個人主催で参加者360名!日本最大のカジュアル遊戯王オフ会「第5回AAオフ」を潜入取材
「遊戯王のカードゲームのオフ会」と聞いて、皆さんは何名ぐらいの規模を思い浮かべますか?
なんと個人主催にも関わらず、360名を集客する、個人主催の遊戯王オフ会が存在するのです。
その名はAAオフ。
今回は日本全国の遊戯王好きが、いま最も注目する日本最大規模の遊戯王イベント、第5回AAオフを取材しました。
目次
会場レポート
第5回AAオフは、浅草橋駅から徒歩1分の好立地、浅草橋ヒューリックホールで開催されました。
参加者360名、協賛企業3社は、個人主催のオフ会として国内最大規模です。
今となっては大規模なAAオフですが、最初は30名程度の小さなオフ会(※1)からスタートしたとのことです。
※1:AAオフの前身となる、城下町デュエルオフは11年前の2012年に第1回が開催された
10年以上のオフ会経験を持つ運営スタッフ
AAオフは10名以上のスタッフによって運営されています。
中には10年以上のオフ会運営経験を持つスタッフもいます。
この日もスタッフによって、丁寧な会場案内がされていたため、参加者は迷うことなく入場できていました。
今回からは、なんと有名eスポーツ実況者のオムナオトさん(https://twitter.com/OMNaoto)がスタッフとして参加、古くからの城下町デュエルの視聴者という衝撃の事実が発覚しました。
主催者・双子座さんによる開会の挨拶。
(※記事後半では主催者・双子座さんのインタビューを掲載)
お話しぶりからも「場慣れ」感があり、挨拶から注意事項などの諸連絡はスムーズです。
大勢の参加者たちの拍手の中、最高の1日がスタートしました。
お一人様大歓迎の超充実なデュエル空間
会場のどこを見渡しても、遊戯王の対戦が行われています。
閉場の18時まで、参加者たちは思う存分、対戦とコミュニケーションを楽しめます。
参加者にお話を伺ったところ、友人と一緒に参加されている方だけでなく、お一人で参加されている方も多くいました。
一人で参加しても、対戦相手に困らないのが、この大規模オフ会の魅力といえるでしょう。
AAオフ名物!超クオリティの配信台
AAオフの最大の特徴は、会場内の正面に設置された「配信台」です。
選ばれた2名が、天井カメラが設置されたスペースで対戦を行います。
会場内の大型スクリーンに映し出された対戦映像は、同時にYouTubeに生配信されています。
配信画面を見てみると、映像の乱れや音声トラブルは一切なく、個人主催と思えないクオリティです。
▼配信の模様はアーカイブで!▼
驚くことにこれらの機材は会場備え付けのものではなく、主催者さんの私物とのこと。
イベント運営会社、顔負けの設備です。
ニコニコ動画時代から界隈を盛り上げてきた、カジュアル遊戯王界のレジェンド2人が実況のエキスパートとして配信を盛り上げます。
AAオフのようなカジュアルなイベントは(競技大会よりも)使われるカードの種類が多いので、実況にも相応の知識が必要です。
20年以上続く、遊戯王OCGの全カードを把握するのは至難の業ですが、AAオフの実況陣はその知識を備えています。
参加者にとって、この配信台はインフルエンサーと対戦できる機会であり、自分のデッキを披露できる貴重な場です。
配信台の利用を希望する参加者はとても多く、すぐに定員を上回ってしまうので、事前に抽選会が実施されていました。
数々の協賛と出店ブース
個人主催のイベントとしては、異例なほどの多くの協賛がついています。
入場時には、参加者全員にエナジードリンクが配布されました。
協賛企業には、大手カードショップの姿もありました。
対戦スペースの近くに出店ブースがあり、参加者は自由にお買い物できます。
オフ会で知り合った方々が、一緒にパックを購入して、交流を深めている様子が印象的でした。
総勢8名のスペシャルインタビュー
ここからは出演者&参加者のインタビューをお届けします。
主催:双子座さん(城下町デュエル)
