デバッグ・マジック! Byまつがん

デバッグ・マジック! vol.25 ~『指輪物語:中つ国の伝承』編~

公開日:まつがん

まつがん 指輪物語

いよいよ今週末にはモダン以下でのみ使用できるセット、『指輪物語:中つ国の伝承』が発売となる。

「指輪物語」という超有名コンテンツの世界観を再現したイラストやシリアル入りで世界に1枚だけの《一つの指輪》など話題に事欠かないセットではあるが、モダンのプレイヤーとして興味があるのはカードに書かれている能力だけだ。

はたして環境にどのような影響を与えるのか。最新のメタゲームの動向をチェックしつつ、新カードを使ったデッキ作りに挑戦していこう。

1.逆襲のラガバンと収斂するメタゲーム

2023年5月~6月にかけてのモダン環境は、以下のようなメタゲームで展開していた。

Tier God (11~14%)
青赤ラガバン
執政官独創力/頑強独創力

Tier 1 (7~10%)
赤黒不死ラガバン
装備シュート
ティムール続唱

Tier 2(3~6%)
死せる生
バーン
Yawg-Chord
トロン ←Up!!!
エレメンタル/4Cオムナス
鱗親和 ←Up!!!

環境はあまり変わっておらず、「モダン十傑」の中でTier 2下位のアミュレットが脱落してトロンと鱗親和がTier 2下位に上がってきたという程度の変化しかない。

全体的には前回の予想に反して「強いデッキをより強く使う」という収斂の方向に向かっており、特に《敏捷なこそ泥、ラガバン》の支配率が再び高まってきていることは特筆すべきポイントだろう。

その要因としては、モダン・フォーマットで開催となる7月末の「プロツアー・指輪物語」の開催が近づいてきており、Magic Onlineがプロツアー調整をしたいプロプレイヤーたちの主戦場になってきていることがおそらく挙げられる。プロプレイヤーであればあるほどリソースのやりとりによってゲーム展開に選択肢を作ることを望む(正しい選択ができる限り合理的なため) 以上、必然的にリソースのやりとりが挟まる《敏捷なこそ泥、ラガバン》系のデッキは、最終的な第一候補になりうるデッキとして真っ先に使い込むべきデッキと言えるからだ。

敏捷なこそ泥、ラガバン

《敏捷なこそ泥、ラガバン》というカードは放置すればいわゆる「雪玉効果」によってターン経過ごとに対戦相手とのリソース差を拡充していくため、先攻1ターン目《敏捷なこそ泥、ラガバン》に対しては除去を合わせるしかなく、そうしたリソース交換に最も耐えうるのはミッドレンジであるという事実ゆえの「ミッドレンジ強要性」がある。

でなければミッドレンジ的性質を併せ持てる続唱や独創力などの「1枚コンボ」か、デッキ全体がラガバンと同じレベルの先攻押しつけを持つ装備シュートくらいでしか対抗できず、そうした性質が現在のメタゲーム状況を作り上げている。

ただ現状の支配率や多様性の程度は、おそらくウィザーズにとっては望ましいものだ。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》というカード単体で見れば支配的としても、使用するデッキは青赤と赤黒で2種存在しており、どちらか一方に偏りすぎることがない。そして《敏捷なこそ泥、ラガバン》というカードが強すぎるがゆえにやりとりの少ないコンボがトップメタに来るようなこともなく、コンボにしてもミッドレンジコンボが主流となっている。こうした状況は、誰にとっても「ゲームができている」と評価しうる環境と言えるだろう (私自身は好みではないが)。

だが他方で弊害もある。『モダンホライゾン2』で登場した強力なカードたちを組み合わせてできたミッドレンジの壁があまりにも強固すぎて、新しいカードが使われなくなりつつあるからだ。

新カードの不在は停滞を生む。そして現状では『モダンホライゾン3』級のインパクトがない限り、根本的な変化は望めないだろう。ならばどうするのか。

8月7日に予告されている禁止改定は、その次の禁止改定の機会が1年後になるであろうことも踏まえて、モダン環境の今後を占う重要なアナウンスとなるだろう。

あくまで個人的な予想としては「ノーチェンジが6割、《敏捷なこそ泥、ラガバン》と《レンと六番》の禁止が3割、《出産の殻》など何らかのカードの解除が1割」といったところだが、はたしてどうなるのか。もちろん前週の「プロツアー・指輪物語」の提出デッキや結果も踏まえてということになるだろうが、2ヶ月後が今から楽しみだ。

スゥルタイシャドウ
Modern Challenge 2023-05-13 1st Place 6-1
プレイヤー:xfile
土地(18枚)

