新作エリアマジョリティの傑作! ライナー・クニツィアの『バビロニア』
毎度!Zxionことぜっくんです。
 バビロンバビロン。
今回紹介する『バビロニア』はクニツィア氏の作品です。
 クニツィアと言えば、競り3部作(ラー、メディチ、モダンアート)とかで有名なドイツのゲーム作家。
 他の作品だと…『バトルライン』とか『ペンギンパーティー』が有名?かな?
バビロニア、1回遊ばせてもらって、とても気に入ったので持ち主にお願いして、持ち主の家に押しかけて作業しています。
 まぁ、たぬきつね工務店の相棒であるみこめくんなんですけどね。
 貴重な休日をありがとう。
目次
1.巨匠ライナー・クニツィア氏作『バビロニア』
アークライト/Ludonova
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:60分
対象年齢:14歳~
 コンポーネントが素敵!
手元で取り扱うコンポーネントは木製で良い感じ。
 残念ながら(?)ゲームボード上に配置するタイルは紙製だが、「ジグラット」と呼ばれるオブジェクトはがっつり木製。
ちなみに「ジグラット」っていうのは
古代メソポタミアにおいて、日乾煉瓦を用い数階層に組み上げて建てられた巨大な聖塔で、「高い所」を意味する。
  自然の山に対する信仰である「クル信仰」(クル=山)が起源だと考えられている。
  シュメール起源(シュメール語でジッグラトを表す語は「エ・ウ・ニル(驚きの家の意)」)と考えられており、
  一般に地上の神殿又は神殿群に付属しながらジッグラトの頂上にも神殿を備え、
  神の訪れる人工の山としてメソポタミアの諸都市に建造されたと考えられている。
  しかし、機能的には不明な点も多い。
…ってことで、決してバーチャロンの処刑戦機的なアレではない。
2.『バビロニア』ゲームの目的と終了
閑話休題。
 プレイヤーはゲームが終了するまでに、勝利点を最も多く集めることが目標となります。
ゲームは以下の2つのうちどちらかを満たしたら、即座に終了です。
・派閥の山(個人の山札)が枯渇している手番プレイヤーが、スタンド(手札)にある最後の派閥コマをゲームボードに配置した手番の終了時
 ・ゲームボードに残っている都市タイルが1枚以下になった時(その時の手番は最後までプレイする)
上記のどちらかが満たされ、獲得した勝利点が最も多いプレイヤーが勝者となります。
 獲得した勝利点が同数の場合、その内、最も多くの都市タイルを保有しているプレイヤーの勝利です。
 それも同数だったなら、最後に残ったプレイヤー達で勝利を分かち合います
同手番プレイせずに即終了するタイプなので、他プレイヤーの手元や盤面をある程度意識しておく必要があります。
 ふわっとプレイしてると、「なんかいつの間にやら、気付いた時にはもう終盤だった」とかになります。
 『なにを言っているかわからねーと思うが以下略』なポルナレフ状態にならないようにね☆
3.『バビロニア』セットアップ
さぁセットアップ。
 …なんだけど、お邪魔した時にはもうセットアップしてあったというね。
 ありがとうね。
バビロニアはプレイ人数に応じてセットアップがやや変わります。
 今回は4人プレイ設定でのセットアップを。
4人プレイの場合はボードを全部使います。
 ちなみに3人プレイの場合は「北部」エリアを使用せず、2人の場合は「南部」エリアを使用しません。
 ※プレイ人数にかかわらず「川」のエリアはどちらも使用し、川マスの上にはゲーム中に派閥コマを配置することができます。
 画像左上が「北部」、右の方が「南部」です。
ボード上の青い枠が書かれているスペースに「ジグラット」と呼ばれるオブジェクトを配置します。
 その後、良くシャッフルした六角形の「都市タイル」をボード上の黄緑の枠が書かれているところに配置していきます。
 こちらもプレイ人数に応じて使用数が異なります。
 タイルは面倒なら最初から表向きで配置して行っても良いと思います。
ジグラットカードという獲得すると恩恵が受けられるものがあります。
カードってよりタイルだね…。
この、ジグラットカードの内、①~⑦と書かれたものはゲームボードの脇に並べて公開しておきます。
⑧と⑨は、選択ルールとして使用するかどうかを選択できます。
使用する場合は、上記のカードを並べる時に、一緒に並べておきます。
ジグラットカードは獲得すればそれだけで戦況をひっくり返すほどの強さはありませんが、使い方次第では非常に有用な働きをしてくれます。
各プレイヤーは自分の担当色を1色決め、該当する色の次のものを受け取ります。
・スタンド(1台)
 ・担当する色の派閥コマ(木製丸型タイル)30個
 ・得点マーカー1個
 セットアップ時に受け取るコンポーネントたち! 珍しくナチュラルカラーがあるよ!
