【買取実績】集英社/りぼんデラックス 1975年創刊号~1977年夏の号
70年代中盤から80年代初頭にかけての集英社の少女マンガ雑誌「りぼん」の付録各種と、別冊である「りぼんデラックス」全11号のうち8冊をお譲りいただきました、ありがとうございます!
1955年に創刊され、現在も発行されている集英社の月刊誌「りぼん」。太刀掛秀子、田渕由美子、陸奥A子などの王道的少女マンガ昭和50年代の少女マンガブームをけん引。先述の作家の主人公は中学生~高校生が主人公の作品が多く、それらと同時に『砂の城』ほか一条ゆかり作品が展開されるなど、背伸びしたい年頃の乙女心をつかんでいました。
80年代に入ると小倉冬美や萩岩睦美の安定した連載陣に加え、アニメにもなった『ときめきトゥナイト』(池野恋)や『星の瞳のシルエット』『耳をすませば』(柊あおい)、『お父さんは心配性』(岡田あーみん)など、多彩な作品を続々発表。『ちびまる子ちゃん』も86年に連載開始しています。
1990年からアニメ化された『ちびまる子ちゃん』(さくらももこ)は国民的ヒット作となり、この時期掲載誌であった「りぼん」の部数も躍進します。これは少女誌に限らず少年誌もですが、90年代以降のコミック誌はアニメ化作品の多さや人気が雑誌の売れ行きに連動する時代になっていきました。
「りぼん」からも多くの作品がアニメ化されますが、スマッシュヒット止まりであったり通好みな作品が多かった印象です。また、この時期の同誌は『ちびまるこちゃん』のヒットに引きずられるかたちでやや低年齢向けで、ハイエイジ向けの作品はもっぱら「りぼん」から派生した別冊系などで発表されることが多かったようです。
ただしその傾向はライバル誌でも同様でしたし、80年代以降はレディースコミックがその役割を担うことも多くなっています。ただし「りぼん」本誌が単に低年齢層化したわけではなく、あえてそうした枠の中だからこそできる『こどものおもちゃ』(小花美穂)のような骨太な内容の作品もありました。
ただ、「りぼん」の特徴として70年代連載の『デザイナー』が2005年『砂の城』が1997年、80年代作品の『お父さんは心配性』が1994年と連載終了から時間をおいてドラマ化されるケースが多くあります。時代を越えても古びない普遍性のある作品群が多かったと言えるかもしれません。
さて、そんな「りぼん」の長い歴史の中から1975年に派生したのが「りぼんデラックス」です。発行は季刊ペース、本誌人気作品の総集編や再録をメインに、ベテランや新人作家を織り交ぜて収録するスタイルだったようですね。
最初の2号は一条ゆかり『デザイナー』の総集編前後編、3号目の人気漫画家デビュー作特集もなかなか資料性の高い特集ですね。以降は本誌の人気作家の特集として、読み切り作品の再録などが行われていたようです。一条ゆかり描く表紙の雰囲気をご覧になっても判る通りかなり高めの年齢層がターゲットで、キャッチフレーズも「おしゃれな少女ためのハイクラス・マガジン」から、「おしゃれなティーンのためのハイクラス・マガジン」と変化しています。
残念ながら「りぼんデラックス」は78年に11号で終了しますが、「マーガレット」の妹誌「プチ・マーガレット」と合流するかたちで新雑誌「ぶ~け」となって新創刊します。「マーガレットをりぼんで束ねたブーケ」という誌名の由来もなかなかおしゃれですね。A5判型や両誌の人気作品が再録されるなどのスタイルを引き継いでいます。もちろん独自連載でも人気作・話題作を輩出。90年代前半に連載された『船を建てる』は、年齢・性別を問わず多くの読者の胸に突き刺さる作品でした。作者の鈴木志保は後にNHK人形劇のキャラクターデザインなども手掛けています。
今回あわせてお譲りいただきました付録版の『あのころの風景』は「ワイド版りぼんDELUX別冊」とありますが、本誌の81年2月新春特大号の付録。「ぶ~け」創刊後も「りぼんDELUX」の名前はこのようなかたちで使用され続けていたようです。
「りぼん」の歴史を作った……というよりも俯瞰し振り返る役割を担った「りぼんデラックス」。70年代後半の人気作品の傾向を知るにも最適な資料ともいえるでしょう。
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商品カテゴリー | 少女漫画/付録 |
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ご依頼地域 | 石川県金沢市 |
買取方法 | 宅配買取 |
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