時空に干渉し焼肉を食べる!? 焼肉奪い合いボードゲーム

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皆さん、焼肉してますか?

いいですよね焼肉。七輪の上で妖艶に身をくねらせる焦げ目の付いた肉。絶妙な焼き加減に仕上がった肉を奪う、向かいの席のアイツ。ふざけるな、それは俺が育てた肉だぞ。殴り合いは殺人に発展し、手錠の冷たさを感じながらこう思うのです。

「ああ、反重力装置があればアイツの箸を吹き飛ばし、平和に肉が食えたのに──」

そんな需要にお答えする、反重力装置で相手の箸を吹き飛ばして焼肉を奪えるボードゲームがあります。

 

初めまして。赤宮文也です。今回ご縁があって、たいむましん様のWEB文芸に寄稿させていただくことになりました。

ボードゲームやTRPGの紹介をさせていただこうと思うのですが、WEB文芸をご覧いただいている目の肥えた皆さんに有名どころを紹介しても釈迦に説法、満足いただける記事にはなりません。そこで、あまり知られていないニッチな同人ゲームの紹介記事を書くことにいたしました。
第1回目ということで、手前味噌ではありますが弊サークル『Pitohui Records』で制作し、流通しているボードゲームを紹介させていただきたいと思います。

皆さんのボードゲームライフを少しでも楽しくするお手伝いができたら嬉しいです。最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

1.それは焼肉大戦争

概要

今回ご紹介させていただくのは『焼肉大戦争』というボードゲームです。
普段我々が嗜む焼肉と同様に、美味しく焼けた肉を奪い合い、それぞれの肉に設定された『満腹ポイント』を合計100ポイント集めたプレイヤーが勝利します。とてもシンプルなゲームです。

ですが、ボードやカードのギミックが戦いに変化と熱を加えます。肉にも熱を加えます。根底のルールはシンプルですが、プレイヤーの動き方次第で戦略の枝葉は幾重にも別れるのです。

 

 

2.七輪フィールドで焼肉が踊る

七輪フィールド

戦いの舞台となるのは3×3マスの『七輪フィールド』。赤熱する炭火が網の下から笑いかけていますね。

様々な種類が用意された『肉カード』を、この七輪フィールドの上に配置すると、ターンの経過に伴ってどんどん美味しく焼けていきます。
各マスに書かれている数字が焼き時間を示しており、肉カードを回転させて下の矢印の指す数字を進めることで、それぞれの肉カードがどれくらい焼けているか一目でわかるようになっています。

肉カードの状態は生焼け、食べごろ、黒コゲと変化し、当然食べごろのタイミングで食べないと満腹ポイントを得ることは出来ません。プレイヤーは一般的な消化器官を持つ人間を想定しているので、生焼けや黒コゲの状態では食べられません。

ですが七輪フィールドはその名の通り七輪。炭火の仕様を忠実に再現しています。中心部は火力が強くてすぐに焼けるのですが、外周部は火力が弱く火が通るのに時間がかかるのです。
さらに肉カードも種類によって特徴が異なり、タンはすぐに焼ける、カルビは時間がかかるが満腹ポイントが高いなど、その味わいは千差万別。その肉の食べごろのタイミングで美味しく召し上がるのも一苦労。
そのため、どの肉カードを七輪フィールドのどこに置くかによってゲームの流れは全く変わってきます。焼肉の戦場は常に変化し続けるのです。

 

 

3.奪い奪われ大戦争

肉を食べる

さてさて。ターンが経過し肉カードが食べごろになりました。「美味しく食べて欲しいモー」という牛さんの声が聞こえてきそうですね。しかし、肉を食べるのも一筋縄ではいきません。そう、焼肉は戦争。文字通り食うか食われるかの戦いなのです。