ーー遊戯王のオフ会を開催しようと思ったキッカケ
遊戯王OCGは(公式大会や個人CSなどの)競技的なオフラインイベントは活発ではあるのですが、競技思考ではない人たちが楽しめるイベントは少ない傾向にあります。
僕ら含め(気軽というニュアンスのカジュアルに加え)「競技以外の楽しみを開拓する」という視点でカジュアルな遊戯王をプレイする人はたくさんいます。
その人たち向けに交流できる場を作りたいと考えたのがキッカケです。
ーーどういったオフ会を目指しているか
規模はまだまだ大きくできると考えています。ネットの声や、SNS、YouTubeを見る限り、僕らと同じくカジュアルな遊戯王を楽しんでいる方々はたくさんいます。
遊戯王だけでなく、ポケモンカード、MtGなど、複数のカードゲームを交えた複合型のイベントも開けるかもしれませんし、カードゲームが好きな人たちの情熱を解放できる場として、カードゲーム版のDreamHack(※2)といえるような、大きなイベントに育てていきたいです。
※2:DreamHackとは、年間35万人以上の動員実績をもつ大規模なエンターテイメントイベント。1994年にスウェーデンで産声を上げ、当初は個人主催の小規模なLANパーティのオフ会だったが、現在では規模を拡大し、世界各国で開催されるようになった。
また、僕はカードゲームだけでなく格闘ゲームも大好きなんです。格闘ゲーム界隈は昔から個人開催のオフラインイベントが多く、大会だけでなく、カジュアルに遊ぶ場も充実していました。
カードゲーム界隈で活動していた僕はそれを横目に見ていて、羨ましかったんです。
「格ゲーと同じような文化をカードゲームに持ち込みたい」
「カードゲームも1vs1の対戦ゲームなので、同じように盛り上がれるはず」
そういった想いでオフ会を主催しています。
ーー10年間、オフ会を開催し続けて、嬉しかった事
初期の頃から、毎回参加してくれている方がいるということですね。
初参加した時は中学生だった方が、社会人になって「覚えてますか?あの時の中学生の僕です」と声を掛けてくださった方もいます。
当時、学生で参加していた人たちが、今では社会人というのが当たり前になってきています。
最初、30人程度のオフ会からスタートしたのですが、毎回、少しずつイベントのクオリティを上げてきました。みんなで協力して、ここまで継続してきたのが、報われた気がして嬉しかったですね。
ーーAAオフはどんな人におすすめできるか
復帰勢にとっては、とても参加しやすいイベントだと思っています。競技イベントは勝ち負けの比重が高いですが、このオフ会はコミュニケーションがメインなイベントです。
マスターデュエルなどをキッカケに、久々に遊戯王OCGを手に取ったものの、周りに対戦相手がいないという方にはおすすめしたいです。
マスターデュエルであればオンラインで対戦ができますが、テーブルトップのゲームだと、対戦相手は自分が用意しなければなりません。
そういったマッチングの悩みについては、僕たちに任せてほしいですね。
ーー双子座さんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
いくつかあるのですが、見たこともないようなカードの組み合わせを採用したデッキ、マニアックなカードを使ったデッキ、ビックリコンボのデッキですね。
数年前のAAオフの会場で見かけたのですが、《創星神 sophia》のデッキを使っている方がいて、そのデッキは自分の想像の範囲を超えていました。
「そんな出し方があるのか」という。
単純に儀式モンスターやシンクロモンスターを並べるだけじゃなくて、その召喚手順が美しかったり、意外性があったり、安定感もあったりして、とても印象に残っています。
バチカンさん(城下町デュエル)
ーーオフ会での一番の思い出
全ての出会いが僕にとっての思い出ですね。僕の中でのオフ会の魅力は「みんなと会えること」。
こうやって10年以上、オフ会を続けていると、当時高校生や大学生だった僕たちも大人になっていて、中にはご結婚された方もいます。
