「アイドル映画からアイドルドラマへの系譜」第1回(全3回)

山 陰生(やま かげみ)

「アニメブームの到来とその頃のこと」第1回(全4回)はこちらから。

 

今や「アイドル」たちが歌だけでなく、映画やドラマに出演するのは当たり前の時代。遡ってみれば「アイドル映画」といえば、作品性そのものというより、その大根芝居(失礼)を愛でるというべき作品群であった時代があった。

60年代までの代表的なアイドルといえば、銀幕や歌手の「スター」がアイドル的な存在であり、現在のアイドルと比べると、少々趣が異なった。芝居も歌唱もこなす美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの「三人娘」など、芸の達者な印象が強い。現在のアイドルとは違い銀幕、大衆演劇の役者など、ある種近寄りがたい「スター」という存在であり、そう呼ばれるだけの才能を持っていた。

s541738749.1山口百恵 警視庁 宣伝チラシ 非売品

 

それが70年代に入り、より身近な歌手の登場や『スター誕生!』などのアイドル歌手発掘番組の盛り上がりなどを含め、アイドルはより身近な、みんなで育てていくというスタイルに変貌を遂げていき、これは今でも同じ流れのうちにある。厳密な区別は難しいと思うが、アイドル(歌手)が映画の主演を務めるというエポックメイキングなアイドルは「花の中3トリオ」(後に花の高3トリオまで)と呼ばれた山口百恵、桜田淳子、森昌子。この3人娘が主演映画を撮る辺りから新人アイドルが映画やドラマに進出していく道筋が出来はじめたように思う。

time_ma_chine-img1200x900-1509963040kankhd31511桜田淳子 写真詩集 ためらい 恋する人へ ワニブックス 初版

 

1974年に封切られた山口百恵の『伊豆の踊子』翌年、桜田淳子の『スプーン一杯の幸せ』森昌子の『どんぐりっ子』と各人主演映画が撮られ(映画出演自体は森昌子が最初だが)、3人が共演する『花の高2トリオ・初恋時代』も75年に上映されている。当時、山口百恵は次々と主演映画を公開し、大映テレビ制作で主演を務めたTVドラマ『赤い衝撃』に至る「赤いシリーズ」でも人気を博した。74年には「新御三家」のひとり、西城秀樹主演の『愛と誠』も公開されており、この辺りからアイドル映画にスポットが当たっていくようになる。同時期のフィンガー5やアグネス・チャンなどの短編映画も好評だった。徐々にスターを売り出しにくくなった映画界が、次のステップとしてアイドルを扱い始めたのも、ひとつの、しかし大きくなる選択肢だった。

 

「アイドル映画からアイドルドラマへの系譜」第2回へ続く。

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山 陰生(やま かげみ)

上京後、専門学校を経てアニメーターになるも挫折。
その後、編集プロダクションに拾われ、オタク関連の書籍や雑誌の編集・ライティングを行いその後フリーに。
しかし、人生の旅も半世紀を越え、田舎にUターンして余生を過ごす日々。
昭和を愛すが別に戻りたくはない、初老に片足突っ込みかけているオヤジです。


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