ボードゲーム遊び方紹介 第25回 あやつり人形(後編)
「あやつり人形」は何年も前にプレイしたことがありますが、コツをつかめられないままでした。デッキ成長型のゲームが好きなので、再挑戦。
場所はおなじみの神保町にあるアソビCafé(ツイッターID:@ASOBICafe)さんで、最近本記事に登場する同じ年のミステリ好き友達と試しにプレイしてきました。
年長者が親ということで、友達よりも12時間ほど先に生まれた私が親になりました。
2人プレイの場合、キャラクターカードは最初に伏せたまま1枚抜き、残り7枚から親が1枚好きなカードを取ります。それから、相手方が1枚取り、再び親が再びもう1枚取り、相手方も1枚取って、残りは脇に置きます。使用するキャラクターカードは4枚です。
相手がどのカードを選んだか推理することもできますが、お互いにそんな余裕はありません。
金貨を2個取って、建物カードを4枚引いてゲームスタート。
「1番。暗殺者。はい、私が持っています」
1ターン目、私は「暗殺者」と「司教」を選んでいました。友達がどのキャラクターカードを持っているかは分かりません。
「建築家を持っている人を飛ばします」
「ないよー」
「あれえ?」
外してしまいました。めげずに2金貨使って建物を建築しました。
「2番。泥棒」
「はーい」
友達は泥棒を持っていました。
「誰を指名しますか」
「将軍」
「持ってないです」
7人プレイでしたら外しておくカードが1枚だけなので、当たる可能性は高いです。キャラクターでなく、プレイヤー個人を指名したほうが流れは面白くなるかもしれません。
その後、「司教」を持っていても効果は発揮できず、1ターンは終了しました。
2ターン目は、金貨を貯めておきたかったので、「商人」と「建築家」を選びました。1ターン目で緑色の建物「市場」を建設していたので、お金が余分にもらえます。
デッキ型のボードゲームをプレイするときは、私は策を練らず、お金を貯めて買えるものからどんどん買っていきます。
「あやつり人形」の場合は、手元に金貨を残さないようにして、コストが低くても建てられる建物は先に建ててしまう作戦でいきました。質より量を優先し、宵越しの銭は持ちません。これは作戦というよりも、性格が関係しているのかもしれません。
一方、友達はなるべくお金を使わずに、コストの高い建物カードを集めるようにしていました。何もない低コストカードより、特殊機能のついた高コスト、さらに、キャラクターカードは攻撃型を選ぶ傾向があります。
2ターン目で友達は「王様」を選んでいたので、親も移動してしまいました。このゲーム、最初に1枚抜いたキャラクターカードの内容を知っている親のほうが、有利に働くかもしれません。子のほうは、親の目論見の裏を読む必要があります。
せっかく貯めたお金を「泥棒」に取られてたまるか!
だったら自分が「泥棒」を引いておけばいいと、後半は私も攻撃型のキャラクターカードを使うようになりました。
それが功を奏して、順調に建物を建設することができ、1回目の勝負は私が勝つことができました。友達のほうが最後のボーナス加算を狙ってプレイしていたので、危うく追い上げられてしまうところでした。
少人数だとちょっと難しいので、次回は大人数で試してみたいです。
1973年生まれ
作家。2007年に宗形キメラ名義で二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』で作家デビュー。2009年には『マーダーゲーム』で単独デビュー。近刊は「少女ティック 下弦の月は謎を照らす」(行舟文化)
ボードゲーム好きで『人狼作家』の編集も手がけ、羽住典子名義でミステリ評論活動も行っている。
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