手塚治虫作品紹介 -新宝島とジャングル大帝-

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手塚治虫は日本を代表する漫画家であり、世界史においても日本漫画を代表する唯一無二の漫画家である。

生前から刊行された手塚治虫全集(講談社刊)は3期に分けて全300巻、死後に第4期が刊行されて全400巻となっている。

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こちらはたいむましんにて買取しました「手塚治虫漫画全集(講談社刊)全400巻」になります。

 

この刊行数を超えるのは、後輩でありまた最大のライバルでもあった石ノ森章太郎の「石ノ森章太郎萬画大全集」全500巻のみであり、今後も超えられることはないだろう。

 

 

手塚治虫は1928年、大阪府豊中市に生まれる。幼少からディズニー映画に没頭し、漫画を描き始める。戦後間もない1946年、「マァチャンの日記帳」で漫画家としてデビューし、1947年に長編漫画「新宝島」(原作・酒井七馬)を発表。後に大成する多くの漫画家、アニメーター、その他の多くの幼少期に計り知れない衝撃を与えた。

 

■新宝島

 

ロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』を元に、アニメーターであった酒井七馬が原作を担当し、手塚治虫が作画を担当したと言われるが、元の原稿が紛失し手塚治虫自身が酒井七馬が携わった部分を削除して新たに描き起こした「新宝島」が手塚治虫全集版として出版されており、また手塚治虫が上京し、日本漫画界の中心的役割を果たす一方、酒井七馬は大阪で紙芝居制作や新人育成などに携わり1969年に病没したため、謎が多い。

そのためオリジナルの古書的価値は大変高く、高額漫画本として有名であったが、2009年に小学館から復刻された。

 

■ジャングル大帝

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こちらはたいむましんにて買取しました「手塚治虫漫画全集第一期 書店用販促タペストリー」になります。

 

「新宝島」で勢いに乗る手塚治虫は上京し、1950年、学童社の月刊漫画誌「漫画少年」に「ジャングル大帝」を掲載。これが手塚治虫の本格的な長編連載漫画の最初の作品となった。

ジャングル大帝は新宝島を超える反響を呼んだ。連載中に公開されたディズニー映画「バンビ」の影響を大きく受けているが、ストーリーはホワイトライオンのレオが仲間たちとともにジャングルを守り、最後は友人であるヒゲオヤジの命を救うために自らの命を投げ出すというアンハッピーエンドは、多くの読者に衝撃を与えた。漫画家の水野英子は、親を亡くしても泣かなかった自分がレオの最期では涙に暮れたと証言している。

手塚治虫の代表作として複数回アニメ化され、海外へも輸出されており、ベネチア国際映画祭では1966年に銀獅子賞を受賞している。また手塚治虫の死後、1994年にディズニーが製作したアニメ映画「ライオンキング」は、漫画家の里中満智子などを始め多くの漫画家からジャングル大帝との類似性が指摘されたが、真相は不明のままである。

 

■漫画少年

 

ジャングル大帝が掲載された漫画少年は、講談社の編集者であった加藤謙一が編集長を務めた(後に学童社の社長も務めた)少年漫画誌である。加藤謙一は戦前から子どもに向けた漫画の有用性に気づき、『少年倶楽部』の編集長として田河水泡による「のらくろ」の連載を仕掛け、成功。

戦後、GHQの公職追放により講談社を退社し、学童社を設立。自らの理想として「漫画少年」を創刊し、多くの子どもたちに影響を与えた。

漫画少年は連載漫画である手塚治虫のジャングル大帝も人気を博したが、それ以上に読者投稿に重点を置いた編集方法が多くの読者に共感を与えた。

読者による投稿作品の批評は手塚治虫も務め、この読者投稿から職業漫画家を志し、後に大成した者も少なくない。

代表的な人物の中でも特に、寺田ヒロオ、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄、鈴木伸一などは後に手塚治虫が一時期在住したトキワ荘に結集し、それぞれが日本漫画界や日本アニメ界に名を残す巨匠となっている。また漫画家以外にも、篠山紀信、筒井康隆、眉村卓、横尾忠則など、後に各界で名を馳せる人物も多く排出した。

 

ただ「漫画少年」は激化する少年漫画出版競争で徐々に販売部数を減らし、学童社の編集部は返本の山で埋まっていたと証言する漫画家も多い。そしてジャングル大帝の連載が終了した翌年の1955年、遂に学童社は倒産し、漫画少年も廃刊となった。

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こちらはたいむましんにて買取しました“「『漫画少年』史」寺田ヒロオ編著”になります。

 

その廃刊を惜しんだ漫画家の寺田ヒロオは、後に「『漫画少年』史」(1981年刊)を編纂し、自身の漫画家人生最後の書籍とした。

 

手塚治虫のこの後の偉業については、また別の機会に続きを書きたいと思う。

手塚治虫作品紹介2 -鉄腕アトム-

 

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