赤宮文也の机上ネクロマンシー!

TRPGの魅力! オンラインセッションのススメ

公開日:赤宮 文也

皆さん、TRPGしてますか?

こんにちは。赤宮文也です。

前回の記事では、僕の考える「こうすればTRPGがもっと楽しくなる!」について書かせていただきました。

『TRPGの魅力! 楽しいセッションのためのあれこれ』
https://t-machine.jp/web-bungei/57147/

 

今回は、TRPGを遊ぶ環境、特にオンラインセッションと呼ばれるものを中心にご紹介させていただきます。
前回同様に未経験者の方にも面白さを伝えるため、具体的な方法や手順の説明よりも「オンラインセッションはこういう点が面白い!」を伝える記事にしたいと思いますので、本記事が皆さんのTRPGに興味を持つきっかけになりましたら嬉しいです。最後までお付き合いいただければ幸いです。

なお、具体的なTRPGのはじめ方や流れについてはこちらの記事もどうぞ!

【TRPGのやり方を動画付きで紹介】初心者でも楽しめるTRPG3つのコツ
https://t-machine.jp/web-bungei/52417/

 

 

1.WEB上で何でもできる!


TRPGを遊ぼうにも時間や場所の確保が大変。毎日が忙しい現代人であればなおさらのこと。
そこでインターネットの登場です。通話やチャットを使えば遠く離れた場所でも問題なく、学校や会社が終わった後の夜寝る前でも部屋から出ずにTRPGが出来てしまいます!

TRPGを1シナリオ遊ぶことを「セッション」と呼びます。[1]音楽用語のジャムセッションが由来です。みんなで息を合わせて物語を奏でるイメージです!
インターネットを介してオンラインでセッションするのが「オンラインセッション」なのです。[2]実際に誰かの家やイベント会場で会って、紙やサイコロを使って遊ぶのは「オフラインセッション」と呼ばれます。

実際、僕自身も普段はオンラインセッションで遊んでます。夜に遊ぶことが多いので、セッションが終了したらすぐに寝れるのが大きな利点のひとつですね。

大抵のTRPGは場面説明や意思表示のための音声通話やチャット、そしてダイスの処理さえ出来れば遊べてしまいます。SkypeやDiscordを始めとした各種コミュニケーションツールでも問題ないのですが、ここではTRPGに特化したwebサービスを紹介させていただきたいと思います。

 

2.TRPGオンラインセッションツール「どどんとふ」

「どどんとふ」とはたいたい竹流さん開発のTRPGオンラインセッションツールです。
http://www.dodontof.com/index.php?option=com_content&view=featured&Itemid=101
参加者が同じ「どどんとふ」にブラウザからアクセスするだけで、一緒にオンラインセッションを遊ぶことが出来ます!
詳細は作者さんのサイトでご確認頂くとして、ここでは私が感じた「どどんとふ」の素晴らしい機能についてご紹介をしていきます。

そう、どどんとふはチャットやダイスなどTRPGに必要な基本機能だけでなく、セッションを楽しくするための沢山の機能が搭載されています。
本記事で強調したいのは「キャラクターイラストの表示」「背景」「音楽再生」機能です。セッションを大いに盛り上げ、楽しさを何倍にも膨らませてくれること間違いなしです。

雰囲気作りはTRPGにおいてとても重要です。実際に会って遊ぶオフラインセッションでも、キャラクターのイラストを描いたりBGMを流したりして雰囲気を盛り上げることはよくあります。
それを手軽に、そして効果的に成し遂げられるのが「キャラクターイラストの表示」「背景」「音楽再生」機能なのです。

 

 

3.オンラインならではの機能

どどんとふ画面
どどんとふの画面表示の一部。キャラクターの並べ方や表示の仕方は自由にカスタマイズできる。

まず「キャラクターイラストの表示」
会話や場面説明のチャット欄の上に、発言しているキャラクターのイラストを表示できます。表情の差分を変えたり、戦闘の演出をしたり、イラスト自体にギミックを持たせたりと使い道は様々。
常にイラストが表示されているので、キャラクターが「そこにいる」という感触を持ったままセッションを進めることが出来ます。オンラインセッションならではの利点の一つですね。

