ボードゲーム遊び方紹介 第66回 「 ザ・キー:岸壁荘の盗難事件」前編
推理ゲーム「ザ・キー:岸壁荘の盗難事件」を紹介します。
対象年齢は8歳から99歳まで。プレイ人数は1人から4人と、少人数で遊べるゲームです。
「岸壁荘の盗難事件」は、その名のとおり、岸壁荘で行われた展示会で盗難事件が発生したという世界観です。3人の悪党が美術品を盗み出しました。幸い、犯人も逮捕できて盗難品も回収できましたが、どの容疑者がどの事件を起こしたのかが分かりません。
さて、何時に誰がどの美術品を盗み、どのような逃走計画を立てていたのでしょうか。
プレイヤーは捜査官となって推理をしていきます。
箱の中身は、番号の記載されている鍵がたくさん描かれた解決ボードが1枚、中に3人の容疑者の似顔絵と指紋の描かれた調査手帳が4冊。
衝立にもなる分析スクリーンが4枚、拭き取り付きのマーカーが4本、木製の鍵が9個。
カードは左奥から指紋カードが20枚、監視カメラカードが24枚、証拠品カードが24枚、目撃証言カードが72枚あります。
準備は簡単です。
まず、分析スクリーンを1枚取って、写真のように組み立てます。スクリーンの中にマーカー1本と捜査手帳も準備します。
カードは全部混ぜて、数字と格子マークの描かれた裏面を上にして、ドーナツ型に置きます。中央には鍵を1本置いてください。鍵の色の事件を捜査することになります。
各自が捜査官となり、目撃証言や科学捜査研究所から届いた情報をもとに解決していきます。真相につながる3桁の番号をもっとも早く導き出した人が勝利というゲームです。複数の人が解決した場合は、もっとも少ない手がかりで捜査をした人が勝者になります。
最初に決まっている情報は、以下のとおり。
・犯行時刻は午後1時、午後2時、午後4時。
・容疑者は17歳のニック・リッツォ、45歳のロゴ・ゴンザレス、77歳のグレタ・セーブル。
容疑者のそれぞれの性格は説明書に記載されています。
・被害にあった美術品は、南米のジャングルで掘られた木製の仮面、ダイヤモンドが散りばめられ
たインド製の象の像、貴族の名家に伝わるという冠です。
・逃走計画は、プロペラ機を使う、潜水服を着て海から逃げる、パラグライダーで空を飛ぶの3種
類。
目撃証言はや科学捜査研究所の鑑識結果は、カードに記載されています。
画像のカードは、目のマークが入っているので、目撃証言です。
横の数字は、有益情報ポイントです。目撃証言では2か3が書かれています。科捜研カードは4ポイントのみです。
アイコンは容疑者、犯行時刻、盗難品、逃走計画、犯行1・2・3のどれか2つが描かれています。その下にあるカラーコードは、どの色の鍵の事件に役立つ情報なのかを表しています。最初に選んだ鍵の色と同じ色が記載されているカードを選びましょう。異なる色を選ぶと誤った結論になっています。
科捜研カードは、3種類あります。
一番左の指紋からは、容疑者と盗難品。真ん中の監視カメラの画像からは容疑者と犯行時刻。右端の証拠品からは容疑者と逃走計画の情報が手に入ります。
カードと、分析スクリーン、調査手帳を見比べて推理をしていきましょう。後半に続きます。
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以下のミステリ本にも寄稿されています。
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1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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