【MtGエターナルのススメ】イコリア発売!相棒がレガシー環境に与える影響とは!?
皆さんこんにちは。ラマダーン柿沼です。
先週とうとうイコリアが発売しましたね!皆さんも期待したイコリアのカードをデッキに組み込みアップデートをしている最中だと思います。
今回はそんなイコリアよりレガシー環境に影響を与えた新カードについて何枚か紹介していきたいとおもいます。
深海の破滅、ジャイルーダ
デッキに偶数のマナコストしか入れないことを条件にした相棒[1] … Continue reading持ちの6マナ6/6クリーチャー。CIP能力[2]場に出た際に誘発する能力の総称。で互いのライブラリーを上から4枚削りその中より偶数のクリーチャーを1枚選び場に出せます。
相棒であれば安定してキャストが可能ですが、その条件により奇数マナ(1マナ)のマナ加速が採用できません。その為一見採用が難しそうにみえますが、MTGのルール上0マナは偶数であるというルールにより0マナのマナ加速は《深海の破滅、ジャイルーダ》にとって最高に相性の良いものになります。
(04/18/2020)
DECK DESIGNER:SORA1248
中でも最も強力なマナ加速が、《ライオンの瞳のダイアモンド》(LED)です。このカードはハンドを捨てるかわりに3マナを捻出することのできるアーティファクトなのですが、ゲーム外からキャストできるジャイルーダにとってはデメリットの無い0マナ3点のマナ加速になります。
その為、5マリガンでもハンドにLEDが2枚あれば1ターン目に《深海の破滅、ジャイルーダ》をキャストすることが可能です。
また紹介したデッキの内容では《灯の分身》や《幻影の像》といったコピークリーチャーや、《修復の天使》をはじめとしたCIPでブリンク能力[3]場に出ているパーマネントを一時的に除外する能力。自軍のCIP能力を使いまわしたり、相手のトークンを除外したりと様々な使い道がある。を持つクリーチャーを採用することで《深海の破滅、ジャイルーダ》のCIP能力をループすることが可能です。
特に《灯の分身》の様な伝説タイプをコピーしないコピークリーチャーやCIPブリンク誘発持ちのクリーチャーは、盤面に残り続ける為、最終的に《龍王コラガン》から全員速攻付与された複数の速攻持ちクリーチャーでゲームを決めることができます。
《深海の破滅、ジャイルーダ》デッキの強みは爆発力、安定性に優れている点です。上記の通り5マリガンから1ターンキルを狙える爆発力と、相棒から常にキャストを可能にする安定性は驚異になります。
加えて、《深海の破滅、ジャイルーダ》のCIP能力は《虚空の力線》や《外科的摘出》といった従来の墓地対策が通用しないことも強みに挙げられます。
発売当初のMOでは《虚空の力線》が効く仕様になっていましたが、CIPのリアニメイト能力はライブラリー上の4枚の中から偶数マナクリーチャーを選んで出すという効果であり、墓地から選んで出す効果ではないため、その4枚が墓地になくとも追放領域から出すことができます。
また、ライブラリーを削る能力とリアニメイト能力は同時に解決される為《外科的摘出》を差し込むタイミングもありません。
《墓掘りの檻》は《深海の破滅、ジャイルーダ》に有効であるが、《虚空の力線》《外科的摘出》等は効果がない。
対抗策としては《絶望の力》、《応じ返し》や《精神壊しの罠》が挙げられます。どれもピッチスペル[4]マナを使わずにキャストが可能な呪文の総称。有名なカードとしては意志の力や目くらましなど。なので後手でもきっちり対応することが可能です。
また《精神壊しの罠》はストーム系デッキにサイドインが期待できる擬似カウンターですが、コンボデッキである同型ジャイルーダに対しても例外ではありません。《精神壊しの罠》は対象の全ての呪文を追放できる為、《魂の洞窟》経由で出てきたジャイルーダに対しても対処が可能です。しかしピッチスペルで打つ為には相手が3回以上スペルを撃つ必要があるため過信は出来ないでしょう。
2回目までのキャストでジャイルーダを出されたり、《否定の契約》のバックアップからジャイルーダをキャストされる可能性もある為注意しましょう。
とはいえ《剣を鍬に》や《紅蓮破》と言った除去でも止まる為、対応策は数多に存在することも事実です。
また墓地対策では《墓掘りの檻》が有効ですが、《墓掘りの檻》と《安らかな眠り》が同時に存在している場合は注意が必要です。
墓地に落とした4枚のカードは《安らかな眠り》の置換能力[5] … Continue readingで墓地には落ちずゲームから除外されますが、4枚のカードの中から偶数のマナコストのクリーチャーが場に出る能力は《安らかな眠り》により置換されたゲーム外から選ばれる為通常通り場に出てくる事は留意しておきましょう。