オフ会をキッカケに知り合って、今でも仲よくさせていただいている方がたくさんいます。
これまでの全ての出会いが思い出であり、オフ会を開催する度にみんなと再会できるのが、僕にとって最も嬉しい瞬間です。
ーーバチカンさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
僕に対戦を挑んでくれる方々のデッキって、どれも魅力的なのですが、あえて印象に残りやすいタイプを挙げるとしたら、昔のカード、例えば2期~4期あたりのカードを使ってすごいコンボをしてくる人のデッキは強く印象に残りますね。
(新旧のカードを上手く組み合わせたデッキには)遊戯王OCGに対する知識の豊富さや上手さを感じます。
いまの遊戯王って本当によくできていて、コンボの初動からゴール地点までしっかりレールが引かれてるテーマが多いんです。そこをあえてレールから外れて、意外なモンスターを出したり、新たな可能性を示してくれるデッキには感動しますね。
すてぽんさん(城下町デュエル)
ーーオフ会での一番の思い出
やっぱり配信台ですね。配信台にはたくさん思い出があって、一発勝負の中で、お互いにデッキが回って、ひりつくような試合ができた時はすごく気持ちいいです。
普段、YouTubeの撮影や身内と対戦するときは、ある程度はデッキのパワーが合っているので良い勝負にはなりやすいのですが、配信台で初対面の方と対戦すると、デッキのパワーにズレがあって、どうしても一方的にゲームになりがちなんです。
だからこそ、そこが奇跡的に噛み合った時はすごく気持ちいいですね。
今回の配信台も、最高の思い出の1つになりました。お互いにやりたかった動きが100%できたわけないものの、白熱のシーソーゲームになって、僕もすごく楽しかったですし、対戦相手の方にも楽しんでもらえたのではないかと思います。
▼試合の模様はアーカイブで!(※試合開始時点に遷移)▼
ーーすてぽんさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
「動きがコンパクトだけどすごいデッキ」ですね。
これは僕自身がなかなかできないことでもあるのですが、コンパクトにまとまりつつも独自性が出せているデッキには魅力を感じます。
いまの遊戯王はなんでもできてしまうので、いろんなカードを使って展開するというのは、比較的、容易ではあるんです。
複雑な動きではなく、コンパクトなんだけど新しさを感じて、短いルートで予想外のゴールに辿り着くデッキと対戦したら感動しますし「パクりたい!」と思うかもしれません。
簡潔にやりたいことを見せれるデッキというのがすごくいい。僕らも動画投稿者側も含めて、どうしてもみんなやりたいことが複雑になりがちなので。
ミソさん(ミソのデュエルのミソ)
ーーオフ会での一番の思い出
辛かった思い出でも良いですか?(笑)4年ぐらい前のことですが、自分の待ち列(ミソさんとデュエルするために参加者が順番待ちしている列)が2時間待ちになったことです。
めちゃくちゃ並んでいて、あの時はガチで大変でした(笑)
これは当時いろいろと問題になって、僕の待機列に並んでくれる参加者さん達の時間を無駄にしてしまっていると考え、対策として次のオフ会からは予約制を導入しました。
こういった施策のタイミングというのは、AAオフの転機でもあったので、いま振り返れば良い思い出になっています。
勿論、配信台での出来事はどれも思い出深いですね。
ボコボコにされたのも、気持ちよく勝ったのも、全て良い思い出です。
クオリティの高い配信台はAAオフの目玉です。会場だけで300人以上が観戦する可能性があり、生配信に来てくれる視聴者もいます。そういった緊張感のある状況で対戦する機会はなかなかありません。
ーーミソさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
上手にシステムが構築されているデッキですね。