1《繁殖池
4《霧深い雨林
3《草むした墓
4《汚染された三角州
1《
4《新緑の地下墓地
1《湿った墓

クリーチャー(14枚)

1《ドライアドの東屋
4《死の影
4《タルモゴイフ
1《吸血鬼の呪詛術士
4《通りの悪霊

サイドボード(15枚)

2《集団的蛮行
1《激しい叱責
3《仕組まれた爆薬
1《狼狽の嵐
1《活性の力
3《虚無の呪文爆弾
2《広がりゆく海
2《夏の帳

スゥルタイシャドウ

《死の影》系のデッキも時代遅れとなって最近はすっかり姿を見かけなくなっていたが、そんな中で『機械兵団の進軍』からの新ギミック「バトル」を生かして見事活躍したのがこの「スゥルタイシャドウ」である。

《イコリアへの侵攻》の強みは単なる《死の影》の確定サーチにとどまらず、自身が《死の影》の攻撃で8/8に変身することで脅威の分散によって逆転可能性を狭められるという点にある。

赤抜きのミッドレンジであることによる弊害もあれど、《激しい叱責》による13点コンボもあり、メタゲーム次第では今後も活躍が見られるかもしれない。

ネオブランド
Modern Challenge 2023-05-26 15th Place 5-2
プレイヤー:azax
土地(12枚)

4《植物の聖域
4《宝石鉱山
1《冠雪の島
3《冠水樹林帯

サイドボード(15枚)

4《耐え抜くもの、母聖樹
2《消えゆく希望
4《神聖の力線
1《否定の契約
4《夏の帳

ネオブランド

最速1ターンキルも可能な環境最速のオールインコンボデッキ。《猿人の指導霊》の禁止によってデッキが弱体化したことと、《孤独》《悲嘆》
などの早期の妨害手段が増えたことで「たまに通用するローグ」から「ほとんど通用しないローグ」のポジションへと落とされてしまっていたが、構築の革新もあり前者についてはかなり補完されてきている。

その革新の内容とは、ずばり浮きマナ0でも勝てるルートの構築だ。ネオブランドというデッキは最後に《研究室の偏執狂》もしくは《タッサの神託者》を出す必要があるが、《猿人の指導霊》の禁止後は《モックス・アンバー》で浮きマナを作り、そこから《バネ葉の太鼓》+《遺産のドルイド》+《魔力変》といった複雑なマナ増幅&変換手段をとらなければならなかった。

だが研究が進み、《グリセルブランド》の着地後は《召喚士の契約》と《滋養の群れ》と《忍耐》でライブラリーを修復しながら手札の緑のカードをすべて追放できるシークエンスが発見されると、詳細は割愛するが手札とライブラリーを調整して並んだ《アロサウルス乗り》などから相手ターンのアップキープに「X=2」の《召喚の調べ》を唱えることで勝利できるようになった。この工程には一切のマナを必要とせず、しかも《召喚の調べ》と《忍耐》はどちらも緑のカードで1枚は《アロサウルス乗り》で追放しても構わないということで、従来と比べてかなりデッキに負担をかけない勝利手段と言える。

ただ先攻2ターン目まではほとんど素通しだった以前までと異なり、Tier上位は多くが《呪文貫き》《否定の力》《悲嘆》《孤独》のうちどれかを1スロット採用しているので、現状厳しいポジションであることに変わりはないが、緑で優秀な新カードが出た際には存在を思い出しておきたいデッキの一つだ。

マルドゥウィノータ

一見パイオニアクラス止まりのコンセプトに見えて、「ラガバン+ヘイトベア」というコンセプトの中ではうまくコンボ要素を取り入れられているデッキだ。

土地コンボや墓地コンボが存在する以上、ミッドレンジであろうとも時には自らゲームレンジを短くする選択肢が持てるコンボ要素が必要となるのがモダンという環境であり、《軍団のまとめ役、ウィノータ》は少し重いものの確かにその役目を果たしうる。

ただ後手番時の対処力は依然として課題であり、呪文があまり積めない構成であることも踏まえて、偏ったメタゲームにおいて刺さるデッキという程度が限界かもしれない。

2.『指輪物語:中つ国の伝承』でバグを探そう

現在のモダンは『モダンホライゾン2』によって高速化し、どのデッキも3ターン目までには致命的なアクションを繰り出す環境だ。

そのような環境では4枚の土地を普通に並べて使う4マナのカードにはほとんど価値はなくなる。3マナのカードですら後手では機能しない。ローテーションのないモダンでは、新カードに求められるハードルは年々上がってきている。

そんな環境で、新セットのカードを逐一チェックすることにどれだけの意味があるのだろうか?

