日本を代表する漫画家紹介 -ちばてつや-
■漫画家、ちばてつや
ちばてつやは2018年現在、日本漫画家協会理事長を務めている、日本を代表する漫画家の一人である。
第3回講談社児童まんが賞、第7回講談社出版文化賞、第23回小学館漫画賞、第6回日本漫画家協会賞、紫綬褒章、旭日小綬章、 そして文化功労者と数多くの受賞。
名を冠したちばてつや賞は特に青年漫画の発掘に力を入れ、個性的な作風を持つ漫画家を世に多く送り出している。
現在もなお漫画家として活動し、また文星芸術大学では教授として漫画文化を後輩に伝えている。
■戦中戦後の混乱
ちばてつやは1939年に東京都に生まれるが、すぐに父親の仕事で旧満州へ移住する。1945年、太平洋戦争の終結による混乱の中、家族とともに日本へ引き揚げ、再び東京都に居を移した。
幼少期から絵を描くことが好きだったちばてつやは、同人誌への寄稿などを経て、1956年、17歳で貸本漫画でデビューする。この際に貸本出版を行っていた日昭書店社長の石橋国松に漫画制作のいろはを教わり、その後出世作となる「ハリスの旋風」の主人公に感謝の意味を込めて石田国松の名をつけた。
高校卒業後に本格的に漫画家活動を始めたちばてつやは、当初少女漫画誌である「少女クラブ」、「少女ブック」で読切作品の発表を始めた。
少女クラブでの掲載で講談社専属漫画家となった後、1961年には「週刊少年マガジン」にて、「ちかいの魔球」の連載を開始する。
■ハリスの旋風
その後も少女漫画誌、少年漫画誌で作品を発表、「1・2・3と4・5・ロク」「魚屋チャンピオン」「紫電改のタカ」「ユキの太陽」などヒット作を立て続けに生み出していく。
1965年には初期代表作とも言うべき「ハリスの旋風」の連載を開始。同作品はテレビアニメ化もされ、週刊少年マガジンを代表する人気漫画家としてのちばてつやの地位を確かなものにしたと言えるだろう。
ハリスの旋風の主人公、石田国松は、声を大山のぶ代が演じた。
大山のぶ代は後にテレビ朝日版「ドラえもん」にて主人公ドラえもんの声を演じ、ハリスの旋風では脇役のメガネを演じた小原乃梨子はドラえもんで野比のび太を演じることになり、長く共演することになった。
■そして、あしたのジョーへ
ちばてつやの漫画が長く愛される理由は、読者にとって普遍的なスポーツ漫画を多く描いたことと、そのずば抜けた心理描写にあるといえるだろう。
ちばてつや本人はスポーツの経験は少なかったが、その描写は大胆でありリアルである。後のスポーツ漫画に多大なる影響を与え、漫画の神様と称され数多くの漫画を執筆した手塚治虫の唯一描かなかったスポーツ漫画を多く描いたことにより、手塚治虫の影響を受けていない数少ない漫画家とも言われている。
また下町を舞台とした繊細な心理描写、情景描写は読者の心を捉えて離さない。その泥臭い情景描写と、相反する爽やかな心理描写は大きな相乗効果を生み、傑作を次々と誕生させていく原動力となった。
手塚治虫や梶原一騎をして、漫画家としての能力は別格であると高評価をされた漫画家であり、後に梶原一騎はちばてつやの漫画家としての能力を見込んで、自身が原作を務めた「あしたのジョー」の作画を一任することになる。
あしたのジョーは、ちばてつやの持つスポーツの描写、心理描写、情景描写の全てが遺憾なく発揮され、日本漫画史に残る傑作として今なお多くの読者に感動を与え続けている。
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