「この3種のカードの組み合わせで、ずっとリソースが供給できる」みたいなコンボ。例えば、毎回墓地から回収できるギミックがデッキの根幹にあって、それが恒久的にデッキを回すエンジンになっているのを見せられると「なるほどな」となります。
なんか絶望するじゃないですか。「あのシナジーを突破するにはどうしたらいいんだろう…」みたいな。
ニュアンスを伝えるのが難しいのですが、盤面ロックや制圧系とはまた違うんです。
制圧型のデッキというのは、初手から最大の動きをして、1ターンで確固たる盤面を作ると思いますが、そうではなく(数ターンをかけて)デッキ内のカード全体で戦ってくるようなイメージです。
どんなに返しても返しても湧いてくるようなデッキ。
僕自身がそういうデッキを好んでいるので、似たような考え方のデッキと戦えると嬉しいですね。
ーー(上手にシステムが構築されている)デッキを組むコツとは
毎ターン使えるカードを見つけるのが出発点なのかもしれません。
モンスターだけなく、永続魔法や永続罠にも注目して「このカードの効果を毎回使えたら強いな」という発想から、それに合わせたカードを検討していく。
毎ターン同じことができる状態を目指す。
例えば、関西でオフ会を主催してるながるさんが10年近く前にやっていたのですが、リゾネーターを毎ターン場に出すシステムを構築して、《獣神ヴァルカン》で《共鳴破》の効果を誘発させながら手札に戻すというデッキ。
動きに無駄がなく、《共鳴破》は効果の発動条件を満たしつつ、自壊を免れる。次のターンからも同じことを繰り返してアドバンテージを稼いでいく。
それをやられた時「シンプルだけどめっちゃ強いな」と。
当時の僕はそこまでシステムを意識したデッキを組んでなかったのですが、多くの方のデッキから影響を受けて、今ではそういうシステムが優れたデッキが好きですね。
(そういったデッキを組むのは)今の遊戯王ではなかなか難しいのですが、コツとしては、執着点を「複数体の大型モンスターを出す」にしないことなのかもしれません。
強力なモンスターを2体以上出してしまうと、そのターンで対戦が終わってしまうのが今の遊戯王です。
打点が高く、無効効果持ちのモンスターを複数展開するのではなく(自分の動きを見せたうえで)相手も返せる余地があるほうが、オフ会では面白いのかなと。
(妨害の少ない)カジュアル環境において、展開系のコンボには際限がないので、展開力だけを売りにして、個性を出すのは限界がある。(それよりも)動きの綺麗さ、優雅さ、そういった点で差別化するのが良いかもしれません。
対戦相手とのコミュニケーションするという前提でデッキを考えることで、大量展開だけではない遊戯王の表現や、デッキ構築の楽しみ方を見つけられる気がします。
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ドリルフィールドさん(ミソのデュエルのミソ)
ーーオフ会での一番の思い出
私にとってのオフ会は、視聴者の皆さんに感謝を伝えられる貴重な機会です。自分の言葉で(感謝の気持ちを)伝えられるのが嬉しいんです。
普段、Youtubeチャンネルで生配信をしているのですが、コメントでやり取りするのと、実際に会って話すのとでは、情報の密度が違います。
私は視聴者の皆さんに生かされていると思っています。皆さんに観てもらえなかったら、この活動を続けられません。今回のAAオフでも「いつも見てます」「応援してます」と声を掛けていただきましたが、私としては「むしろこちらが助けられています」という感謝の気持ちを伝えたいぐらいです。
昔からよく遊戯王のオフ会には参加していて、以前は運営の方々に対して「開催していただいてありがとう」というスタンスでした。ただ、今となっては、私も演者側として、参加した方々に楽しんでほしいですし、「次回もオフ会に参加したい」と思ってもらいたい気持ちが強いです。
ありがたいことに「キャラや動画での立ち振る舞いが好きです」って言ってもらえることが多いので、オフ会に参加してくれた人には、自分のそういう部分を発揮していきたいんです。
