取材記!「みわ書房」(神田神保町 こどもの本の古本屋)

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 たいむましんの取材シリーズ第3弾は、絶版系の絵本・児童書コレクターであればご存じのお店「みわ書房」様を取材させて頂きました!

 

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 以前に「るすばんばんするかいしゃ」を取材させて頂いた際にも、個人的にも、絶版系の絵本・児童書コレクターの通う店として
「みわ書房」「るすばんばんするかいしゃ」の2つのお店の存在が大きいと書かせて頂きました。

今回は、その「みわ書房」さんの取材をさせて頂く事が出来ました!

 「るすばんばんするかいしゃ」の取材記は、こちら
http://t-machine.jp/blog/column/?p=622

 

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■「みわ書房」さんの歴史

 

「みわ書房」さんは、1983年(昭和58)9月1日の営業開始から今年で33年目を迎えます。

 ここ神田の神保町の交差点から近く靖国通り沿い、ひときわ目立つ古書店の集まるビル「神田古書センター」の5階で営業を続けています。

 

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 絵本・児童書の古書店としては、草分け的な存在であり、少なくとも神田で、このような店は初めてなのではと思っていました。

古書店という大きな枠の老舗となると明治・大正からのお店もあるからなのかもしれませんが
「うちは老舗というほどの店ではないので」
と謙遜される店主。

 「絵本・児童書専門の古本屋」というよりは、「こどもの本の古本屋」という柱となる方針があるそうです。

 

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 「みわ書房」の歴史を紐解くと、それは「神田古書センター」と共に歩んだ道でもありました。
1978年の2月に、「神田古書センター」が完成(1977年竣工)

 

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元々は、ビルのオーナーである1階の古書店「高山本店」さんと洋古書店「北沢書店」さんが
共同で、この2軒の古本屋であった古い建物を取り壊して
現在の場所に9階建ての建物を作ったのが現在の「神田古書センター」なのだそうです。

 

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当時としては画期的な目立つ高層ビルで世間の注目を浴びたようです。

 当時、現在の「みわ書房」店主さんの前の社長さんが、
現在の「みわ書房」のあるフロアで「喜鶴書房(きかくしょぼう)」という古書店を始めたそうです。
つまり、「神田古書センター」の5階で初めてお店を開いたのが「喜鶴書房」となります。
「みわ書房」さんの店主は、その「喜鶴書房」さんの時から勤めておられたそうです。

 

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その後、「喜鶴書房」さんが撤退。

1983年6月から現在の「みわ書房」さんの店主が居抜きでお店を引き継いだとのこと。

 

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その際に、神田の古書店街で同じような本を並べても競合してしまって敵わないと思い
色々と頭を捻り考えたところ、子供の本で売っている店は、どこにも無いという事に気が付いたのがキッカケとなり
全国でも珍しい「こどもの本の古本屋」を柱とした「みわ書房」が誕生したそうです。

 

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「喜鶴書房」さんの頃から子供の本も置いてあったそうですが、
まだ、子供の本は店の右半分くらいしか並んでいなくて、左半分は一般の古本が置いてあり、
「みわ書房」さんになってから、全部が、子供の本に成り代わっていったそうです。

 

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■「みわ書房」以外にも、子供の本の店があった!?

 

「みわ書房」さんの店主から
「子供の本の古本屋」が、じゃあ、今までなかったかというと実は神保町に、昔は、あったんです。」
と、驚きの証言を聞けました。

 それは、「森田屋」さんという古本屋さんで、店主も実際に、そのお店を見たわけではないそうですが、
昭和の20年代か30年代頃にやっていたのではないかと教えて頂けました。


その時、レジの奥に入って行って
「おはようジャンケン」という絵本を店主が出してきてくれました。

 

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この「おはようジャンケン」という絵本を出してきた理由を話し始めてくれました。


昔、神保町の交差点の所で「錦華小学校」の子供達の通学登校時に交通整理をしている名物おじいさんが居て親しまれていたそうです。

 

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 その「森田屋」さんの店主が古本屋をやめ、おじいさんになってからのお話しとして、この絵本になっているそうなのです。
この「森田屋」さんの店主は、戦前から神田の古書店に勤めて小僧で修行して自分で古本屋を始められたのだとか。


そのお店には、児童文学の一人者でもある坪田譲治さんらも通われたようです。

場所は、現在の「書泉グランデ」の並びを脇へ入った所あたりだそうなので、「みわ書房」さんからも、そう遠くはありません。

 

