懐かしの漫画紹介 -北斗の拳-vol.1
週刊少年ジャンプが2018年で創刊50週年を迎える。50年に渡り数多くの傑作を世に送り出してきた少年ジャンプであるので、代表作は数多く、どれかに厳選することは難しい。
その時代によって代表作は異なるであろうし、また読者によっても異なるだろう。
ただその数ある作品の中から「北斗の拳」を選んだとしても、異論は少ないのではないだろうか。
北斗の拳 シミュレーションゲーム SFシリーズ ツクダホビー
北斗の拳は1983年から1988年にかけて、週刊少年ジャンプに連載された漫画である。原作者は武論尊（史村翔）、作画は原哲夫。特に作画を担当した漫画家、原哲夫にとっては代表作と言っていいだろう。
「199X年、世界は核の炎に包まれた。」から始まる、世紀末に核戦争を迎えた後のポストアポカリプス（終末世界）を舞台としたハードボイルドアクション漫画。オーストラリア映画の「マッドマックス」及び続編「マッドマックス２」に多大なる影響を受けた作品であり、ケンシロウの服装はマッドマックスの主人公、マックスに類似している。
やられ役として登場する敵の造形は、マッドマックス2に登場したヒューマンガスやウェズなどの暴走族集団からの影響が強い。
またマッドマックスシリーズの監督を務めるジョージ・ミラーは大友克洋原作の「AKIRA」に強い影響を受けたと語っており、日本と海外のカルチャーが入り混じった作品であると言えるだろう。
199X年以後の設定であるが、厳密な年代は不明である。文明が崩壊しているため行政機関も司法機関も存在せず、無法地帯と化している。また紙幣も紙くず以下となっており、物々交換によって市場は成り立っているようだ。
また複数の暴力集団が地域を支配しており、南斗聖拳の伝承者シン率いるKINGは関東一円を支配し、南斗鳳凰拳の伝承者サウザーは聖帝を名乗り、また北斗神拳伝承者候補の一人であった北斗四兄弟の長兄ラオウは拳王軍を率いるなど群雄割拠の乱世となっている。
主人公であるケンシロウは一子相伝の暗殺拳、北斗神拳伝承者である。KINGを率いる南斗聖拳（南斗孤鷲拳）の伝承者シンに奪われた恋人ユリアを追い、サザンクロスへと向かう。
ケンシロウの胸には7つの傷があり、北斗七星の形をしている。この傷を付けたのはシンであり、北斗神拳と対となる暗殺拳流派、南斗聖拳百八派を統べる南斗六聖の一人でもある。
原作ではシン率いるKINGに南斗百八派の使い手はいないが（原作の時点ではシンは南斗聖拳の使い手であり、南斗六聖拳や南斗百八派が存在する展開は考えられていなかったため）、TVアニメでは原作に追いつくことを避けるために大幅にオリジナルエピソード、オリジナルキャラクターが追加されており、ケンシロウがシンへと辿り着くまでに南斗を冠する使い手が数多く登場する。
その中には南斗列車砲など、拳法とは呼べない使い手も数多く登場してしまい、アニメスタッフの遊びとも思える野放図な展開は、後にできるだけ原作に準ずる方向へと軌道修正された。
旅の途中で孤児であるリンやバットと出会ったケンシロウは、ユリアを救い出すべくサザンクロスへ辿り着くが、眼前でシンによりユリアを殺されてしまう。復讐心に猛るケンシロウはシンを死闘の末倒すが、殺されたはずのユリアは人形であり、ユリアが既に自ら命を断っていた事実をシンに知らされるのであった。（後にユリアの自殺はシンと南斗五車星により偽装されたものであり、ラオウからユリアを逃がすための工作であったことが明らかとなる。）
そしてシンがユリアに固執したのは、ケンシロウの兄であるジャギによる讒言であったことを知り、友人と恋人の復讐を誓うのであった。
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