各プレイヤーは、受け取った派閥コマをすべて伏せてよく混ぜた後、いくつかの山に分けて積みます。
 この自分の前に伏せてある未使用の派閥コマを「派閥コマの山」と呼びます。
 次に各プレイヤーは、派閥コマの山からランダムに5個引いて、自分のスタンドに立てかけます。
最後に各プレイヤーは、得点マーカーをゲームボード外周に印刷されている「得点表」の0のマスに配置します。
 (全員のマーカーを重ねてください)
 手持ちのコマは他のプレイヤーからは見えないようにこんな感じで立て掛けておきます。
担当プレイヤーのいないスタンドやコマはすべて箱にしまっておきます。
4.ゲームの流れ
まず、親プレイヤーを1人、ランダムな方法で決めます。
親となったプレイヤーが、ゲームの最初の手番を実行します。
 その手番が終了したら、次は左隣のプレイヤーが手番を実行します。
 このようにして、ゲームが終わるまで各プレイヤーは時計回りに以下の手番を実行していきます。
手番プレイヤーは次の1~3の手順を《順番に実行》しなければなりません。
 1.スタンドから派閥コマをプレイする
 2.都市やジグラットの得点計算を行う
 3.スタンドの派閥コマを補充する
 
 続けて各手順の詳細を説明していきます。
1.スタンドから派閥コマをプレイする
手番プレイヤーは、自分のスタンドから派閥コマを選んで、それをゲームボードの空いているマスに配置・公開します。
 これを「派閥コマをプレイする」といいます。
このとき、手番ごとに次の選択肢A・Bどちらかを選び、実行します。
B.農民コマを3個以上プレイする
 
 プレイする各派閥コマは、ゲームボード上の空いているマスならどこにでも配置することができます。(ゲームボードの使用しない部分は除く)
 空いているマスとは、何も配置されていないマスを指します。
 つまり派閥コマも、土地タイルも、ジグラットも配置されていないマスのことです。
手番プレイヤーは、任意の派閥コマ2個、もしくは、農民コマを3個以上プレイします。
 組み合わせのパターンは以下の通りです。
 選択肢A:役人(貴族コマ)と商人(貴族コマ)を1個ずつプレイした例
 選択肢A:神官(貴族コマ)と農民を1個ずつプレイした例
 選択肢A:商人(貴族コマ)を2個プレイした例
 選択肢B:農民を4個プレイした例
全部ジグラットや自コマに隣接してますが、別にどこに置いてもかまいません。
 自コマにつながっている必要も、ジグラットに隣接している必要もありません。
 空いているマスならどこにでも配置できます。
ただし、派閥コマをプレイする場合、以下の特別なケースでは優先して適用されるルールがあります。
【最初の手番】
 親の最初の手番(ゲーム最初の手番)では、派閥コマを1個しか配置できません。
 また、親の次の手番のプレイヤーの最初の手番は、派閥コマを2個しかプレイできません。
 つまり選択肢Aしか選べないということです。
【川マスに配置するとき】
 川マスに配置する派閥コマは、表向き(アイコンが書いてある方)にせず、裏向きで伏せて配置しなければなりません。
 川マスはボード上に「~~」が縦に3つ重なったようなアイコンで表示されています。
1.選択肢Bを選んだ場合、配置する農民コマを川マスに配置することは一切できません。
 2.選択肢Aを選んだ場合、配置する2個の派閥コマのうち、1個もしくは両方を川マスに配置してもかまいません。
 (「2」を選択した場合、農民コマを裏向きで川に配置することもできます)

【ジグラット】
 ジグラットの隣接マスに派閥コマを配置するたび、プレイヤーは即座に勝利点を獲得します。
 このとき獲得する勝利点は、その時点で「そのプレイヤーのコマが少なくとも1個以上隣接しているジグラット」の数になります。
 隣接して配置するコマは川マスでも陸マスでもかまいません。
 また、すでに自分のコマが隣接しているジグラットに新たに別のコマを配置した際にも、勝利点を獲得することができます。
