秋田市初のボードゲームカフェ『CLOCKWISE』は、店長自らが1杯ずつシェイクするアイスコーヒーがおすすめ!
こんにちは、ふうかです。
9月1日、秋田県秋田市にボードゲームカフェが新規開店しました。秋田は私にとって未踏の地。これは行かねば!という強い気持ちと、せっかくなので100名城散策を兼ねて行ってきましたので、今回はその報告です。
秋田駅からはバスが便利
秋田駅西口バス乗り場付近
秋田駅西口からバスに乗って15分ほどの道のりは、普段見慣れない景色で見入ってしまいました。バスは頻繁に走っていて、秋田駅東・西の両口から出ています。気付くと下りる予定の大学病院前になり、慌ててブザーを押します。休日とあって周りには人の姿もなく、静かな停留所で下車。バス停から100m程度歩いたビルに、今回の目的である『CLOCKWISE』があります。
階段を上がるとおしゃれな入口と店内が覗けるガラス扉。三連休中日とあってか、店内ではすでに多くのお客さんがボードゲームに興じている姿を見ることができました。
ドアの前に置かれたイスに腰を掛けて呼吸を整え、いざドアを開けます。
店内は落ち着いた雰囲気に大量のボードゲーム
店内は大きなガラス窓からは光が差し込み、懐かしさを感じる落ち着いた喫茶店の雰囲気です。今日の訪問は前もって知らせておいたので、オーナーと店長が揃ってお出迎えしていただけました。
オーナーのdjさんは、長らく秋田市でボードゲーム会を主催している方です。そして私とはボードゲーム仲間でもあります。久しぶりの再会に喜びながら、空いている席に座ります。
店内で遊べるボードゲームは、オープンの際に持ち込まれたオーナーのコレクション。しっかりと楽めるボードゲームからすぐに遊べるカードゲーム、ちょっとレアなボードゲームまで幅広いラインナップです。箱を見てどんなゲームか気になったら、店長もしくはオーナーに聞いてみてください。すぐに答えてくれます。
カフェメニューが充実
気になるのはカフェメニュー。しっかりしたメニューを開くと目に飛び込んでくるのは『ボードゲーム利用で150円引き』の文字。コーヒーの種類も豊富で、どれにしようか迷います。悩んだ末に注文したのはアイスコーヒーとカフェモカ。すると、グラスとシェイカーを持ったオーナー登場。
シェイカーを振る姿を見つつ「アイスコーヒーなのにシェイカー?」という疑問が頭をよぎります。
出されたアイスコーヒーはエスプレッソを抽出したものを氷とシェイクしたもの。口触りがとても滑らかでこれは美味しい!
2杯目はずごん店長がシェイカーを振ってくれました。泡の量はお好みで多めもできるそうです。
ホットサンドは鯖味噌チーズを選択。これが意外な美味しさで、店長の気まぐれプリンも見かけによらずなかなかの量で満足度が高い。カフェメニューの充実さはうれしいですね。
ボードゲーム利用の方限定で、ペットボトルでの飲料提供もありました。
オーナーにインタビューしてみました
シェイカーを振るオーナーdj氏
Q.ボードゲームカフェを開店しようと思ったきっかけを教えてください
実は最初に考えたのは10年以上前のことなんです。当時、冗談半分で簡単な試算をしてみたら、到底無理だろうという結論に。その後、ボードゲームの人気が年々高まってきて。日本語版が普通にリリースされるし、ゲムマの入場者数はどんどん増えるし、何よりボードゲームカフェが増えていくのに、秋田にはまだなかった。今なら昔と違って何とかなるかも知れないと。それに秋田ボードゲーム倶楽部(ABC)というサークルを10年以上やってる身としては「やるなら俺しかないだろ!」的な。むしろ、他の人にやられちゃったら悔しいんじゃないですか。
とは言っても、他に仕事もあるし(オーナーdj氏の本業は音楽関係)、僕一人では無理。そんな折、ずごん君に一緒にやってみないかと声をかけてみました。彼が話にのってきたので、ずごん君が店長で本格的に検討しました。
Q.以前から考えていたんですね。でも開店の告知は突然でしたよね?
