デバッグ・マジック! vol.23 ~『機械兵団の進軍』編~
いよいよ今週末、4月21日 (金) には新セット『機械兵団の進軍』が発売となる。
とはいえ、強力な過去キーワードである「召集」の復活や、どこまでも未知数な新カードタイプ「バトル」もあり、モダンへの影響という意味ではなかなかに読めない部分も大きい。
というわけで発売にいち早く備えるべく、発売前時点でのモダン環境の最新の動向を追いつつ、発表された新カードを使ったデッキに早速トライしていこう。
1.青赤ラガバンの低下と続唱系勢力の再起
2023年3月~4月にかけてのモダン環境は、以下のようなメタゲームで展開していた。
Tier God (12%) |
Tier 1 (7~10%) |
Tier 2(3~6%) |
注目すべきトピックとしては、「青赤ラガバンの1~2%後退」と「続唱系勢力の再起」があげられる。
先月までは13%台後半、14%にも届こうというシェアだった「青赤ラガバン」だが、この1ヶ月間は入賞率を明確に落としていた。反対に勢力を伸ばしたのが「ティムール続唱」で、「死せる生」もそれに追随するようにTier 3以下に落ちていたのが最近は回復傾向にある。
Tier 1以上のデッキ間での明確な相性差はサイド次第といった具合でそこまでないので、基本的にはメインの差し替え可能な1~2スロットの流行度合いに基づく一時的な変化であるという前提だが、「ティムール続唱」側が「青赤ラガバン」の《仕組まれた爆薬》+《狼狽の嵐》サイドを前提とした《濁浪の執政》型に大きく舵を切ったことが奏功の要因なのではないかと考えられる。
《レンと六番》《鏡割りの寓話》《死の国からの脱出》などの流行は「ティムール続唱」にとってはリソース交換のゴールを一方的に持たれているのと同義であり、とはいえ「バーン」や「ストンピィ」的な攻撃的なコンセプトと「続唱」によるデッキ構築の制約上、もとより低コストでのダメージソースの追加は悲願であった。そこにきて環境全体の墓地へのガードが下がったタイミングで《濁浪の執政》という追加の切り札をねじ込めたことが、短期間での入賞率増加につながったのではないかと思われる。
とはいえもちろんこの構造が露わになればそもそも墓地へのガードが上がると考えられるので、直接的な被害が大きい「死せる生」はもちろん「ティムール続唱」もそのままの形で勝ち続けられるわけではないだろう。しかし続唱系とは本来メタゲームに対してそのような立ち位置のデッキ群であり、また「ティムール続唱」というデッキタイプ自体のポテンシャルからしても、おそらく少なくとも上下2~3%の変動区間で今後も上位メタを維持し続けられるのではないだろうか。
Modern Challenge 2023-04-01, 2nd Place, 7-0
プレイヤー:Trellon
1《街並みの地ならし屋》
3《仕組まれた爆薬》
1《罠の橋》
1《真実の解体者、コジレック》
1《液鋼の塗膜》
1《隔離するタイタン》
2《石の脳》
1《思考のひずみ》
3《歪める嘆き》
1《ワームとぐろエンジン》
以前は「先手3ターン目《解放された者、カーン》はクソゲー」「《ウルザの塔》は禁止しろ」などのヘイトを集めていた通常の「トロン」だが、今や高速化したモダンの中では「まあでもこっちが先手なら無抵抗のまま撲殺できるし」「サイド含めたらまあ言うてそこまでじゃなくね?」といった程度の、「健全にメタゲームの一角を構成するデッキ」となった。
もちろんそれがゆえに《高山の月》などの直接的なメタカードをサイドに3枚も4枚も積まれなくなったことによる相対的なポジションの上昇はあるが、それでも「後手2ターン目までに対戦相手に干渉することが必要」というモダン環境の基本的なラインからすると、同じ土地コンボの中でより高速なアミュレットですらTier 2にとどまっている現状、上位Tierに常駐できるほどの力はないと思われる。
さてそうなれば、「じゃあ干渉できるトロンを作ったら最強では???」という思想に至るのは当然だろう。そうしたコンセプトを持つのが《陰謀団の貴重品室》を主軸に据えたこちらのデッキで、純粋な土地コンボという殻は脱ぎ捨てた結果、コントロール+ビッグマナといった分類になっている。