黎明起こし、ザーダ
デッキ内のパーマネントカードが全て起動型能力持ちが条件の相棒能力を持った3マナ3/3クリーチャー。マナ能力以外の起動型能力のコストが2少なくなる常在型能力と1マナタップで対象のクリーチャーをアンブロッカブル[6]ブロックされない能力やクリーチャーの総称。レガシーで有名なものは荒廃の工作員や真の名の宿敵が挙げられるにする起動型能力持ち。今回、ザーダを採用したサルベイジャーコンボが入賞しました。
(04/18/2020)
DECK DESIGNER:ZYURYO
サルベイジャーコンボには元々多くの起動型能力を持ったアーティファクトが多く採用されており、《黎明起こし、ザーダ》 はサルベイジャーコンボに難なく採用が可能でした。
従来のこのデッキは《オーリオックの廃品回収者》と《ライオンの瞳のダイアモンド》から有色無限マナを揃えて、《歩行バリスタ》の無限ダメージや《僧院の導師》から無限パンプや無限トークンでフィニッシュを決めるコンボデッキです。
一方、《黎明起こし、ザーダ》は《厳かなモノリス》と《玄武岩のモノリス》を揃えることで無色無限マナを発生させることを可能としました。上記のデッキは相性の良いこれらのパーツをハイブリッドすることで新しいコンボデッキとして生まれ変わったものです。
ザーダコンボの始動には《厳かなモノリス》なら2マナ、《玄武岩のモノリス》なら1マナで始めることができ、コンボ始動に対してザーダへ除去を撃とうにも浮きマナの数により解決前に無限マナを揃えることも可能です。
このようにザーダコンボは元々のサルベイジャーコンボよりキルターンが早く、かつ相棒能力により実質、《厳かなモノリス》か《玄武岩のモノリス》を1枚揃えれば成立する1枚コンボと言っても過言ではないという驚異的な安定性とスピードを可能としました。
更にデッキをハイブリッドにするメリットはチャリスに対する耐性を上げることにもありました。
元来のサルベイジャーコンボでは相手の《虚空の杯》X=0がクリティカルで、メインでは《大いなる創造者、カーン》の+能力でクリーチャー化する以外にありませんでしたが、ザーダ採用型のサルベイジャーコンボではコンボに必要なマナコストが0.2.3.4とばらけている為相手の《虚空の杯》はあまり苦にはならないようになりました。
またザーダはコンボパーツの1枚である《歩行バリスタ》とも相性が良く、2マナで+1/+1カウンターを増やせるようになるため、大量に採用された2マナランドから毎ターンパンプアップ[7]クリーチャーのサイズを挙げることや能力の総称。歩行バリスタの+1/+1カウンターを乗せる能力や、巨大化等のスペルがこれに当てはまる。からのティム能力で盤面制圧も容易になりました。
デメリットとしては相棒の制約により《虚空の杯》と《僧院の導師》が採用できなくなってしまった点です。《虚空の杯》は対コンボやデルバーに対しての牽制、《僧院の導師》はコンボパーツ兼単体でフィニッシャーになれるカードでした。
このためザーダ採用型のサルベイジャーコンボでは相手の行動への干渉が薄い点とゲームを決める方法がコンボに強く依存している点がウィークポイントになります。またコンボ自体がアーティファクトに強く依存しているため、従来のサルベイジャーコンボより《無のロッド》や《溜め込み屋のアウフ》がよりクリティカルなものになっています。
夢の巣のルールス
デッキ内のパーマネントを2マナ以下に制限する相棒能力持ちの3マナ3/2絆魂持ちのクリーチャー。常在型能力で各ターンに1回のみ墓地の2マナ以下のパーマネントをキャストすることが可能です。
レガシーでは2マナ以下のパーマネントでデッキを組む事は容易なため、多くのデッキで《夢の巣のルールス》の採用が実現しました。
今回紹介するのはルールス採用のジェスカイデルバーです。
(04/19/2020)
DECK DESIGNER:JPA93
特徴はメインからカウンター+《翻弄する魔道士》と《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》2種類計4枚のヘイトベアー[8] … Continue readingを採用することでコンボデッキに対してガードを上げている点です。
また《夢の巣のルールス》を採用するに当たりアドバンテージを安定して確保する為に《ミシュラのガラクタ》も採用されています。
ルールス以外では上記のヘイトベアーが目を引くジェスカイデルバーなのですが、1枚のみ採用されたルールスの存在は様々なデッキに対して強力に作用し、元来のテンポデッキの様にも、またルールスにゲームプランを寄せてミッドレンジ[9] … Continue readingの様にも振る舞うことの出来る柔軟なデッキに仕上がっています。