《敏捷なこそ泥、ラガバン》に対抗できるカードが、そうそう簡単に出るわけもない。ならば『モダンホライゾン3』が出るまで、既存のデッキを擦り続ける方が安定ではないか?

そう思われるかもしれない。その意見も確かに正しい。

だが唯一《敏捷なこそ泥、ラガバン》に対抗できる可能性がある。それがコンボ。すなわちバグだ。

R&Dが見逃したバグが、新セットには眠っているかもしれない。そしてそれは、現在のメタゲームを打破しうるものかもしれない。

しかしそれも、デッキビルダーが発見してこそだ。ゆえに新セットのカードは逐一チェックしなければならない。

ということで、環境を変えうるバグの可能性を求めて、今日も新セットをデバッグ (発見・解明) していくことにしよう。

◇《ガンダルフの制裁》

デッキが作れる新カードを探すときのコツは、そのカードのポテンシャルの上限を考えることだ。

最大限都合の良いムーブをしたとしてもたかが知れていることしか起こらないならばデッキにならないし、その逆にものすごいことが起きる可能性があるならば、そのワンチャンスを目指してデッキを組むだけでいいからだ。

 

ガンダルフの制裁

 

《ガンダルフの制裁》。普通に使うと相手のクリーチャーを除去してハミ出た1点とか2点のダメージが相手に当たるだけのカードだが、このカードのポテンシャルの上限を考えた場合、実は3マナ20点火力も夢ではないのである。

 

なぜなら《秘本掃き》や《不可思の一瞥》など、自分のライブラリーを削れるインスタント・ソーサリーは無数に存在する。これらを活用しつつ、あらかじめデッキのほとんどをインスタント・ソーサリーのみで構築しておけば、《秘本掃き》は実質6点分、《不可思の一瞥》は実質11点分の火力になるからだ。

とはいえこのアイデアには一つ問題があった。相手がそう都合よくクリーチャーを出してくれるとは限らないという点だ。

コンボデッキとしては準備が整った瞬間に確定で勝ちたいところ、相手がたまたまクリーチャーを出していなければ勝てないというのでは欠陥デッキとしか言いようがないし、クリーチャーを出していたとしてもクソデカタフネスの持ち主だったりすると、墓地の枚数が足りなかったりしてこれまた勝てないパターンが出てきてしまう。

ならばどうするか?

 

禁忌の果樹園

《禁忌の果樹園》を使えばいいのでは???

《禁忌の果樹園》なら相手の場に強制的にクリーチャーを用意することができる。しかもサイズは1/1なので、最低枚数である21枚のインスタント・ソーサリーを墓地に落とせれば即座に準備完了となる。これほど《ガンダルフの制裁》と噛み合いの良いカードはないだろう。

 

とはいえデッキに土地を入れすぎると《秘本掃き》や《不可思の一瞥》で落ちてしまい、21枚を用意するのが難しくなってしまう。

 

 

そこで《海門修復》《アガディームの覚醒》といった両面土地を活用することで、デッキ内のインスタント・ソーサリー比率を保ったまま最低限の土地枚数を確保することができる。

また同様の役割を果たすカードとして、『指輪物語:中つ国の伝承』からのもう一つの新カードである《ロリアンの発見》がある。1コストの土地サイクリングはモダンでは初登場 (レガシー以下では《灰のやせ地》があった) で、青黒ベースを崩さずにデッキ内の土地を圧縮できる上にソーサリーなのでこのコンセプトにはピッタリだ。

《死せる生》デッキ愛好家としては「なんで土地サイクリングのサイクルが青だけクリーチャーじゃねーんだよ!!!」とR&Dにブチ切れていたのだが、こうして使い道が見つかったので許してやることにする。

 

 

ただこれだと1ターン目《秘本掃き》→2ターン目《不可思の一瞥》のぶん回りをしても最大17枚しかインスタント・ソーサリーが落ちず、3キルするには相手のフェッチギルラン期待となってしまう。そこで《這い寄る恐怖》を搭載しておけば、差し引き2枚分ダメージを伸ばすことができる。

また《有毒の蘇生》は相手の墓地のカードに打つことで0マナで墓地のインスタント・ソーサリー枚数を伸ばせるほか、自分対象のライブラリー削りで落ちた《ガンダルフの制裁》や《禁忌の果樹園》を回収するのにも最適だ。

というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 

『フォビドゥン・ガンダルフ』
デッキビルド:まつがん
土地(7枚)

1《島》
1《蒸気孔》
1《湿った墓》
4《禁忌の果樹園》

クリーチャー(0枚)

 

呪文(53枚)

4《否定の契約》
4《有毒の蘇生》
4《秘本掃き》
4《異世界の凝視》
4《思考掃き》
4《魔力変》
4《不可思の一瞥》
2《秋の際》
4《ガンダルフの制裁》
3《アガディームの覚醒》
4《這い寄る恐怖》
4《ロリアンの発見》
4《海門修復》
4《強行+突入》

フォビドゥン・ガンダルフ

最初からバーンでいいだろ!!!