黒単にもかかわらず手札破壊を1枚も採用していないことからもわかるように徹底したボードコントロールとなっており、モダン特有の幅広いアーキタイプに対抗するための繊細な受け手の違いは《絶望招来》と《大いなる創造者、カーン》の対応力頼みだが、オールインコンボがほぼ駆逐されている現在のモダンにおいては意外と有効なアプローチであり、新興アーキタイプでまだまだ発展の余地がありそうな部分も含めて、今後もさらなる活躍が期待できそうだ。
Modern Challenge 2023-03-31, 2nd Place, 6-1
プレイヤー:shoktroopa
「干渉できるトロン」のコンセプトは実は《陰謀団の貴重品室》コントロールよりはるか以前、それこそコンボデッキとしての「トロン」がモダンに登場するよりも早くから既に存在していて、それがこちらの「青単トロン」である。
といってもshoktroopaというプレイヤーのほぼ専用機で、『モダンホライゾン2』による強化もない上に黒単と違って完全除去はほぼ積めないために3枚の《歩行バリスタ》など《敏捷なこそ泥、ラガバン》の対処に苦心した跡も見られるなど、現在のモダン環境に必ずしも適応できているとは言い難い側面もある。
しかしそれでも1人の人間がこのコンセプトに長い時間を投じて練り上げた渾身の75枚であることに変わりはなく、またフェアな戦いにおいては無類の強さを発揮しうるコンセプトでもあるため、理不尽なコンボが死滅した今こそその英知の一端に触れてみる価値はあるかもしれない。
Modern Challenge 2023-04-08, 1st Place, 6-0
プレイヤー:Snow_Schwartz
4《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》
4《傲慢な新生子》
4《ヴォルダーレンの美食家》
4《楕円競走の無謀者》
3《通りの悪霊》
4《引き裂かれし永劫、エムラクール》
1《骨の破片》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
3《火炎の襲撃》
2《激情》
1《機能不全ダニ》
1《虚無の呪文爆弾》
2《万物の姿、オルヴァール》
1《真髄の針》
1《影槍》
2《思考囲い》
「リアニメイト」と聞くと「デカブツの蘇生」という1つのことだけをやるデッキに思われるかもしれないが、モダンで《御霊の復讐》を使ったリアニメイトの場合は、レガシーの《再活性》《動く死体》と違って《御霊の復讐》が4枚しか積めないために、前回の「御霊アトラクサ」のようにハイブリッド系のコンセプトとなることが多い。
そのバリエーションであるこのデッキは、4枚ずつの《御霊の復讐》《引き裂かれし永劫、エムラクール》「以外」はすべて基本的にはフェアなコンセプトである《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》のデッキのパーツで構成されており、「《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》と《ウルザの物語》で攻めて相手が隙を見せたらコンボを決める」という構造となっている。
除去やカウンターを構えただけで防げるように見える《不屈の独創力》のデッキがなぜここまで上位Tierに上り詰めたかというと、《レンと六番》と《鏡割りの寓話》によるフェアなボードコントロールとしての振る舞いで能動的にプレッシャーをかけ続けられるからこそであり、それ以前にそもそも《否定の力》と《孤独》がカードプールに揃ってしまった時点でオールインに振った場合のバリューもたかが知れてしまっている。だとすれば《御霊の復讐》の場合も同様の結論に至るのは自然だろう。現代モダンにおけるコンボデッキというものは、「フェアデッキの殻にワンポイントでコンボを差す」というのが最適解になりやすいようだ。
2.『機械兵団の進軍』でバグを探そう
『第8版』から始まるモダンのカードプールは年々拡張し続けており、もはやプレイヤーがすべてを見通すのは不可能だ。
だがそれは、カードをデザインする側にも同じことが言える。わずかコモンの1枚、あるいはたとえレアを1枚作る場合であっても、過去に存在したあらゆるカードとのシナジーを監視して作れるわけではない。
ということは、そこにバグが生まれる隙がある。
そしてデッキビルダーとは、そのバグを利用してデッキを作る達人なのだ。
デザイナーのチェックを漏れた新鮮なバグを求めて、今回も新カードをデバッグ (発見・解明) していくとしよう。
《ヤーグルとムルタニ》
読者諸君、バスケットボールは好きだろうか???
