魅惑のポケモンカード世界 ~歴史から振り返るポケカの魅力~【コンテンツ篇】

公開日: / 更新日:たいむましん トレカ担当

こんにちは!たいむましんトレカ担当のこむなんとかです。

幼稚園児の頃にゲームボーイ用ソフト「ポケモンカードGB」と出会って以来のポケカファンな私、遊ぶのはもちろん大好き!両親や友人たちからはよく飽きないねぇと呆れ気味に言われてますが確かに歳もいい大人になってきてよくもまぁ続いているものだと近頃急に真顔になることがしばしば…。

20年以上続くコンテンツを好きでい続けられるということはそれほどコンテンツに魅力があり続けているということでもあります。

ではその魅力とは何なのか、ゲーム性?世界観?読めばきっとポケカ興味が湧いてくる!そんな紹介を【コンテンツ篇】【競技篇】の2部構成に分けてお送りしたいと思います。今回はコンテンツ篇。ではレッツゴー!

1.実は日本初。

記念すべき第一弾のスターターとレアカード一部。

巷では「日本初のトレカは遊戯王」という認識が広まっている昨今。これは遊戯王が「DEATH-T編」で海馬瀬人くんを再登場させその後メインをカード路線に変更という出来事のほか、コナミから遊戯王OCGの発売されたことにより人気を拍車がかかったことにより認知度が広まったためであります。(なお本記事での「トレカ」は便宜上、マジック:ザ・ギャザリングに端を発する「対戦型TCG」のことを指します。)

 

1996年10月、日本で初めて国産初トレーディングカードゲームが本格展開されたわけですが…実はポケモンカードなんです!さらに僅か1ヶ月違いの後発でバンダイから「スーパーロボット大戦 スクランブルギャザー」なんかも登場したりしてます。

これを皮切りにほぼ同時期に対戦ゲーム型トレカが沢山認知され始めたところを鑑みるに、最も早く登場したポケカは日本のトレカブームの火付け役であることは間違いありません。

ちなみに、冒頭で取り上げた遊戯王はポケカ登場から約半年後の少年ジャンプ本誌でカード路線の始まりとも言える回「牙を持つカード」が掲載されています。およそ2巻後には「DEATH-T編」で本格カード路線となるわけですから、ギャザとポケカ発端のトレカブームを受けてると言えるわけです。

 

世界初のトレカがマジック:ザ・ギャザリングであることは有名な話ですが、日本初に関してそう広まっている様子はポケカファンとして「そうじゃないのよ!」と説明したくなることが多いです…。

しかし公式もそこを強くアピールすることは今までも無かったので、恐らくあまり気にしてないのかなと。「実はそうなんです」と言うくらいがトリビア的で良いと思います。

当時はビデオゲームからのメディアミックスを一大コンテンツとして推している事業は現在と比べると非常に少なかったので、(思い浮かぶのはコンパイルのぷよまん本舗ですかね)ポケットモンスターがカードになると聞いて驚いた方はとても多かったと思います。

ぷよまん本舗 青ぷよ

ぷよまん本舗で販売されてた青ぷよ。当時はゲームキャラの公式ショップが非常に珍しかったですね

 

2.こうかは ばつぐんだ!

90年代末、日本のトレカブーム筆頭は前述のとおり遊戯王となりましたが元々ポケモンは原作ゲーム自体がコロコロコミックを中心に雑誌で幻のポケモンミュウを話題にし、子供たちをがっちり掴んでいたのでポケカも登場時から大ヒットとなりました。参考リンク→「https://corocoro.jp/49271/

ポケモンの特徴である「集めて交換して対戦する」という要素が同じ流れを含むトレーディングカードゲームという遊びにもとてつもなく相性の良さがありました。

トレカというメディアミックスもポケモン登場以前からバンダイのカードダスがありましたが、ポケカが人気を博した最大の要因は当時ではまだ珍しいカードの表現方法でした。

カードダス バーコードバトラー

90年代でポケカ以前に人気を集めたカード型収集グッズの一部。ドラゴンボールのカードダス(左)とバーコードバトラー(右)です。

SNS上で大いに盛り上がりました2019年4月9日放送分の「開運!なんでも鑑定団」のVTR内でも説明されていましたが、カードを開発したクリーチャーズがまず着目したのは「ポケモンの生きている様子を写すこと」でした。

第一弾では杉森建氏の公式イラストに加えて、イラストレーター・有田満弘氏による多数の描き下ろしイラストを収録し、それぞれがまさにコンセプト通りポケモンが生きている様が垣間見えるような構図となりました。

有田満弘 ポケカ

有田満弘氏の描いた第一弾のイラスト一部。種を飛ばすフシギダネ、尻尾の炎で後ろの草を燃やしてしまうヒトカゲなど動きや背景が垣間見える構図はまだアニメが始まる前のポケモンでは非常に貴重なイメージ元でした

 

ゲーム中では立ち絵ドットと図鑑説明くらいしかポケモンという生き物達を知れる機会が無かったため、想像力豊かな少年少女たちはその世界観が拡がって行く様にすっかり虜となったのです。

既存キャラクターの描き下ろし絵というものは当時のトレカなどではまだ少ないところを続く第二弾では参加絵師が増えるなど、「公式絵の使い回し」というありがちなカード商品のイメージを覆すものとなりました。

アマダ トップサン ゲームキャラカード

カードにおける公式絵の使い回しの一例。悪く言っちゃってる気もしますが逆に言えばこれが当たり前だったんですけどね…。ゲーム初のトレカで描き下ろし絵沢山というのは凄いことなんです。(ロックマンのカードダスとかも凄い部類)