ちなみに、「錦華小学校」は、現在の「千代田区立お茶の水小学校」のことで、
Wikipediaによると「1993年4月に錦華小学校・小川小学校・西神田小学校の3校を統合」とあります。

 

場所としては、旧「錦華小学校」の場所に、現在の「お茶の水小学校」が建てられたようです。

 

運命的なエピソードとして、「みわ書房」さんの店主さんは、現在の「神田古書センター」で働き始めた当時に、実は、この交通整理をしていた「森田屋」のおじいさんと、よく会っていたそうなのです。

 

ただ、当時は、「森田屋」の事も、おじいさんの素性も知らなかったそうなのです。
それが、1978~1980年前後の出来事だそうです。

 

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■「みわ書房」の店内の書棚

 

「品揃えとしては、普通に今も売っているような絵本とか童話を安いお値段で売るというのと
あと、メインは品切れ・絶版になった絵本とか童話の本を、なるべく集めたい。
子供さんとか、お母さん方とかが探してる、そういう絵本や童話も、ここで見つけて頂き、役に立ててもらいたいと思っています。」

と、みわ書房店主。

 

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 「それと、あとは時代的に古いモノ・・・・・」と言って歩きだし、店の中でも特に古い本の並んだ本棚から
60~70歳代の方々に定番で人気のあるものとして、戦後の昭和20~30年代の「講談社版 世界名作全集」
「ドン・キホーテ」「名探偵ホームズ」「ノートルダムのせむし男」「小公子」などを出して頂きました。

 

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 また、戦前ものでは「小学生全集」なども人気があるようです。
当時、菊池寛芥川龍之介の責任編集で作られた、この「小学生全集」と対抗し合って同時期に出たという
北原白秋の弟の出版社「アルス」の出した「日本児童文庫」も複数冊置かれていました。

 

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 「みわ書房」では、「絵本・児童書だけの古本屋」と一括りにしていないのは、
絵本・児童書だけでなく、図鑑や学習本・児童文学資料・児童文学評論関係の本まで
子供の本に関するものであれば何でも、ここに来れば揃うという点に信念を持っているからです。

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 過去には、宮沢賢治「風の又三郎」も入荷されて高値で販売された事があるそうです。
昭和14年12月20日発行(12月15日印刷)初版の羽田書店版あたりであれば、探していれば、たまに見かけますが、
「風の又三郎」で初めて出版されたとされ「文圃堂書店」から昭和9年頃に出た「宮澤賢治全集」全3巻の中で
「風の又三郎」が収録されている第3巻は、なかなか出てくるものではない貴重品なので、みわ書房さんの書棚に並ぶのに相応しそうです。

 

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 絵本、児童書を探しに来て、相談される方も多く、
他にも、特定の作家、例えば、坪田譲二浜田広介新美南吉を探されている方、
乗り物の本だけを集めている方など、一生懸命探されているコレクターの方々の手助けもしてくれているようです。

 

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 相談自体は、聞いて頂いて大丈夫ですし、探求本自体も受け付けてくれるそうです。
ただし、見つかるかどうかは運次第です。

 また、本を復刻するに際しての原本協力、テレビや映画に使う本の提供などもされているようです。

 

 

 

■みわ書房さんから絵本作家さんが?

 

店内を見ていて「ん?」と思った絵があったので、「この絵は?お知り合いなのですか?」とお聞きしたところ
今、みわ書房さんで働いている人の描いた絵とのこと。

 「うちの関係で絵本作家になっている人は2人くらいいます。」と店主さん。
なんと、みわ書房さんで働いたり手伝ってくれた人から絵本作家さんになられた方が二人もおられるとのこと。

 

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絵本・児童書に関わりたいと思った人ならば、一度は、みわ書房さんで働いてみたいと思う人は、結構、おられるのではないでしょうか。

 

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■売れ筋の本

 

 今、売れているものの中の1つは福音館の「こどものとも」とのこと。
取材の日の時点では、500円~1,000円位で売られているものが多かったです。

 

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創刊号から集めておられる方も訪ねて来られるので、バックナンバーを探しに来られるようです。

「こどものとも」よりも早くに創刊していた「母の友」の在庫もありました。

「母の友」は、1953年の創刊。

 「こどものとも」は1956年の創刊ですが、この2冊の繋がりといえば、
実は、誰もが知る名作絵本「ぐりとぐら」は、「母の友」「たまご」という小さな作品で掲載された後、
「こどものとも」で、「ぐりとぐら」となって出版されたという経緯があるので、この絵本を語る上でも大切な本です。
やはり、ここでも、福音館の絵本は根強いという印象を受けました。