起業塾という起業支援のセミナーにも参加したし、不動産屋巡りをして物件もたくさん物色しました。友人がカフェを開いているので、通っていろいろ教えてもらったり。いい物件はなかなか見つからなくて、やっと見つけたと思っても大家さんに断られちゃう。ボードゲームカフェ自体、大家さんには怪しい商売に見えていたのかも知れませんね。一体何をやる店なのかと。
他にもいろいろなエピソードはありますが、そんな暗中模索状態がずっと続いていたから、とてもじゃないけれど「ボードゲームカフェ開くよー」なんて公言出来ず、友人たちにも秘密裏に進めていました。突然オープンしたように見えたのはそんな理由です。
Q.普段は店長ががんばっていますよね。 オーナーが出勤することもありますか?
基本的にはずごん店長に任せていますが、僕も割と毎日出勤してますよ。オープン月はたまたま秋田を離れる予定が多かったので(よりによってオープン前後に長期不在)休みがちでした。ただ、他の仕事のために早退や遅刻することが多いですね。開店前に帰ったり閉店後に行ったり。でもこれはずごん店長も似たようで、彼もなぜか休みなのにお店に来たりします。
そんな感じなので、どうしても僕に会いたい、店長に会いたいという奇特な方は事前にお問い合わせください(笑)
Q.実際に開店してみて、気付いたことや驚いたことがあれば教えてください
驚いたことは特になかったかな。しいて言えば、ボードゲームカフェに対する反応が想定以上によかったです。今までボードゲームに触れたことがなかった方、やったことはあるけれどABCには来なかった方、さらには秋田ローカルのテレビ局や雑誌等、今までお付き合いがなかった方など、たくさん来店されています。全くの無関心で「誰も来なかったらどうしよう?」と心配していたので、好意的に受け止めてもらえたらうれしい。
気付いたこと……ずごん店長がコスプレ衣装を大量に持っていたこと。毎月25日はずごんの日(25をずごんと読ませたいらしい)で、店長がコスプレをしています。先日もトルネコのコスプレをしていましたが、平日だったので見たのはたった4人。そのうち2人は配送業者です。店長ががっかり気味だったので、25日はぜひお店に来てあげてください!
Q.オープンして1ヶ月。現状と将来への展望があれば教えてください。
現状はまだ試行錯誤の毎日です。工事遅れが響いてボードゲーム棚の整理もできていないし、カフェメニューの新作研究は毎日のように繰り返しています。経理や注文の受け方、グラスの収納場所ですら、頻繁に変更しているくらいで。
将来的な話をすれば、本音はまず経営の安定ですね。オープン月は物珍しさやご祝儀的な意味合いが強いので、ここからが勝負です。いつになったら初期投資を回収できるのか、資金がショートして閉店に追い込まれる可能性も高いです。そうなると、ずごん店長が路頭に迷ってしまうので困る。低空飛行でもいい、安定して欲しいのが一番の望みです。
建前についても話しておくと、ボードゲームという娯楽をボーリングやカラオケのレベルに引き上げたいです。やったことはないけれど存在は知ってるよ、と秋田県民全員が言えるくらいのレベル。気軽に立ち寄ったら、ついついガッツリ遊んだ挙げ句、どっぷりはまった、みたいなお店を目指していきたいです。
建前がちょっと大風呂敷過ぎたのでもう少し言えば、他のボードゲームカフェとは違ったことをやってみたいです。『クロックワイズ』ならではの特色を出したい。謎解きイベントはやってみたいですね。イベントの音楽は僕が作ります! ボードゲームからは少し離れるかもしれないけれど、客層は似ていると考えています。そして「クロックワイズはいつも変なことやってるよね」と思っていただければ成功でしょう。
オーナーの熱い、むしろ熱すぎる思いに、なぜか私がうれしくなりました。まだまだ試行錯誤の毎日、それでもどこか楽しそうなオーナーと店長の姿を見て、突然のオープンに驚くだけだった私は少し安堵しました。次に行く頃にはまたメニューが増えていそうで楽しみです。
『CLOCKWISE(クロックワイズ)』はカフェのみ利用が可能ですので、気になったらまずは訪ねてみてはいかがでしょう。
Boardgame Cafe 『CLOCKWISE』
|
気が向けばどこにでも出現する神出鬼没のブロガー。ほぼ毎日更新のブログでは、ただひたすらボードゲームについて発信中。
ボードゲームを追いかけて、あっという間に18年目。
ふうかのボードゲーム日記 https://fu-ka.livedoor.biz/
記事一覧はこちら