元来デルバーデッキではアドバンテージの確保が困難であり、《戦慄衆の秘儀術師》や《若き紅蓮術士》をカウンター等で守れず処理されると息切れしやすいデッキでした。今回登場した《夢の巣のルールス》は弱点だったパーマネントの息切れ対策の点において大きな貢献を果たしたと言えます。
互いの盤面が空になった後に登場するルールスは非常に強力で、出たターンで処理をし損なうとそのままゲームを決め得る程の安定したアドバンテージを稼いでくれます。またカウンター以外のコンボ対策を《翻弄する魔道士》と《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》にしたことにより、除去やハンデスにより墓地に落ちたこれらのヘイトベアーはルールスにより再利用が可能となっています。
サイドボードの除去に関しても《仕組まれた爆薬》や《浄化の印章》の採用はルールスで再利用することを視野に入れた工夫が施されています。
またジェスカイデルバー以外にグリクシスやスゥルタイでも採用可能なので今後様々なデルバーがこのルールスを採用していくことでしょう。
いかがでしたでしょうか?今回は最新エキスパンション、イコリアのカードを採用したレガシーのデッキを紹介させていただきました。イコリアで登場した相棒のキーワード能力を持ったクリーチャー達はどれも非常に強力で、レガシーのみならず様々なフォーマットで採用されており、環境の大きな変化を感じています。新しく出たカードはどれもわくわするものばかりで、それは私自身でなくMTGをプレイする全てのプレイヤーにとって同様なものだと思います。この記事を読んでいただいた貴方もイコリアより登場したカードの中からMy Feverid Cardを探してみましょう!
お読みいただきありがとうございました。
カード画像出典(一部):マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
脚注
↑1 | イコリア:巨獣の棲処で初登場したキーワード能力。デッキ構築に関するルールを変更し、またカードを唱える領域を変更する常在型能力である。イコリアの怪物たちと精神的な絆を結んだ人間にプレイヤーがなることを表したメカニズム。統率者のようにデッキ構築に制限をもたらすことで、ゲーム外から相棒のクリーチャーを唱えることができる。現在までにイコリア:巨獣の棲処では2色の組み合わせの混成カード10種類の伝説のクリーチャーのサイクルが収録されている。 |
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↑2 | 場に出た際に誘発する能力の総称。 |
↑3 | 場に出ているパーマネントを一時的に除外する能力。自軍のCIP能力を使いまわしたり、相手のトークンを除外したりと様々な使い道がある。 |
↑4 | マナを使わずにキャストが可能な呪文の総称。有名なカードとしては意志の力や目くらましなど。 |
↑5 | 置換効果とは、あるイベントを他のイベントに置き換える効果を指すルール用語。テキスト内でInstead「~の代わりに」、As「~として」、Skip「~を飛ばす」等は置換効果によるものである。有名なカードとしては安らかな眠りやクローン等が挙げられる。 |
↑6 | ブロックされない能力やクリーチャーの総称。レガシーで有名なものは荒廃の工作員や真の名の宿敵が挙げられる |
↑7 | クリーチャーのサイズを挙げることや能力の総称。歩行バリスタの+1/+1カウンターを乗せる能力や、巨大化等のスペルがこれに当てはまる。 |
↑8 | 1~2マナ域2/2程度のサイズでプレイヤーの行動を制限する常在型能力を有するクリーチャーの総称。名前の由来のベアーとは灰色熊のことで灰色熊は能力を有さない2マナ2/2クリーチャーである。灰色熊と同党サイズのクリーチャーに相手プレイヤーから反感を買う常在型能力を有してるためHate(嫌いな)Bear(熊)と呼ばれている。 |
↑9 | 中速デッキのこと。ビートダウンできしてもコントロールとしても振舞うことができる。1マナで戦闘用のクリーチャーを含まないクリーチャーとプレインズウォーカーを多数採用しているデッキを指すことが多い。 |
北関東の僻地で活動してるMagic: the Gatheringプレイヤー。好きなフォーマットはレガシー。好きなカードをずっと使い続けられるこの環境とプレイを共にする友人が大好き。あと痩せたいです。
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