肉を食べる、即ち肉カードをゲットする際にはプレイヤー全員で指を箸の形にし、せーのっ!でタイミングを合わせて、一斉に食べたい肉を指差します
1つの肉カードを1人だけが指差していたら、そのプレイヤーは指差した肉カードをゲットし、満腹ポイントを得ることが出来ます。しかし1つの肉カードを2人以上が同時に指差した場合は、箸と箸がぶつかってマナーが悪いと見なされます。
箸がぶつかったプレイヤーはそのターン肉を食べられません。戦場の秩序は礼節によって繋ぎ止められているのです。

でも、肉が食えないとムカつきますよね。俺が育てた肉だぞ。我が物顔で食おうとすんじゃねぇ。お前は横の生焼けロースでも食ってろ。その箸を反重力で吹き飛ばしてやろうか。はい、出来ます。

 

 

4.必殺技で華麗にキメろ

このゲームでは、『必殺技カード』が各プレイヤーに1枚ずつ、ランダムに配られます。

必殺技カードはその名の通り、1ゲームで1回しか使えない必殺技です。その効果は強力なものばかり。このゲームの戦況は必殺技カードによって大きく左右されます。本記事ではその一部をご紹介します。

極上のタレ
『極上のタレ』
美味しく焼けた肉に完璧にマッチする焼肉のタレをかけることで、得られる満腹ポイントを倍にすることが出来ます。

鋼の胃袋
『鋼の胃袋』
七輪の上で不幸にも放置され、黒コゲになって食べられなくなった肉も歴史上に存在します。そんな炭の塊すらも、鋼の胃袋があれば美味しく頂いて満腹ポイントに変えることが出来るのです。

反重力装置
『反重力装置』
肉カードを指すときに、自分の箸と他プレイヤーの箸がぶつかりそうになった瞬間。反重力装置を使えば他プレイヤーの箸を吹き飛ばし、自分だけが安全に肉を選ぶことが出来ます。マナー違反ではありません。

時空干渉
『時空干渉』
生焼け肉や黒コゲになった肉も、時空に干渉すれば食べごろのタイミングに変えることが出来ます。また、他プレイヤーが食べようとした肉を一瞬で黒コゲに変えることも出来ます。バタフライエフェクトには考慮しません。

 

誰がどんな必殺技カードを持っているかは、使用されるその瞬間までわかりません。自分が食べようとした肉が突然時空を飛び越えて黒コゲになったりします。しかし、自分が鋼の胃袋を持っていることは他プレイヤーに知られていません。手持ちの必殺技カードによってはどん底からの大逆転も狙えます。

焼肉店に来る人間は誰しもが強力な武器を隠し持っているものです。ゆえに、時には罠と分かっていても箸を伸ばさなければならない時もあります。食べなければ、勝利できないのだから。焼肉、それはまるで人生──

 

 

5.おわりに

終わりに

誰かが満腹ポイントを100ポイント集めたらゲームは終了となります。心地良い満腹感と熱気を冷たい飲み物でチルアウトして、確かな満足感を抱えて店を後にします。戦争は終わり、平穏の世が戻ります。赤熱していた炭火も、ゆっくりと冷めていくことでしょう──

ボードゲーム焼肉大戦争は大体10分から15分ほどで1ゲームが終了します。熱戦を繰り広げた相手に手を差し出し「もう1回やろうぜ!」と気軽に言えるプレイ時間ですね。必殺技カードもプレイする度に別なカードが配られるため、ゲーム毎に異なる戦略で楽しむことができます。

このゲームの勝利条件は最初に満腹ポイントを100ポイント集めることですが、ボードゲームという遊びとしての「勝利」は「全員が楽しむこと」なのではないでしょうか。そして「もう一回やろうぜ!」の言葉こそ、ゲームを楽しめた何よりの証拠になると思います。
焼肉大戦争はこの言葉を引き出しやすいゲームです。本記事でご興味を持っていただけたら嬉しいです。

ゲームが終了したらみんなで本物の焼肉に行くのもいいですね。そのときは戦争ではなく助け合いの精神で七輪フィールドを温めましょう。

みなさま、よき焼肉を!

 

ネットレーベルPitohui Records代表。イラストレーター。ボードゲームも作ってます。
http://pitohuirecords.com Twitter:https://twitter.com/yfmy


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