 

3.イラストが醍醐味と言われるまで

描き下ろしイラスト制作路線は当時から定評があり現在まで続いてますが、「これがポケカ最大の良さだ」と語る層は当時はまだ少なく、知る人ぞ知る要素ではありました。

前述のポケモン世界を垣間見ることは97年4月から始まったTVアニメで映像として表現されることで明確化し、メディアミックスの中核はアニメに移っていくことになります。カードを媒体としてポケモン世界を表現する手法はコンテンツの主流としては鳴りを潜めることとなりました。

 

 

だからと言ってアニメがゲームやカードを食ってしまう事はなく、原作ゲームはアニメ版仕様「ピカチュウ版」を出し、ポケカも後にゲーム版として「ポケモンカードGB」を発売したほか、公式キャラクター「イマクニ?」や、PVにポケカを使ったタイアップ曲「ポケモン言えるかな?」や小林幸子さんとのコラボ「とりかえっこプリーズ」を出しそれぞれが大ヒット。

いやぁこうして書いてて思いますが、本当にメディアミックスの究極完全成功形態でして正直震えます。90年代末はまさにポケモン旋風といえる盛り上がりぶりとなりました。

 

時をしばらくして2010年、ポケモンは第5世代(BW):ポケットモンスターブラック/ホワイトに突入しました。この世代は「多様性」がテーマとなっており登場ポケモンを新ポケモンのみにし、各人物キャラの頭身が上げるなど今までのシリーズと比べると大人な世界観を表現し、ポケモンを一度卒業した20歳前後を中心に大変人気となりました。

その影響かポケカの注目度も上がりBWをモチーフとしたカードスリーブやケースなど関連グッズが激増し、翌年には雑誌「ニンテンドードリーム」にてイラストについての特集記事と別冊付録として「ポケモンカードゲームBW アートワークセレクション」が刷られました。

その後も同誌で数回特集ページが組まれ数年後の2014年2016年にはオーバーラップ社から公式ポケカ画集が刊行される事となり日の目を浴びることが大幅に増えることとなりました。(嬉しい)

ポケモンカードゲーム イラストコレクション

2014年の画集。

画集 本編

内容の一部。海や街など場所をテーマにそれぞれページが設けられています。

 

4.更なる多様性

BW世代を皮切りにポケカイラストは見るだけでなく、実際に描いてネット上に上げるファンも大量に現れることとなりました。(pixivの普及もあります)

昨年末ではカードイラストに関してとある企画が開発元であるクリーチャーズから立ち上がりました。

 

イラストグランプリ

その名もポケモンカードゲームイラストグランプリなんとプロ・アマ不問による公式イラストコンテストが開催されたのです!めでたい。

過去にも一般ユーザーからのイラストコンテスト企画はわずかにありましたが、今回の企画は「公認イラストレーター募集」のもとに進められており、グランプリ受賞者以外にも優秀作品を応募した方には今後依頼をする可能性があるということを公表しています。

2010年代からポケモンイラスト需要が上がってきていたことは前述の通り明らかではありましたが、ついにユーザーが直接イラストに携わるチャンスが生まれました。

その応募総数はなんと5343点! 絵師がこれだけ集まるということも凄い話ですがここからさらに一次審査最終審査とあり、現在は最終候補8点が残った状態となっています。グランプリは6月8日に開催される「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2019」内で発表されるようです。(明日じゃないかー!)

応募作品を覗いてみますとやはりみなさん力作揃い…素晴らしい限り。個人的にはメタグロスが鉄骨運ぶ構図の絵が好きですね。このコンテストの応募イラストテーマも「ポケモンのいる風景」なので公式が黎明期から掲げてきたコンセプトの通りですし、応募作品それぞれも生活感や生態がわかりそうな構図が多いです。

ポケカ20数年の歴史の中で作り手とユーザーの間の相互理解がここまで進んだと考えるとこれは目頭が熱くなるどころか…号泣ものです!

 

5.あれ、もしかして、もう一匹忘れてない?

ここまでポケモンカードの歴史を少し紐解く形で綴ってきましたが、振り返ってみて改めてポケカの魅力とは何か?という問いに対し私が一番これに尽きるなと感じた点は、「メディアミックスコンテンツの地盤がしっかりしている」ことだと思います。

仮に原作人気に便乗して始まった企画でもそれ自体が独自の良さを見せ続けてくれているのであれば、自ずとその企画のみのファンも現れるというところ。

ポケカに関して言えばまさに今回取り上げた、初期から描き続けてきたポケモン世界を表現することがポケカの固定ファンを生んだ要因の一つであることは明らかです。

原作ゲームから発展したカードとアニメ、人気キャラのトレカ化は数あれど続かず数弾で終了したり、作りがしっかりしてても原作が低迷化や終了しそのまま存続できないパターンも多いです。

ポケモンはその結末にならないよう各世代ごとでコンテンツそれぞれが連携し、「企画Aは人気だが同時進行の企画Bが振るわない」という現象が無いようにゲーム・カード・アニメがそれぞれ努めてきたことが伝わってきます。

 

しかしここで新たな疑問点。本当に長く愛されるにはイラストや各コンテンツ人気だけでなく、トレカとしてはプレイ層が必要不可欠ですよね。序盤で遊戯王について少し説明したようにトレカそのものに今も昔もライバルが沢山いたわけなので。

次回がありましたら、ポケカを支えてきた面はイラストたちだけでなくその競技性の奥深さについて紹介したいと思います…!

ポケカ部 対戦風景

弊社ポケカ部も絶賛活動チュウ!

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