正直「実際に会ってみて、ドリルさん素敵な人だった」と言われたい欲はありますね。
ーードリルさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
個人的な好みの話をするのであれば、テーマのパワーで回すのではなく、カード同士の繋がりが美しいデッキが好きです。
ただ正直なところ(オフ会においては)私に対戦を挑んでくれるだけで嬉しいんです。
数年前までは知り合い同士で「オフ会でおもろいデッキがあったかどうか」みたいな談義もしていていたのですが、今はもうデッキの内容というよりも、デッキを回す時のメンタルが大事だと思っています。
オフ会って、ワンチャンスなんです。どちらか一方のデッキが上手く回らずに決着がついてしまうことがよくある。
そういったときに、自分のデッキが回らなかったことを気にしていると、気分が沈んでしまう。(デッキを回すことだけなく)目の前の私と喋りながら、わちゃわちゃとしたコミュニケーションを楽しんでもらえれば、たとえデッキが回らなかったとしても、楽しいオフ会になります。
オフ会では、お互いのデッキのパワーバランスを合わせるのも難しいので、(ご自身が普段から使い慣れているような)気軽に回せるデッキを使ってほしいですね。
とはいえ、デッキが回らなかったときの悔しい気持ちも分かります。
今回も、オフ会終了後のお見送りでお話させていただいた視聴者さんの中にも「今日、対戦させていただいて、デッキがめっちゃ事故っちゃった○○という者です」みたい感じでお話をされる方もいらっしゃったので、やはり上手く回せなかったのが、本当に悔しかったのだと思います。
あと、オフ会に初参加するのを迷っている方々からの声として「面白いデッキがないのですが参加して大丈夫でしょうか?」や「僕は動画勢みたいなデッキとか作れないんですけど…」というのを耳にするのですが、交流が目的のオフ会において、そういう悩みは全く意味のないことですので、全然気にせずにオフ会に参加してほしいですね。
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サンダーさん(サンダー カード&ホビーチャンネル)
ーー動画インフルエンサーから見た、AAオフの魅力とは
AAオフの魅力はいろんな人と対戦できること、こういう機会はなかなかありません。
これだけの人数を集められるのは、単純に羨ましいですね。
これまでの努力の積み重ねもあると思います。あと運営陣がオフ会の運営に慣れているので、進行がスムーズなのも魅力です。
また双子座さんの企業への交渉力&営業力がすごい、よく話しかけられるなと(笑)
毎回呼んでいただいてとてもありがたいです。
ーーサンダーさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
先攻で制圧されなければ、どんなデッキでも歓迎です(笑)
というのも、一般的な交流会では、対戦相手とのデッキパワーを合わせるのがとても難しいのですが、AAオフに来る方々は、城下町デュエル、ミソデュエル、サンダー カード&ホビーチャンネルの対戦動画を見ているというのもあるので、自然とパワーバランスが合っているように思えます。
配信台でも、いつもの動画のスタイルで臨んでいて、参加者の皆さんと対戦しても、デッキパワーのズレが起きづらいのがAAオフの魅力ですね。
トトロでぇすさん(T.C.G bar Oneand 店長)
ーーT.C.G bar店長から見た、AAオフの魅力とは
いい意味で一番驚いたことなのですが、昔、オフ会で出会って対戦してくださった方が、対戦を終えて挨拶をしたあとに、周囲の方に声を掛けて、僕に対戦相手を紹介してくださったことがあるんです。
運営スタッフでもない、一般の参加者さんにもそういった考えが浸透しているのが驚きでした。オフ会に慣れている人が多いイベントなので、こういったことが起きるのだと思います。