そして「背景」
どどんとふの画面の背景に、街や森、洞窟などの背景を表示させることが出来ます。ただ背景が変わるだけですが効果は絶大で、目の前のディスプレイの奥に世界が広がります。
例えばテレビで映画を観ているときは、たとえ部屋が散らかっていたとしても、映画に集中すると画面の枠の外は目に入らなくなりますよね? これと同じ現象が、デスクトップとブラウザでも起こります。
また、背景が変わると場面の切り替わりを印象付けられます。前回の記事で書かせていただいた「シーン制」においても大きな効果を発揮します。

「音楽再生」も重要な機能です。場面ごとにBGMを変えたり、オープニングやエンディングで曲を流すことが出来ます。
雰囲気は音楽に左右されるので、場の空気を作りやすくなります。さらに、使われる楽器に意味があったり歌詞のある曲ならば、お話にリンクさせて「物語イメージの共有」を効果的に作ることもできます。

また、テレビゲームなどで使われる技法に「情報量の調整」というものがあります。画面内の視覚的な情報量が少ないなら、BGMをメロディアスにして聴覚的な情報量で補う。画面の情報量が多いなら、BGMは環境音や背景に徹し、印象的な場面でのみ音の情報量を増やして感情を揺さぶる。昔のドット絵のゲームと最新のオープンワールドなゲームを想像すると分かりやすいと思います。
基本的にテキストで進行するオンラインセッションは視覚的な情報量が少なくなりがち。そこで音楽の情報量で補うことにより、参加者に強い印象を与えることが可能になります。
オンラインセッションでは参加者が受け取る情報のうち音楽の比重が大きいため、「場面ごとにBGMを変える」という演出の効果が強烈なのも利点の一つですね。

 

4.臨場感と本物の体験

TRPGの進行役は、参加者に臨場感を持たせるため日々苦心しています。「どこまでリアルに想像させるか」がカギになるので、どどんとふの機能は強力な武器になります。

詩の技法に「抽象から具体へ移る」というものがあります。概念的抽象的な描写から、具体的な事物や五感の描写へジャンプするもので、ジャンプの距離が長いほどパンチ力が増します。
僕自身あまり知識があるわけではないので詳しい説明は省きますが、感覚的に身近な描写や五感に訴える描写があると参加者はそれをリアルに感じます。

その「リアル」を参加者の脳内に描くための補助線として、どどんとふの機能が見事に働きます。文章だけでなくイラストや写真や音楽があることで、具体のイメージがより皮膚に切迫します。映画に集中すればテレビの外が見えなくなるように、物語にのめり込めばどどんとふ内の世界の温度や匂いを感じ取ることが出来ます。

「オンライセッション」であること自体が強力な人形劇効果を発揮してくれるのです。[3]人形劇効果については僕の前回の記事を参照いただければ幸いです。

 

5.おわりに

一般的に、オンラインセッションは実際に会って遊ぶよりも時間がかかってしまうと言われています。テキストを打ち込むのは喋るよりも時間がかかるし、相談や意思疎通も顔を突き合わせて行う方がスムーズです。

しかし、だからこそ。相手の顔が見えないからこそ物語に集中できるし、画面の枠があるからこそ引き込まれる。利便性を求めて産み出されたオンラインセッションのツールは、TRPGの魅力を何倍にも膨らませる素晴らしい働きをしてくれるのです。

もちろん、本記事内でも「うちの界隈では違う!」という部分は多々あるかと思います。出来る限り多くの方に楽しく読んでいただけるように記事を書いていますが、至らない点がありましたら「こういう考えの界隈もあるんだな」くらいに捉えていただければ幸いです。

みなさま、よきTRPGを!

脚注

脚注
1 音楽用語のジャムセッションが由来です。みんなで息を合わせて物語を奏でるイメージです!
2 実際に誰かの家やイベント会場で会って、紙やサイコロを使って遊ぶのは「オフラインセッション」と呼ばれます。
3 人形劇効果については僕の前回の記事を参照いただければ幸いです。
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