突然の話題転換を目の前にして「これはTCGであるマジック:ザ・ギャザリングの記事ではなかったのか???」と思われるかもしれない。だがマジックとバスケとは密接な関係にある。「バスケットボールを目指したコンセプトは良いデッキになる」という因果関係がそこはかとなく観測されているとの噂がなきにしもあらずだからだ。
そして『機械兵団の進軍』には、バスケットボールにぴったりのカードが存在していた。
《ヤーグルとムルタニ》。何の能力も持たない18/6のバニラではあるが、この18という数字は《セラのアバター》などの特殊な例を除けば、《動じない大ワーム》を抜いてモダンで過去最高のパワーなのである。
では、この新たなボールを使ってどんなダンクシュートを決めればいいだろうか?
すぐに思い浮かぶのは《クラガンウィックの死体焼却者》だろう。《動じない大ワーム》で16点ダンクを決めるデッキはローグとしては既に存在していた。ならばそれを18点ダンクにアップデートすればいいだけのようにも思える。
だが、《クラガンウィックの死体焼却者》で確実にダンクを決めるためには手札を《ヤーグルとムルタニ》だけにする必要がある。そして、《ヤーグルとムルタニ》以外のカードが毎回綺麗に使いきれるわけではない。特にダンクを決めるターンの通常ドローはコントロールがきかないため、そのタイミングでもし仮に2体目の《クラガンウィックの死体焼却者》などを引き込んでしまうと、最高でも成功率50%のギャンブルになってしまう。
つまりシュートの成功率が低いのだ。そしてこれは2万本のジャンプシュート練習をしたとしても解決できる問題ではない。
そこで私は考えた。《クラガンウィックの死体焼却者》は確かに神奈川でも随一のセンターかもしれない。だが必要なのは全国一のセンターであると。
その答えは、すなわち。
《モルグの噴出》を使えばいいのでは???
そう、これこそ王者・山王工業だ。
《モルグの噴出》は墓地に《ヤーグルとムルタニ》がある状態で唱えることができればそれだけで18点ダンクを決めることができる。しかも《クラガンウィックの死体焼却者》と違ってシュートの成功率は100%。このスペック、もはやほぼ沢北と言っても過言ではない。
だが問題が1つあった。これはバスケではなくマジックなので、16点だろうと18点だろうと20点に届かない限りゲームに勝つことはできないのだ。
とはいえ16点から20点にするのは骨が折れるが18点から20点にするのはそう難しいことではない。フリースローを決めればいいのだ。
そう、すなわち。
《這い寄る恐怖》だ。
《モルグの噴出》で《ヤーグルとムルタニ》という特定のカードを拾おうとする時点で、デッキには《不可思の一瞥》などの強力な墓地肥やし呪文を搭載することは決まっている。ならばそこに《這い寄る恐怖》を入れておけば、墓地肥やしの過程で勝手に墓地に落ちて実質カウント1スローによるフリースローで合計20点オーバーのダンクが達成できる。
しかもイラストを遠目でよく見て欲しい。フードをつかむ手が段々「左手はそえるだけ……」に見えてこないだろうか???
《モルグの噴出》が4枚だけだと引き込むのが大変なので、デッキが墓地肥やしの構造をとることを生かして《災厄招来》を入れておけば、墓地に落ちた《モルグの噴出》をしかも1マナ軽く唱えることができる。
また、《第三の道の創設》は墓地肥やししながら《災厄招来》や《モルグの噴出》を墓地から唱える助けになってくれる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《島》
1《山》
3《血の墓所》
3《蒸気孔》
4《血染めのぬかるみ》
4《汚染された三角州》
4《沸騰する小湖》
4《面晶体のカニ》
4《ヤーグルとムルタニ》
4《秘本掃き》
4《不可思の一瞥》
4《這い寄る恐怖》
4《災厄招来》
4《モルグの噴出》
4《第三の道の創設》
4《睡蓮の花》
4《五元のプリズム》
5マナとか6マナの呪文1枚カウンターされたら即死ってデブすぎでは???