 

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 「るすばんばんするかいしゃ」さんの時も、同じ事を聞く事が出来たのですが、
現時点では、「みわ書房」さんでも、児童書・童話の類が売れずらい傾向になっており、絵本の方が売れるとのこと。
やはり絵本の方が需要があるのでしょうか。
児童書・童話も絵本も好きな私としては、複雑な心境になりましたが、絵本人気は昔から衰えないという安定感も改めて実感しました。

 

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■思い出に残るエピソード

 

 店主さんとお話ししていると、実は新刊の本屋もやった事があったとか、
古本が好きで、関東一円の古本屋は周ったとか、興味の湧くお話しが次から次へと聞けました。

 

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 「みわ書房」を始めてからお店で起きた思い出に残るエピソードとしてお話し頂けたのは
小学館から出た「オールカラー版世界の童話」の中に4冊存在する「カロリーヌ物語」シリーズについてのエピソード。

 

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 何十年経っても人気がある、この「カロリーヌ物語」シリーズは、今でも人気の根強い絵本で店に並ぶと、すぐに売れてしまうのだとか。
「みわ書房」さんで、この本を手に入れたお客さんからは、感想や手紙をもらう事もあるほど熱いファンがいらっしゃるようです。

 

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 そんな、ある時、店主さんが「カロリーヌ物語」の話しをしていた時、
「カロリーヌ物語」の出版に関わった方が「私です」と名乗り出てくれて
出会う事が出来た上に、出版当時の裏話しも聞く事が出来たのだとか。
「カロリーヌ」ファンとすると、とても羨ましいエピソードですね。

 

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 ちなみに、「カロリーヌ物語」は復刻していますが、やはり、原本ともいえる存在の
この「オールカラー版世界の童話」「カロリーヌ物語」を求めて、「みわ書房」さんに来られるファンが多いようです。

 

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■「お店をやっていて嬉しい事はなんですか」

 

 「この本は絶対に欲しい人がいると見定めて仕入れた本をお客様が喜んで見つけてもらって
【あ、私、これ探していたんですよね!】と買って頂ける。それが一番嬉しいですね。
しかも、そういう昔の古い本で子供時代の頃を取り戻してもらえればと思います。」

 

 

 

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 店主さんは、そんなお客さんの笑顔を見たくて、今日も頑張って楽しい絵本や児童書を仕入れて来たのが伝わってきます。

 

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■最後に「お客さんに一言」お願いします

 

「自分の子供時代の思い出の本があったら是非、探しに来てください。なんでもご相談に応じます。」

 

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 「みわ書房」様の取材を終えてからも、しばらく店内を物色していましたが、昭和の子供時代を図書館で過ごしたタイプの人には、たまらない空間なのではないでしょうか。

 

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 絵本や児童書の数は、国内のものだけでも膨大で、全てを網羅して分かる人というのは滅多にいないかとは思います。
ですので、昭和の古い絵本・児童書コレクターが、現在になって、当時に出会えなかった隠れた名作に自分の目で出会う機会は、あまりありません。

 

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 特に、現代の図書館も昭和の古い貴重な絵本・児童書は、閉架書庫の隠れた倉庫に置いてあり
なかなか、いつも見られる開架図書の棚の方には置いていないので、昔のように昭和の本を棚を見ながら出会うという事が出来なくなったという現状があります。

 

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 ですので、そういう意味でも絵本・児童書古書店には、これからも色々な絵本・児童書に出会う機会を与え続けて頂ければと思っています。

 この取材シリーズで、「みわ書房」様と、「るすばんばんするかいしゃ」様という
自分にとっての2大絵本・児童書古書店を取材させて頂き幸せでした。

 

 

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 まだまだ、良いお店はあると思いますので、出会い次第、また取材させて頂き、ご紹介出来ればと思います。
また、逆に、うちのお店を取材に来て欲しいというご依頼もお待ちしております。

 お忙しい中を取材に応じて頂きました「みわ書房」様の店主様、スタッフ様に感謝申し上げます。
絵本・児童書好きなので個人的にも、これからも通わせて頂きます。

 

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こどもの本の古本屋「みわ書房」

〒101-0051
東京都千代田区神田神保町2-3 神田古書センター5F
http://www.miwa-shobo.com/

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是非、当店にご相談ください。

 

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