 

芸術点だけは高めのデッキに仕上がったが、所詮やってることは手札全部を投げつけてワンチャンスで本体に20点を叩きこむだけなので、カウンター1枚で終わったり相手のスタック除去でフィズったりしない分、3点火力を本体に投げ続ける方がどう考えてもノーリスクなのであった。

 

◇《南小路のロージー・コトン》

「AしたらBする」とテキストに書かれた新カードを見た場合、やるべきことは2つだ。

それはすなわち「大量にAする方法を探す」もしくは、「『BしたらAする』と書かれたカードがないか探す」ことである。

南小路のロージー・コトン

《南小路のロージー・コトン》。ETBで食物トークンを生成できるのと、「トークンを生成するたびに他のクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せる」能力を持っている。

となれば、やることは決まっている。「+1/+1カウンターが乗るたびにトークンが出る」能力を持ったクリーチャーはいないだろうか?

いた。

小走り樫

《小走り樫》だ。

これなら《小走り樫》→《南小路のロージー・コトン》と出せば《小走り樫》無限パンプ+無限トークンになる。先に《南小路のロージー・コトン》から出した場合でも何らかの手段でトークンを生成するか《小走り樫》の「進化」を発動させればいいので、ほぼ純粋な2枚コンボと言っていいいだろう。

だがこのコンボには問題があった。クリーチャーを使った2枚コンボで、しかもそのターン中には (超パワーの《小走り樫》で殴れはするが基本的に) 勝たないとなると、「じゃあ別にサヒーリコンボで良くね???」となってしまうのだ。

この問題を解決するには、《南小路のロージー・コトン》のコンボがサヒーリコンボより優れている部分が何かしら必要となる。

ではその優れている部分とは?

白緑カラーの他の無限コンボと組み合わせればいいのでは???

《スパイクの飼育係》《太陽冠のヘリオッド》が揃うと無限ライフとなる。しかもこれらは《南小路のロージー・コトン》のコンボパーツと合わせてすべて《集合した中隊》で出せるので、白緑というカラーリング内で完結しているのが非常に優れている。

さらに《献身のドルイド》《ジアーダの贈り物、ラクシオール》による無限マナコンボもぶち込むことで、無限トークン・無限ライフ・無限マナという3つの無限コンボを内蔵した無限三刀流デッキが爆誕するのだ。

というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

『インフィニット・コトン』
デッキビルド:まつがん
土地(21枚)

1《森》
1《平地》
4《寺院の庭》
4《新緑の地下墓地》
4《吹きさらしの荒野》
2《湿地の干潟》
1《ハイドラの巣》
4《ウルザの物語》

クリーチャー(25枚)

4《ブレンタンの炉の世話人》
4《献身のドルイド》
1《石鍛冶の神秘家》
4《太陽冠のヘリオッド》
4《スパイクの飼育係》
4《南小路のロージー・コトン》
4《小走り樫》

呪文(14枚)

4《エラダムリーの呼び声》
4《集合した中隊》
4《楽園の拡散》
1《ヴィリジアンの長弓》
1《ジアーダの贈り物、ラクシオール》

インフィニット・コトン

だからコンボとコンボを混ぜるなと言ってるだろ!!!

どのコンボにも互いのコンボパーツが一切何の役にも立たないので、《献身のドルイド》と《太陽冠のヘリオッド》と《南小路のロージー・コトン》を引いて何もできずに発狂すること請け合いである。一応《エラダムリーの呼び声》でつじつまは合わせているものの、相手からするとどのコンボも「インスタント除去を構える」で対処手段が一緒なので裏をかくようなこともできず、仕方なくメイン《ブレンタンの炉の世話人》という痩せた構築にするしかないが、こんなことをしてもどうせ《死せる生》ですべてを失う運命なのであった。

◇《エントによる復興》

新カードを評価するとき、難しく考える必要はない。「同じマナ域でこれまでできなかったことができる」カードというだけで価値がある。

エントによる復興

《エントによる復興》。このカードはパワー4以上のクリーチャーを用意する必要こそあるものの、3マナでライブラリーから土地3枚を出せる唯一無二のカードだ。

しかし探してこれるのは基本地形のみだし、3マナで2ブーストできたとしてもそれくらいなら《精力の護符》を使った方が良いように思える。

だがこのカードの唯一無二性は別にマナ加速にあるわけではなく、「一度に多くの土地が出せる」という部分にある。

そう、すなわち。

「上陸」持ちクリーチャーと組み合わせればいいのでは???