こんなデッキでは全国エース級のポイントガードである《敏捷なこそ泥、ラガバン》が縦横無尽にコート上を行き来するペースについていけるはずもない。というか冷静に考えて《対抗呪文》すらも普通に使えるモダンにおいて5マナソーサリーでダンクして勝とうというのはさすがに虫が良すぎた。《モルグの噴出》は沢北ではなく河田弟。
だが、ここで私は新たなアイデアに気が付いてしまったのである。
もう《御霊の復讐》で投げれば良くね???
そう、ハーフラインからの18点シュートである。これなら最速2ターン目からのダンクが狙える。
ただ《ヤーグルとムルタニ》にはトランプルすらもないので、これだけだと適当なディフェンスにぶつかってオフェンスチャージングがとられて1点も入れられず仕舞いになってしまう。
そこで「ドリブルこそカエルの生きる道なんだよ!」と言いながら《巧みな回避》を墓地から「フラッシュバック」することでディフェンスを華麗にすり抜けて18点ダンクを決められるようになるのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
2《島》
2《沼》
4《闇滑りの岸》
4《涙の川》
4《清水の小道》
4《湿った墓》
1《臭い草のインプ》
4《ヤーグルとムルタニ》
1《変幻影魔》
4《否定の契約》
4《秘本掃き》
4《巧みな回避》
2《異世界の凝視》
4《御霊の復讐》
4《不可思の一瞥》
4《這い寄る恐怖》
4《第三の道の創設》
4《叫び角笛》
なぜオレはこんな無駄な時間を……。
18点ダンクを決めるためとはいえ、本来《御霊の復讐》と《ヤーグルとムルタニ》の2枚コンボだけで成り立つはずだったところが、18/6バニラの攻撃を通すために《巧みな回避》と、さらに足りない2点を埋めるために《這い寄る恐怖》まで必要になっただけでなく、《死体の爆発》の場合には必要なかったクリーチャー除去の回避のための《否定の契約》までも入れざるをえなくなった時点で、いつの間にか5枚コンボという実質エクゾディアと化してしまっていた。
いや、スラムダンクを目指した時点でこうなることは確定していたのかもしれない。この5枚コンボは、すなわち湘北高校の5人のレギュラーを表していたのだ……したがって、結論として言えることは一つだ。
「THE FIRST SLAM DUNK」を見ろ。
《碑出告と開璃》
読者諸君、バスケットボールは好きだろうか???(2回目)
薄々気が付いた方もいるかもしれないが、『機械兵団の進軍』というセットは実はマジックをさせにきていないセットである。じゃあ何をさせにきているかというと、「バトル」の外観からボードゲームをさせにきたセットのように見えるかもしれない。だが違う。答えはバスケなのである。
《碑出告と開璃》(※日本語版はカード名のミスがあるが「開璃」が正)。登場時に《渦まく知識》ができて、死亡時にライブラリートップのマナコスト分のダメージが入る上に、それがインスタントかソーサリーならタダで唱えられるという豪快な能力の持ち主だ。
だが、ここで重要なのは「マナコスト分のダメージ」という部分ではない。いや、正確にはそこも確かに重要だが、「じゃあ《引き裂かれし永劫、エムラクール》めくろう!」だと「それなら《計算された爆発》でいいじゃん」となってしまう。
注目すべきは《碑出告と開璃》の能力が持つ唯一無二性だ。《碑出告と開璃》は「コスト分のダメージを与えながら」「インスタント・ソーサリーが踏み倒せる」唯一無二の能力を持っている。
では何をめくればいいのか?
ここでそのカードを仮にAとおき、Aが持つマナコストをXとしよう。そしてAが仮に「Aは対象のプレイヤーにY点のダメージを与える。」というテキストを持っていると仮定する。
ならば「X+Y=20」の条件を満たすカードを唱えればいいのではないか???
そのカードとは、すなわち。
《爆発的特異性》をめくったら20点シュートなのでは???
