「特撮ヒーローの未来は?」第3回(全3回)

山 陰生(やま かげみ)

「特撮ヒーローの未来は?」第1回はこちらから。

03

新しいヒーロー像を打ち出した宇宙刑事シリーズ。80年代は玩具のディテールやギミックにも新しい試みが施され、そういった点でも進化した時代だといえる。

 

しかし、シリーズも続いていくと、いくらアイデアを重ねてもマンネリ化していくことは免れません。ところが、新世紀を間近に控えた96年に円谷プロが放った『ウルトラマンティガ』とそれに続くダイナ、ガイアの三部作により活気づいたところで『仮面ライダークウガ』が新世紀の幕開けにふさわしい登場を行い、後に続く平成仮面ライダーシリーズの基礎を築きました。しかしクウガも当初は怪人の殺害シーンが残酷だとか、父兄からのクレームの多い作品でした。ですが終わってみれば作品はその価値を認められ、次作へとつながり、その後は現在も続くイケメンブームを形成し、撮影もフィルムからビデオ撮影へと移行したことも手伝い、CGが威力を発揮するなど、現在のスタイルが出来上がっていきます。こうして様々なアイデアのもと、連綿と作品が作り続けられているのは、最初に触れたとおりです。ですが、そんな中にあって正直最近の私は特撮ヒーローよりもアニメ作品を観ている時間の方がはるかに長くなってきました。
CGの発達はいままでにない画面作りに貢献し、毎週このクオリティの作品が観られるというのは、正に「継続は力なり」の賜物です。しかし、個人的にはアクションがCG素材の一部に見え、つまるところCGで動くキャラはアニメなのでは? という思いがあるのです。画面内の情報も必然多くなって行き、本当に見せたいモノが際立っていないようにも思えます。このあたり前回のマジンガーZの映画とも共通する事かもしれませんね。すべてが豪華すぎる画面で、番組を通してのメリハリがない気がするのです。これは贅沢な悩みかもしれませね。それにライダー、戦隊共に大人数で敵味方入り乱れる図式が同じに見え、正直ブランドの棲み分けが曖昧になってきている気がして、そんなこんなで遠ざかっていたアニメに戻っている自分がいます。そんな私ですが、だからこそ願っているのです。次に来る特撮ヒーローの革新とはどんなものなのだろうかと。この円熟期を抜けて、アッと驚かせてくれる作品はどのようなものになるのか、と。
なんとなく東映作品に関しての話になりましたが、映画も含めた環境や、他社の作品などもあるので一概にすべてがこう、とは言えませんし、それが悪いということでもありません。昔の作品が良かったのであれば、再放送やDVDを観ていれば良いだけの話ですから。しかし東映作品に限らず、こういった傾向は少なからず見受けられると思うのです。シリーズが続くことによるさまざまなインフレ状態の先に登場する、次なる救世主は何か? 誰か?

終<全3回>

『こんな所にバイプレイヤーズ!』第1回はこちらから。

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山 陰生(やま かげみ)

上京後、専門学校を経てアニメーターになるも挫折。
その後、編集プロダクションに拾われ、オタク関連の書籍や雑誌の編集・ライティングを行いその後フリーに。
しかし、人生の旅も半世紀を越え、田舎にUターンして余生を過ごす日々。
昭和を愛すが別に戻りたくはない、初老に片足突っ込みかけているオヤジです。


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