この体験にインスピレーションを得て、自分のお店「T.C.G bar Oneand(ワンアンド)」(※3)でも似たようなシステムを取り入れるようになりました。
※3:T.C.G bar Oneand(ワンアンド)とは、南行徳駅から徒歩10分、ウィスキー好きの店長(トトロ氏)が作る本格的なカクテルやソフトドリンク、料理を楽しみながらカードゲームを遊べるお洒落BAR。お一人様での初来店でも安心して交流ができるよう、お客さん同士のマッチングシステムを導入しており、店長のトトロ氏とも対戦ができる。
ーートトロさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
デッキ自体の面白さも、勿論あるのですが、何よりも「遊戯王が好き!」という気持ちが溢れている方と対戦するのが一番楽しいですね。
原作に入り込んでくるような、テンションの高い方ですね。ファンゲームでもあると思うので、人間性の方を重視しています。「一緒に楽しもうぜ!」という感じです。
ながるさん(関西のカジュアル遊戯王オフ会主催)
ーー関西でのオフ会主催者から見た、AAオフの魅力とは
僕は関西でオフ会(大盤振る舞いオフ)を主催しているのですが、関西ではインフルエンサーがコラボしてオフ会を開くという発想がなかったので、とても勉強になっています。
また、AAオフほどの大規模なオフ会はなかなかありません。僕たちも関西でのオフ会を、同規模以上のオフ会に成長させてたいと考えているので、スタッフさんの動きや運営の仕方を勉強させていただいています。
勿論、勉強のためだけに参加したのではありません。僕自身、城下町デュエルに出演させていただいたこともあるので、関東の仲間たちと久々に会いたかったというのが大きいです。
ーーながるさんがオフ会で「戦いたいデッキ」とは
以前、オフ会で見かけた《席取-六双丸》で特殊勝利を狙うデッキはとても印象に残っています。
達成が難しい特殊勝利を目指すデッキなのですが、決してネタで終わるのではなく、しっかりと回るように作られていて感心しました。
デッキレシピからも「本気でこの環境に食らいついていくぞ」という姿勢が見られて、上手く相手の攻撃を避けつつ、やりたいことが表現されてました。
強いカードを入れて誤魔化しているのではなく、メインのギミックだけで回してるのがすごいです。また《席取-六双丸》が、相手のフィールドに移動すると、今度は相手がサイコロを振ることになるので、コミュニケーションが発生してお互いが楽しめるように作られています。
デッキコンセプトの段階で「対戦相手とコミュニケーションを取ろう」という姿勢が見える素晴らしいデッキでしたので、こういったデッキとはまた対戦したいと感じます。
引用:
次回は2024年3月9日に開催予定
現地取材を通して、強く感じたのは「全てにおいて、快適なオフ会だった」という点です。
会場の天井は高く開放感があり、テーブルは広々と利用できる贅沢空間、最寄り駅から徒歩1分の好立地、経験豊富な運営スタッフの案内、流れるような司会進行。
その全てがストレスなく、遊戯王の対戦&交流に集中できる空間づくりが徹底されていました。
参加者360名という大規模なイベントにも関わらず、何のトラブルもなく進行したのは、10年以上のオフ会経験が成せる業でしょう。
オフ会終了後、出口で応対する運営スタッフ兼インフルエンサーと挨拶を交わす参加者たちの嬉しそうな顔が、今でも忘れられません。
AAオフは遊戯王の「カジュアルな楽しみを追求する人たち」にとって、夢のような空間だといえるでしょう。
『第5回 AAオフ』
日付:2023年9月16日(土)
定員:360名
場所:浅草橋ヒューリックホール
1987年生まれ。システムエンジニア→人材コンサルタントを経て(趣味のカードゲームで世界大会に出場したことをきっかけに脱サラ)2017年にメディア業界に飛び込む。5年に渡りeスポーツの取材を続け、これまで総勢100名以上のプロゲーマー&ゲーム関係者にインタビューしている。取材記事の制作会社「KijiLife」代表 @oga_5648