれば破壊の対象にすることが可能です。その他にも相手のコントロール下に時を解すもの、テフェリーが居ても任意のタイミングで置物を破壊したり、《行き詰まり》のドロー誘発をさせずに破壊できたりと妨害を回潜るシーンは枚挙に暇がありません。
上記の3つの理由により《耐え抜くもの、母聖樹》は今後のトーナメントシーンで散見されることになると思います。
隔離用構築物
2マナ2/1で手札を捨てた際にそれを追放してとターン終了時まで唱える事ができる常在型能力を有したアーティファクトクリーチャーです。端的に言うと手札のカード全てに任意でマッドネス(みたいなものを)を付与する能力と言えます。《隔離用構築物》単体では何もしない2/1クリーチャーですが手札を捨てるカードとの組み合わせは抜群で大量のアドバンテージを稼いでくれます。スタンダードだけで考えても
《身震いする発見》が2マナデメリット無しの3ドロー2点ゲインになりますし、モダンのホロウワンに採用すれば《隔離用構築物》が盤面に出ているだけで《ゴブリンの知識》や《燃え立つ調査》で《虚ろな者》が捨てられてもキャストが可能になります。
大量アドバンテージ!
また追放するか墓地に置くかは任意で決定できるため、《復讐蔦》が捨てられても墓地に置けるので問題はありません。それどころか《復讐蔦》の盤面に戻る誘発を大いに手助けすることになるでしょう。
レガシーでは《ライオンの瞳のダイアモン》との相性が良く実質《Black Loutus》として運用する事が可能になります。
Black Loutusと同等に
またその動きを取り入れた新しいコンボとして注目されているのが《工匠の直感》です。《工匠の直感》はフィフスドーンで収録された青を含む2マナのエンチャントです。能力は起動で青1マナと手札のアーティファクトを1枚捨てる事でライブラリーから1マナ以下のアーティファクトを1枚サーチできるアーティファクト版の制限付き《適者生存》の様なカードです。盤面に《隔離用構築物》と《工匠の直感》に加えて青青青と手札に任意のアーティファクトカードが1枚があれば無限ライフゲイン、無限マナ、無限ダメージのコンボが成立します。詳細な手順は以下になります。
新たなレガシーのコンボデッキに!
- 青1支払いライブラリーから《ライオンの瞳のダイアモンド》サーチ
- 青1支払い手札から《ライオンの瞳のダイアモンド①》を捨て(追放して)ライブラリーから《ライオンの瞳のダイアモンド②》をサーチ
- 追放した《ライオンの瞳のダイアモンド①》を唱えて青1マナ支払い手札から《ライオンの瞳のダイアモンド②》を捨てる。(追放して)それにスタックして《ライオンの瞳のダイアモンド①》を起動して青青青を確保する。その後ライブラリーから《ライオンの瞳のダイアモンド③》をサーチする。マナプールには青3マナ。
- 追放した《ライオンの瞳のダイアモンド②》を唱えて青1マナ支払い手札から《ライオンの瞳のダイアモンド③》を捨てる。(追放して)それにスタックして《ライオンの瞳のダイアモンド②》を起動して青青青を確保する。その後ライブラリーから《不死の霊薬》をサーチする。マナプールには青5マナ。
- 追放した《ライオンの瞳のダイアモンド③》を唱えて青1マナ支払い手札から不死の霊薬》を捨てる。(追放して)それにスタックして《ライオンの瞳のダイアモンド③》を起動して青青青を確保する。その後ライブラリーから《ライオンの瞳のダイアモンド④》をサーチする。マナプールには青5マナ。
- 追放した不死の霊薬を唱えて青1マナ支払い手札から《ライオンの瞳のダイアモンド④》を捨てる。(追放して)それにスタックして《不死の霊薬を起動してライフ5点ゲインと墓地の《不死の霊薬》、《ライオンの瞳のダイアモンド①②③》をライブラリーに戻す。その後ライブラリーから《ライオンの瞳のダイアモンド①》をサーチする。マナプールには青1マナ。
- 青1マナ多い状態で3に戻り以降、3〜6をループ。その後《歩行バリスタ》で無限ダメージ
このギミックを組み込んだ新たなレガシーのデッキも登場する事に期待が高まります。
月回路のハッカー
2マナ2/1忍術青1。相手に戦闘ダメージ時に1ドロー。そのターン盤面に出たばかりならルーティングの常在型能力持ちのクリーチャー。《霧刃の忍び》と並ぶ最も低い忍術コスト青1マナの2体目の忍者です。《霧刃の忍びがテンポアドバンテージに優れているのに対し、《月回路のハッカー》はハンドアドバンテージの獲得に秀でています。
レガシーの忍者では1ターン目から《目くらまし》を撃って行っても1マナでの忍術が可能な為、実質テンポアドバンテージ面でも優秀なクリーチャーと言えます。また従来のレガシーでは忍術は最低2が定石だった為、起きているマナが1マナ以下の際には忍術で出した《虎の影、百合子》や《巧妙な潜入者》を除去されてしまいテンポロスしがちでしたが、1マナ忍術持ちの《月回路のハッカー》が登場したことで1マナさえ起きていれば忍術で出した《虎の影、百合子》や《巧妙な潜入者》への除去にスタックして《月回路のハッカー》の忍術でフィズらせるプレイングも可能になりました。
主役を影から支える!
このプレイングの際に素晴らしのは青1マナさえ立てて置けば相手が《月回路のハッカー》を警戒して除去を撃つかどうか判断の岐路に立たせてられる点にあります。例え《月回路のハッカーがハンドに無くとも1ターンずらして《虎の影、百合子》や《巧妙な潜入者》を忍術で場に出す事で相手が除去を使う事を躊躇わせる事ができます。コモンと侮るなかれ『神河:輝ける世界』の中でも中々にトリッキーなカードの1枚です。
いかがでしたでしょうか?今回の『神河:輝ける世界』では目に見えて強いといったカードよりはどちらかと言ったらシナジーを考えて強力なカードが多かった様に見受けられました。
個人的には今までカスレアだった《工匠の直感》でしたが時代を超えて新たなコンボの中核として注目されたことは非常に感慨深いと感じています。
また現在では《魂標ランタン》や《歩行バリスタ》、《ポータブルホール》といったコスト1以下のアーティファクトが強力になっている事も含めて《工匠の直感》を使用したデッキが登場することに多いに期待しています!
それではまた!
北関東の僻地で活動してるMagic: the Gatheringプレイヤー。好きなフォーマットはレガシー。好きなカードをずっと使い続けられるこの環境とプレイを共にする友人が大好き。あと痩せたいです。
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