人造人間キカイダー -特撮作品紹介-
石ノ森章太郎(当時、石森章太郎)原作の特撮ヒーローと言えば、やはり仮面ライダーだろう。
元々は「マスクマンK」という企画から始まり、紆余曲折を経て石ノ森章太郎の漫画作品「スカルマン」が候補に上がるが、スポンサーが髑髏のデザインに難色を示し、また新作を望んでいた局の要請によりバッタをモチーフにした怪人を主人公とした「仮面ライダー」が誕生した。
バッタをモチーフにした仮面ライダーのデザインはスカルマンの髑髏ほどではないにしろグロテスクであり、ヒーローに相応しくないという反対もあったが、子どもの感性には訴えるはずだという判断から「仮面ライダー」が製作され、現在までシリーズが続く日本を代表する長寿特撮番組として定着した。
子供の感性に賭けた石ノ森章太郎の慧眼は、感嘆に値すると言えるだろう。
仮面ライダー以前のヒーローと言えば、美しさや精悍さが求められた。ウルトラマン、ウルトラセブン然り、仮面の忍者 赤影、マグマ大使然りである。
しかし仮面ライダーにより、怪人として改造された肉体に正義の心を持つヒーローというジャンルが誕生した。
■人造人間キカイダー
完璧よりも、欠点があればこそ美しいというのはヒーローも同じである。
そしてこのグロテスクな容姿を持った特撮ヒーローという系譜の中で、今なお輝きを失わない至高の存在といえば、「人造人間キカイダー」ではないだろうか。
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■左右非対称の不完全な姿
青と赤、左右非対称で機械類が見えるクリアパーツのボディ。人体模型を元にしたと言われるそのあまりに奇抜でグロテスクなデザインは、出演者にも大いに不評であったという。
ただ石ノ森章太郎自身はこのデザインの出来に大きな自信を持っており、放送が開始されると仮面ライダーに並ぶ人気となった。石ノ森章太郎の慧眼は、やはり冴えていたのだ。
キカイダーは人造人間(人型ロボット)であり、人ではない。心の代わりに組み込まれた良心回路は不安定であり、青が善の心、赤が悪の心を表し、不完全な姿となっている。
後にコミック版「キカイダー02」では最初の変身で青一色で内部も見えない完全体、パーフェクトキカイダーとなったが、すぐに不完全なキカイダーとなってしまった。S.I.C.版キカイダーシリーズでも同様のパーフェクトキカイダーが存在する。
不安定な良心回路のために、左右非対称の不完全な姿になってしまうキカイダー。仮面ライダーの系譜を引き継ぎながら、全く新しい変身ヒーローの誕生であった。
■サイドマシーン
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仮面ライダーと同じくキカイダーもバイクを操る。サイドマシーンと呼ばれる、近未来的なフォルムに鮮やかな黄色のペイントが施されたサイドカーだ。
1970年の東京モーターショーで参考出品されたコンセプトマシン「カワサキ・マッハIII500・GTスペシャルサイドカー」をリペイントしたもので、この近未来的フォルムは後の宇宙刑事シリーズなどのメタルヒーローにも受け継がれたという。
■ハカイダー
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また人造人間キカイダーを語る上で、ライバルであるハカイダーを外すことは出来ない。
漆黒に黄色いイナズマラインが走ったボディ。裂けた如く奇妙な口に、怪しい赤い瞳。悪魔回路を持ち、頭部には剥き出しの脳髄が埋め込まれた異形の人造人間、それがハカイダーだ。
ハカイダーはキカイダーを破壊するためにプロフェッサー・ギルによって製造された。また頭部に埋め込まれた脳髄は、キカイダーを製造し、行方不明になってしまった光明寺博士の脳髄である。
そのためキカイダーはハカイダーを破壊することが出来ないが、ハカイダーは光明寺博士の脳髄を生かすために定期的に血液を交換しなければならず、また次第に光明寺博士の意識がハカイダーを乗っ取り、プロフェッサー・ギルを裏切ることになった。
悪魔回路を持つハカイダーだが独自の美意識を持ち、キカイダーを破壊するために手段を選ばないが卑怯な振る舞いを嫌う。
アンチヒーロー、ダークヒーローの元祖としてハカイダーの人気は衰えず、未だ語り継がれる存在となっている。
仮面ライダーの系譜でありながら、その異形で今なお語り継がれる独自のヒーローとなった人造人間キカイダー。石ノ森章太郎の発想の偉大さには敬服するばかりである。
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