少しややこしいですが、画像を見ればなんとなく理解できると思います。

隣接している「コマの数」を数えるのではなく、「ジグラットの数」を数えるといえば良いのでしょうか。
 1ヶ所のジグラットに集中させるより、1個ずつバラけさせたほうが獲得できる点数は大きくなります。
【農地タイル】
 農地タイルのあるマスは空きマスではありませんが、そこには農民コマなら配置することができます。

ただし、農民コマを配置するためには、その農地タイルに隣接したマスに自分の別の派閥コマ(貴族でも農民でもかまいません)が、少なくとも1個、先に配置されている必要があります。
 (同一の手番内で、先に農地タイル隣接マスにコマを置き、その後農地タイルに農民コマを置くということもできます。)
こうして農地タイルのあるマスに農民コマを配置したとき、手番プレイヤーはそこにある農地タイルをゲームボードから取り除きます。
 (配置する農民コマと入れ替えます)
 農地タイルのあるマスに農民コマを配置した手番プレイヤーは、勝利点を獲得することができます。
もし、取り除いた農地タイルに数字が記されているなら、その数字分の勝利点を獲得します。(上記画像の農地タイルだったなら5勝利点を獲得します。)
数字が記されておらず、都市アイコン(「青い■」)が記されているなら、全プレイヤーが保有している都市タイルの合計枚数分の勝利点を手番プレイヤーだけが獲得します。
 (自分以外のプレイヤーが保有している都市タイルがあわせて3枚、自分は2枚保有している場合、合計の都市タイルは5枚なので、5勝利点獲得します。) 
2.都市やジグラットの得点計算を行う
手番プレイヤーは、派閥コマを配置したのち、この手番に自分が配置した派閥コマによって、いずれかの都市タイルもしくはジグラットが「包囲された」なら得点計算を行います。
 もし、手番中に2つ以上の都市タイルもしくはジグラットが包囲されたなら、そのすべてのマスごとに得点計算を行ないます。
 その場合、どのマスから得点計算を行なうかは、手番プレイヤーが自由に順番を決めて実行できます。
【都市タイルの包囲】
 都市タイルに隣接する「陸マスすべて」にいずれかのプレイヤーの派閥コマが配置されたとき、その都市タイルは「包囲された」といいます。
 (たとえ隣接マスでも)川マスに派閥コマが置かれていなくても、陸マスすべてに派閥コマが置かれてさえいれば「包囲された」ものとみなします。
 しかし、川マスに派閥コマが置かれている場合、そのコマ自体は存在するものとして扱います。
都市タイルが包囲されたときは、以下の手順で得点計算を行い、該当する各プレイヤーは勝利点を獲得します。
1.貴族コマによる勝利点
 各都市タイルには、1個から3個までの貴族アイコンが記されています。
 各プレイヤーは、包囲された都市タイルに隣接するコマと、その都市タイルから自分の派閥コマだけでたどっていけるコマから、包囲された都市タイルに記されている貴族アイコンと一致する貴族コマの数を数えます。
 一致するコマがあれば、1個につき2勝利点を獲得します。

このとき、川マスに配置されている派閥コマは、自分のコマのつながりをたどる目的に用いることができます。
 しかしそのコマ自体は必ず伏せて配置されているハズなので、勝利点の対象にはなりません。
2.都市タイルの獲得による勝利点
 包囲された都市タイルの隣接マスに最も多くの派閥コマを配置しているプレイヤーは、その都市タイルをゲームボードから獲得し、表のまま自分の前に置きます。
 こうして獲得した都市タイルを、そのプレイヤーは「保有している」とみなします。
 このとき、最も多くの派閥コマを配置しているプレイヤーを判別する際、川マスに配置している派閥コマも数えます。
 都市タイルを誰かが獲得したとき、各プレイヤーはその時点で自分が保有している都市タイル1枚につき1勝利点を獲得します。
もし、隣接マスに最も多くの派閥コマを配置しているプレイヤーが2人以上いる場合、包囲された都市タイルは箱にしまい、誰も受け取れません。
