松本零士大宇宙002 -銀河鉄道999 車輌紹介-

公開日：2017年9月25日

前回は松本零士の代表作と呼べる宇宙海賊キャプテンハーロックについて書いた。

今回はもう一つの代表作、銀河鉄道999について書きたいと思う。

「銀河鉄道999」は少年画報社の「少年キング」で1977年から1981年にかけて連載された少年漫画。第23回(1977年度）小学館漫画賞を受賞し、テレビアニメ化、劇場アニメ化もされた松本零士の代表作である。

1981年の連載終了時は完結とされていたが、1996年になって小学館「ビッグゴールド」誌上で続編（エターナル編）の連載が始まった。エターナル編は1998年に劇場アニメも公開されたが、2005年以降は連載が中断したままとなっている。

そのため今回は、少年キングで連載されていた「アンドロメダ編」に登場した銀河鉄道株式会社の車輌について書こうと思う。

■銀河超特急999号

「銀河鉄道999」は地球で機械伯爵により母親を殺された星野鉄郎が、謎の美女メーテルに導かれて機械の体を無料でくれる星へと旅立つ物語である。

銀河系からアンドロメダ銀河まで銀河鉄道株式会社により線路が引かれ、地球発アンドロメダ終着駅行は一年に一本、銀河鉄道株式会社最速の「銀河超特急999号」が運行されている。

その他の路線や特急も数多く存在しており、通勤ラッシュで過積載となっている車輌も見かけられる。切符や回数券で乗車可能だが、銀河超特急999号に乗るには本人記名入りの専用パスが必要となり、専用パスを持つ乗客は終着駅以外での途中下車は許されない。

ただ時折、乗り継ぎや途中下車の乗客も乗車している為、詳細な規定は明らかになっていない。

銀河超特急999号の各駅の停車時間はその星の1日（自転周期であり、昼夜は関係ない）であり、地球時間で数分から数日、数週間と幅が広い。停車中は改札外に出るのも途中下車とはみなされず、自由である。その間の宿泊施設、遊興費用なども全て銀河鉄道株式会社が乗客へ支給する。

しかし銀河鉄道株式会社の規定では、停車時間を過ぎて列車に乗り遅れた乗客は、二度と銀河鉄道株式会社を利用できなくなるというルールが有り、その惑星で一生を過ごすことになる。

乗車中の乗客でも規定を破った場合、乗務員により列車外に投げ出され、事実上の死刑が執行される。同じく社員に対してもミスを犯した場合、極刑を含む厳しい罰則がある。

また列車内や駅改札内は治外法権となり、その惑星の法治下から外れる。

999号はアンドロメダ行の下り列車としてしか運行しておらず、上りに乗車することは出来ないが、最終回では鉄郎が上り列車に乗車し、地球へ戻っている。

■牽引車

999号を牽引する動力車の外観はC62形蒸気機関車と同じであり、地球に二度と戻れないため乗客にノスタルジーを感じさせる目的があるという。その外観のため、20世紀の地球と同等の文明を持つ星では、蒸気機関車としてカモフラージュすることが出来る。

また外観は上記のように旧式であるが、内部は人工知能によって制御されており、この人工知能は外宇宙の遺跡から発掘されたオーバーテクノロジーを用いている。その為、銀河鉄道株式会社の規定内であれば自らの意思で行動を判断でき、また一定の感情も有している。

■客車

銀河超特急999には10両前後の客車が連結されている。鉄郎とメーテルが乗車する2等車は4人がけのボックスシートとなっており、劇中で最も多く登場する。

進行方向側にメーテルが座り、鉄郎はその向かいに座るのが定位置である。寝台車もあるが、二人共に眠る際もこのボックスシートを使用している。

2等車は爆弾を仕掛けられたり、破壊されたり、トレインジャックされたり、様々な理由で切り離され破棄されることが多いが、999号の編成が変わることはないのでその補充はされていると思われる。

また食事の際は食堂車を利用し、鉄郎はビフテキ（ステーキ）を注文することが多い。食堂車には専属のウェイトレスがおり、劇中ではクリスタルガラスの体を持つ機械人間、クレアが務めている。どんな料理でも再現できる調理器が備え付けられているが、それが有人か無人かは不明である。

その他に特等車、1等車（グリーン車）、図書館車が存在し、また危険宙域では三連装砲塔を4基搭載した装甲車が臨時に連結される時もあるが、劇中ではあまり活躍しなかった。

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