かつて「上陸スケープシフト」というローグデッキが存在したが、そのデッキの《風景の変容》は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》をサーチするのがメインではなく、あくまで「一度に大量の土地を出せる呪文」としての運用だった。そのコンセプトが《エントによる復興》の登場により、3マナで実現できるようになったのだ。

《ステップのオオヤマネコ》《アクームのヘルハウンド》なら、フェッチを置いて起動すればパワー4の条件を満たす。さらに《エントによる復興》と唱えればパワー10にまで成長するので、2体並べて《エントによる復興》を唱えるだけで20点パンチが可能ということだ。

というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

『ハイパー上陸』
デッキビルド:まつがん
土地(24枚)

2《平地》
1《森》
1《山》
2《寺院の庭》
1《聖なる鋳造所》
1《踏み鳴らされる地》
4《乾燥台地》
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
1《湿地の干潟》
3《トロウケアの敷石》

クリーチャー(24枚)

4《ステップのオオヤマネコ》
4《アクームのヘルハウンド》
4《ブレンタンの炉の世話人》
4《離反ダニ、スクレルヴ》
4《板金鎧の土百足》
4《山火事の精霊》

呪文(12枚)

4《はらわた撃ち》
4《エントによる復興》
4《スカイクレイブの鶴嘴》

ハイパー上陸

《レンと六番》で全滅じゃねーか!!!

冷静に考えて当時ですら「通用しないローグ」の側だった「上陸スケープシフト」が、《エントによる復興》が加わったくらいでプレイアブルになるはずもなかった。周りのデッキはそれ以上に底上げされているのだ。現実は非情である。

3.おまけ:そろそろモダンリーガルになってもいいんじゃない?と個人的に思うカード集

レガシーとの差別化はあるだろうけど、正直デュアランと《意志の力》《渦まく知識》《目くらまし》《暗黒の儀式》《実物提示教育》といった定番スペルと《不毛の大地》《古えの墳墓》などのやばい土地が使えなければ他は何やってもいいと思うので、《エラダムリーの呼び声》みたいに『モダンホライゾン3』とかでこっそり再録しつつモダンリーガルになって欲しいなー……っていうカード集。まあ狂人の妄想と思って気楽に読んでもらいたい (もちろん他にもたくさんあると思うけど思いついたのを並べただけです)。

Snuff out

ラガバン除去したいけど絶対ラガバン側が撃ってくるやつやん!!!

火炎破

もう今既にTier 2にバーンいるんだからいらなくない???

稲妻の連鎖

あってもいいけどそんなに嬉しくないし別にいいかな……。

発展の代価

どうして良いと思った???

meltdown

そろそろみんな再録して欲しいかなと思って……。

蒸気の連鎖

もういい加減コンボデッキのサイド《残響する真実》に飽きてるんだよこっちは!!

悪意の大梟

《氷牙のコアトル》あるんだから別に良くね???

Crystalline Sliver

はい!!欲しいです!!!

高級市場

《敵意ある宿屋》じゃダメなんです!0マナでサクらせてください!!

真の名の宿敵

《濁浪の執政》の方が相手が早く死ぬし強くね???

凶暴化

お願いします!子供が病気なんです!!

激励

いくら子供が病気でもさすがにダメだろ!!!

Reverent Silence

エンチャントは別に死んでもいいでしょ (突然の無慈悲)

Submerge

ラガバンデッキに打たれたときの不快感が想像するだにやばすぎる!!!

アロサウルス飼い

頼む!お願い!!何でもするから!!!

4.終わりに

『指輪物語:中つ国の伝承』は『モダンホライゾン3』と呼べるほどのカードパワーはなさそうだが、プロツアー、禁止改定とモダンへの注目が高まっている今、下環境向けの最新セットとしてしばらくはバグの見落としがないか入念にチェックされるセットとなるだろう。

プロツアーまでの間はMagic Onlineのリーグやチャレンジなどもかなりハイレベルになっていくことが予想される。そうした中で新カードも含めてメタゲームがどんな変化を見せるのか、非常に楽しみだ。

ではまた次回! 

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