 また、そうした場合は、誰も都市タイルの獲得による勝利点を獲得できません。
貴族コマによる勝利点の獲得はこの処理より前に行なわれるので、(配置さえしていれば)必ず獲得できます。
【ジグラットの包囲】
ジグラットに隣接する陸マスすべてにいずれかのプレイヤーの派閥コマが配置されたとき、そのジグラットは「包囲された」といいます。
 都市タイルの包囲と同様に、隣接マスであっても、川マスについては、派閥コマが置かれていなくても「包囲された」とみなします。
 (しかし同様に、川マスに派閥コマが置かれている場合は、それも存在するものとして扱います。)
 ジグラットが包囲されたときは、以下の要領で処理を行ないます。
まず、ジグラットの隣接マスに派閥コマを置いたら、前述の《「4.ゲームの流れ」内の「1.スタンドから派閥コマをプレイする」の【ジグラット】》で説明したとおりに勝利点を獲得します。
 そして、包囲されたジグラットの隣接マスに最も多くの派閥コマを配置しているプレイヤーは、ゲームボード脇にまだ残っているジグラットカードの中から1枚を選んで受け取り、自分の前に表のまま置きます。
もし、最も多くの派閥コマを配置しているプレイヤーが2人以上いる場合は、誰もジグラットカードを受け取ることはできません。
 ただし、都市タイルとは異なり、ジグラットカードは取り除いたりしません。
 ただ誰も獲得できないだけです。
 また、ゲームボード上のジグラットそのものは、ゲームが終わるまでゲームボードから取り除かれることはなく、ずっと元の場所に残り続けます。
3.スタンドの派閥コマを補充する
都市タイルやジグラットの包囲についての処理が(あれば)すべて終わった後、手番プレイヤーはスタンドに派閥コマを補充しなければなりません。
 スタンドの派閥コマは常に5個であるようにします。
この補充は派閥コマの山から1コマずつランダムに引いてスタンドに移すことで行います。
 ただし、派閥コマの山が尽きたときは、それ以上は補充しません。
 そのままスタンドに残っている派閥コマだけを使用して、ゲームを続けていきます。
5.ゲームの終了
冒頭で説明した通り、以下のいずれかの条件が満たされたとき、ゲーム終了です。
・ゲームボードに残っている都市タイルが1枚以下になった時。
ゲームプレイ中に獲得した得点は適宜加算されていくので、最後の得点計算などはありません。
 ゲーム終了時に最も多くの勝利点を持っていたプレイヤーの勝利です。
 「ゲームボードに残っている都市タイルが1枚以下」になりました。
6.あとがき
はぁい。
何度かプレイして「はあん都市タイル大正義やろ完全に理解したわ」。
…とかなんとか言いつつ最後の最後に都市タイルを1枚取っただけのスーパー素点プレイのみこめくんさん先生がぶっちぎり大勝利したりして大盛り上がりでした。
もうなにもわからない。
ルールの把握も慣れてる人ならそこまで問題ないレベルの量だし、プレイ時間も思ったより短く、プレイ感も軽いので気軽に何度もプレイしたくなる良作です。
(僕個人の感想です)
みこめくんが買うやつ、たまに僕にスマッシュヒットするんですよねー。
いやー楽しかった。
運の要素と戦略の部分がちょうどいい感じで、僕的にとてもおすすめです。
今回はここまでッスー。
次の記事も読んでね!
よろしくおねがいしまぁす☆
ゼクシオンと読みます。(@Boardgameguild)某ねずみの王様が登場するゲームのキャラクターからとりました。ぜっくんって呼んでね!
群馬県館林近辺で仲間とともに「館林たぬきゲーム会」というボドゲ会の主催しています。最近は「たぬきつね工務店」というサークル名でゲムマとかにも出展し始めました。どちらも良きライバルであり協力者である「みこめくん(@mi_comments)」、後方支援の「BEEさん(@MaskedriderBee)」。その他大勢の協力により成り立っています。
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