そう、ハーフラインどころかもはやコートの反対側からのダンクである。
とはいえ《碑出告と開璃》の「マナコスト分ダメージ+インスタントソーサリー踏み倒し」能力は死亡時にしか誘発しないため、5マナの《碑出告と開璃》を「着地させた」上で「何らかの方法で死亡させる」という2つの手間が必要となってしまう。
だがそこで《御霊の足跡》や《裂け目の突破》のように場に出した上で生け贄に捧げられるカードを使うことで、ラン&ガンでボボォン!することができるのである。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
2《島》
1《山》
1《沼》
1《血の墓所》
1《蒸気孔》
1《湿った墓》
4《血染めのぬかるみ》
4《汚染された三角州》
4《沸騰する小湖》
1《天上都市、大田原》
1《血に染まりし城砦、真火》
4《敏捷なこそ泥、ラガバン》
4《碑出告と開璃》
4《不敬な教示者》
4《一攫千金》
3《考慮》
4《染みついた耽溺》
4《御霊の足跡》
4《プリズマリの命令》
4《裂け目の突破》
4《爆発的特異性》
安西先生……《御霊の足跡》が8枚欲しいです……
「3マナだけど《碑出告と開璃》が墓地に必要」な《御霊の足跡》と「5マナだけど《碑出告と開璃》が手札に必要」な《裂け目の突破》とでは当然ながらスピードも最適なドロー呪文も異なってしまうので、湘北に仙道が入ったかのようなチグハグさがどうしても拭えなくなってしまうのだった。「それでも仙道なら……!」とはならないのがマジックというゲームの難しい部分なのである。
《デジェルとハゾレト》
読者諸君、バスケットボールは好きだろうか???(3回目)
ここまでの段落は18点とか20点とか無闇やたらと大きなボールを対戦相手の顔面にぶつけて楽しんでばかりだったが、ここではまた少し違ったバスケができる新カードを紹介しよう。
《デジェルとハゾレト》。攻撃時に上6枚から伝説のクリーチャーを召喚できるこの能力には、夢と希望が詰まっている。
何せどんな大型クリーチャーであっても6枚の中にありさえすればコストに関係なく場に出せるからだ。
となれば、組み合わせるべきはやはりこいつらだろう。
エルドラージ三神を全員同時にデッキにぶち込めるのでは???
そう、大型外国人選手の起用である。
バスケットボールは身長ゲーだ。その点エルドラージたちはサイズという意味では申し分ないし、それ以上に攻撃時には「滅殺」で相手の実家まで燃やし尽くす荒くれどもなので、相手チームの戦意を根こそぎ折ってくれること請け合いだ。
《デジェルとハゾレト》への速攻付与手段としては恒例の《裂け目の突破》に加え、同時にマナジャンプも可能にしてくれる《発生器の召使い》が最適だろう。
ただこれだけだと《デジェルとハゾレト》がいないときにもエルドラージたちがどんどん手札に集まってきてこっちの実家も危ないので、《太陽の拳》も採用することでエルドラージたちの社会復帰を支援しておけば安心だ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
デッキビルド:まつがん
1《平地》
4《宝石鉱山》
4《真鍮の都》
4《マナの合流点》
4《反射池》
1《産業の塔》
1《燃え柳の木立ち》
1《耐え抜くもの、母聖樹》
1《皇国の地、永岩城》
1《天上都市、大田原》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》
4《発生器の召使い》
4《デジェルとハゾレト》
4《真実の解体者、コジレック》
4《無限に廻るもの、ウラモグ》
4《引き裂かれし永劫、エムラクール》
4《発生器の召使い》
4《デジェルとハゾレト》
4《真実の解体者、コジレック》
4《無限に廻るもの、ウラモグ》
4《引き裂かれし永劫、エムラクール》
第3Qまでマグロじゃねーか!こんなん「ウソのように」じゃなくて当たり前にボロ負けするわ!
大型外国人で補強したとしても元が弱いチームでは勝てない……それがスポーツの厳しさというものなのである そもそもルールが違うゲームしてるからだけど。
3.終わりに
『機械兵団の進軍』は環境という目線ではモダンにそこまで大きな影響は与えないと思われるが、反面カジュアル的にはかなり楽しそうなセットと言える。
5月12日には初のエピローグ・ブースターとなる全50種類と少なめの『機械兵団の進軍:決戦の後に』が発売となる。そこではどのような新カードが待ち受けているのか、今から楽しみでならない。
ではまた次回!
クソデッキビルダー。独自のデッキ構築理論と発想力により、コンセプトに特化した尖ったデッキを構築することを得意とする。モダンフォーマットを主戦場とし、代表作は「Super Crazy Zoo」「エターナル・デボーテ」「ステューピッド・グリショール」など。Twitter ID:@matsugan
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